2000年3月に起こった地下鉄脱線事故でその短い生涯の幕を閉じた富久信介さん。そんな彼に、密かに想いを寄せていた少女。通学電車の中でだけで会える、名前も知らず、話したこともない2人の淡い恋が、不慮の事故により突如終わりを迎えた。時は流れ2020年、富久さんが通っていた大橋ボクシングジムの大橋秀行会長の元へ、あの少女からメッセージが届く。当時の彼への想いや通学時の思い出が綴られていたラブレターは20年の時を経て、彼の家族の元に届き、息子の知られざる青春の断片と成長を知ることができた。この奇跡の物語に感銘を受けた石井裕也監督が映画化。
主演は石井監督と初タッグとなる綾瀬はるか。さらに、當真あみ、細田佳央太、妻夫木聡、菅田将暉、佐藤浩市など実力派の豪華キャストが集結。1通の手紙から明かされる、1人の青年が生きた証、そしてそれぞれの愛情が日本中を深い感動で包み込む。

この度、行われた公開直前イベントでは、全国189劇場約3万人へ生中継が実施され、主人公・ナズナを演じた綾瀬はるかとメガホンをとった石井裕也監督が登壇。
これまで様々な作品に出演する中で日本全国で撮影を行ってきた綾瀬は、それぞれの都道府県での思い出を聞かれると「どの場所も本当にご飯が美味しくて、皆さん優しくて。なので、その土地に感じる空気感や人の優しさが、作品にとても良い影響を与えてくださっていると感じて、どの場所も思い出深い場所となっています」と笑顔を見せる。

今作を撮影した千葉にも中継が繋がっており、ロケ地となった千葉県香取市は監督がそのロケーションに惚れ込んだようで、「朝焼けと夕焼けの息を飲むほど美しい景色を数年前に見て一目惚れして、この作品はここで撮りたいと思ったんです」と明かす。撮影で訪れた香取市の印象を綾瀬は「自然がたくさんあって、とても空気が綺麗だなと思っていました」と話していた。

改めて、脚本を読んだ感想を綾瀬は「実際に起きた事故を題材に、過去と現在を行き来している部分もあるんですけど、そこも本当に丁寧に描かれていて、登場人物が全員、誰かのことを想っていて、とても優しくて愛に溢れた作品だなと思い、監督からのラブレターだと思って受けました。脚本を読んだ時点で嗚咽しながら読みました」と振り返る。

今作のタイトルを綾瀬がかなり気に入っていたという話では、「問いかけている感じも好きですし、ラブレターってあまり今の時代に書いたりしないのかなと想うんですけど、一生懸命恥ずかしさを打ち破って書いたり、遠回りでも伝えようとする色んな想いがある気がしていて、このラブレターという言葉にしかない響きがあるなと思って、それが好きです」とお気に入りの理由を語る。
また、石井監督から、現在のタイトルとは違うものに変わりかけていたことが明かされるも「綾瀬さんの鶴の一声で、オセロがひっくり返るごとく状況が変わって」と、綾瀬の影響が大きかったそう。

そんな石井監督と綾瀬は今回が初タッグとなる。撮影を経て、石井監督は「この話は実際にあった悲しい死が描かれていますが、悲しいだけではなく、むしろ全力で生きている人の姿にこそ涙する、希望を感じられる作品になっています。そういう映画になったのは、主演の綾瀬さんが持っている明るさや魅力によるところが大きいと思っています」と、綾瀬の人柄に救われたようで、その言葉を受けた綾瀬は「この上なく嬉しいです。本当に素晴らしい作品で、出ている方々も素晴らしいですし、なんと言っても監督の編集が本当にお上手で…!人に語らせる部分と、香取市の景色が語ってくれる部分が美しく描かれていて、監督天才だ!と思いました。出てくる登場人物それぞれの立場の中で、自分なりの愛の形で誰かを想っているところがぐっときますし、人を想う美しさを感じられてとても綺麗な映画だなと思います」と言葉を返した。

さらに、中継先を含めた本イベントに参加したお客様へ向けて、綾瀬より直筆ラブレターがプレゼントされた。