今から22年前ロック映画の金字塔となった、みうらじゅん原作・宮藤官九郎脚本・田口トモロヲの初監督作となった映画『アイデン&ティティ』。本作はその系譜とも呼べる新たな音楽青春映画。1978年を舞台にその後のロック・シーンに大きな影響を与えた若者たちのムーヴメントを描く。音楽の知識ゼロながらもやがて東京パンクシーンの重要人物となるカメラマンのユーイチを峯田和伸、バンド・TOKAGEのリーダー兼ボーカルのモモを若葉竜也が演じる。

本作には銀杏BOYSとしてミュージシャンである峯田がカメラマン役として出演している。峯田は「自分もバンドやっていて周りにも個性的な人もいる」と前置きした上で「常識人がめちゃくちゃかっこいい音楽を作れるかっていうと意外とそういうわけでもなく、生活も破綻してる人もいるんですけど意外とそういう人がめちゃくちゃかっこいい音楽を鳴らす時もある。でもそういう人たちだけだと行き詰まったりもする。どちらの人種もいないと広がらないと思うし、僕はちょっと迷惑をかけた部分も多々あったので、今回ユーイチ役を演じてそういう人たちの協力もあって自分が音楽とかもできてるんだなって改めて感謝してます」と役を通じての学び明かし日々の感謝を語る。
峯田と同じく主演を演じる若葉は10代の頃に映画『アイデン&ティティ』に衝撃を受けたという。今回念願だった田口作品への出演に「10代の時とか本当に(仲野)太賀と2人で映画について喋ったり弾き語りしたりしていたので、この映画にそうやって僕と同じように影響を受けた俳優さんとかスタッフたちと10何年後にまた一緒に映画作れたら最高だなとは思ってます」と自身の体験を踏まえつつ未来の映画制作に期待を寄せていた。
また撮影現場の雰囲気について若葉は「僕は間宮くんとか太賀とかと普通に喋ってましたけどメンバー同士はちょっとピリピリというか緊張感ありました」と言い、その原因について「軋轢が予想よりもはるかにかっこよかったってことがメンバー的にはやばいってなったんだと思うんですよ」とDEEPを演じる間宮を絶賛すると、間宮は「いやもう正直嬉しいです」とハニカミながらも喜びを噛みしめていた。

そんな現場の空気感などキャスト陣の熱い話を聞いていた峯田は「バンド物って実際バンド組んでるわけじゃなくて役ですけど、練習も行ったりするとぐっと近くなって役者同士が本当にバンドになる」と力を込める。続けて今作では『アイデン&ティティ』で共演した中村獅童から当時の役名で呼ばれていたそうで「一瞬で戻れるあの感じバンド物ってめちゃくちゃ良いと思います」と魅力を語った。それに対して田口監督も「バンドってほんとにマジックがある。それにさらに映画のマジックが加わってる」と共感を見せつつも「みんなが演じるバンドがレジェンドのバンドなんでそれを継承するって楽しさってすごいあったと思う。だからスタジオに楽しそうに入っていくんで監督としてはすごいジェラシーましたね。自分もそっちに行きたい」とキャスト陣に羨望の眼差しを向け会場の笑いを誘っていた。