
本作は、お笑い芸人としてデビューし、その後ラジオ・テレビ番組の構成作家などを経て、映画「サバカンSABAKAN」の監督やNetflix「サンクチュアリ‐聖域‐」、現在放送中のTBS日曜劇場「GIFT」などの脚本を手掛ける金沢知樹の原点ともなる、青年期の“深夜ラジオ”の体験をベースに、ある男の再生と勇気を綴る物語。
東京公演開幕を前に行われた取材会で、本作の主人公・田中浩司を演じる松岡は「我々中年が普段抱えているものや、見てくださる皆様も重なる部分が多々あるのではないかと思います。どこかにおき忘れてしまったあの頃の夢みたいなものをがむしゃらに追いかける純粋な部分もあり、そしてこの年だからありえてしまう親との関係、老い、様々なものを抱えて過ごしていくというお話です」と本作について語る。「短い稽古期間ではあったんですけど、とても充実しましたし、このメンバーでとても初日を迎えられて良かったなと思うのと、1人でも多くの方が楽しんでいただければなと思います」と言葉を続けた。

本多劇場の舞台に立つのが本作が初となるが「散々ガキの頃から見に来ていて、いつかこの舞台に立ちたいと思っていて。今回このお話をいただいて嬉しかった一つは、この本多劇場に立てるということだったので、やっと念願が叶ったので、1ステージ1ステージを楽しみたいなと思います」と噛み締めていた。
稽古の日々を振り返り、「同じ役なんですけど、皆3、4パターンぐらいずつやって、その中で擦り合わせて良いものを引っ張っていきましょうみたいな稽古だったんではないかなと思います」と、演出を務める金沢ならではのやり方で進んだよう。「色んなパターンが頭に入っているので、今日はそっちのパターンで来たんだなと、本番中にディスカッションできると。作り置きのない芝居というか、その時の素材で空気感でできる生の芝居をお届けできるんじゃないかなというのがあります。稽古は本当に面白かったですね」と笑顔を見せ、ライブ感が楽しめるような舞台になっていることに、「それぞれの個性が皆さん違いますし、良い意味でぶつかるんです。その辺の相乗効果を楽しめると思います」と語った。

また、松岡演じる浩司の高校生時代を演じた渡部から、稽古の思い出を「何度思い返してみても松岡さんの男気と兄貴感に尽きます」と言葉があり、「キャストだけじゃなくスタッフの皆さんに対しても常に気を配ってコミュニケーション取ってくださるところとか、ご飯に誘っていただいたりとか、座長として素敵な背中を見せてくださっていました。これから大千秋楽まで続くんですけども、もっともっと素敵な背中見続けたいなって思いました」と尊敬の眼差しで語られた。

そして、32年前にニッポン放送「電気グルーヴのオールナイトニッポン」でリアルにオールナイトニッポンのパーソナリティを務めていたピエール瀧は、伝説のパーソナリティ・楢崎幸之助を演じる。「その昔、番組との関わりがはがきしかなかった時代のパーソナリティとリスナーとの絆の話なんですけれども。どういう存在で、どういう空気感で、どういう手触りだったのか、それをお芝居で、外側の輪郭かもしれないですけどそれをお伝えできるのは、非常に意義のあることなのかなと思っています」と述べる。「公演させていただく本多劇場のある下北沢は、僕たちが若い頃に闊歩していた街とはだいぶ手触りが変わってしまったような側面もあります。そんな中で、はがきみたいにな感じで残っている本多劇場で、はがきに関するお芝居をやれるのは何かのシンクロニシティなのかなとも思っております」と、コメント。

取材会の最後に、松岡から「今、逆に新しい作品だと思います。アナログにアナログを重ねた作品なので。自分も子どもの頃にラジオにはがきを送った経験がある人間ですから、その辺を噛みしめながら、その熱を冷めることなくお客様にお伝えしたいと思います」とメッセージが送られた。

取材会後には公開ゲネプロが行われた。舞台『はがきの王様』は2026年5月14日(木)から5月24日(日)まで東京・本多劇場、2026年5月28日(木)から5月30日(土)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演される。























