エン*ゲキシリーズは役者・池田純矢が自身の脚本・演出により《演劇とは娯楽であるべきだ》の理念の基、誰もが楽しめる王道エンターテインメントに特化した公演を上演するために作られた企画。
2015年に芝居とエンターテインメント性を掛け合わせた朗読劇+シチュエーションコメディを上演し、2017年には本格的な演劇作品として上演。以降、様々な切り口からエンターテインメントを創り上げて発信し続けている。これまでのシリーズでは演目ごとに学問のジャンルからテーマを定めて、エンターテインメント作品に見事昇華させて好評を博している。

シリーズ6作目となる最新作では、エン*ゲキがこれまで掲げてきた基本理念である、「学問テーマ」「王道展開」「全年齢向けエンターテインメント」と言ったシリーズの象徴に、敢えて真っ向から対立するような“即興音楽舞踏劇”と題して、即興で音楽を奏で、舞うという挑戦的で革新的な試みに挑戦。
どこまでも自由な新境地でありながら、アートシーンに燦然と響き渡る新たな芸術作品が産声を上げる。

主演を務めるのは、ストレートプレイからミュージカルまで幅広く活躍し、高い歌唱力とキレのあるダンスのみならず、繊細かつ力強さのある演技力で高い評価を得ている中山優馬。

共演には『宇宙戦隊キュウレンジャー』の主演で注目を集め、ドラマ、映画、舞台とジャンルを問わず活躍中の岐洲匠、本作の大規模オーディションで類まれな歌唱力と透明感を示し、初舞台にして抜擢された夏川アサ、声優として青年から二枚目まで様々な役柄を演じ、今作が久しぶりの舞台への出演となる野島健児。
そして、俳優としての活動をはじめ、舞台作品の脚本を担当するなどマルチな才能を発揮している池田純矢、エン*ゲキシリーズお馴染みのメンバーで、凛とした佇まいと高い演技力で舞台を中心に活躍している鈴木勝吾。
さらに、圧倒的な存在感と硬軟自在の演技力で日本のドラマ・演劇界では欠かせない存在の升毅といった、華と実力を兼ねそなえた多彩な顔ぶれが集結した。

エン*ゲキ#06「即興音楽舞踏劇『砂の城』」は、10月15日(土)から10月30日(日)まで東京・紀伊國屋ホール、11月3日(木・祝)から11月13日(日)まで大阪・ABCホールにて上演される。

<INTRODUCTION>
《-即興音楽舞踏劇-》
ピアニストによる生演奏で紡がれる珠玉の音楽が世界を彩り、物語の住人はあるがままに、即興で旋律を奏で舞う。
その日、その時、その瞬間にだけ、そっと貴方に届く密やかな物語は、たった一度の為にだけ存在し、同じ弧を描く事は二度とない。
幻のように揺蕩う彼等の命を、より儚く、より刹那的に映すことで、贅沢で濃密な空間が“舞台芸術の可能性”を描き出す。

これまでも様々な革新的作品を発表してきた「エン*ゲキ」シリーズ。
その全てを糧に満を持して挑むのは、どこまでも自由な新境地。
誰も知らない新たな芸術の産声が、アートシーンに燦然と響き渡る―。

<あらすじ>
「僕らは、間違いを犯した―。」

颯爽と吹き抜ける風が、右に、左に、軋む大木に吊られた亡骸を揺らす。
その瞳は虚無だけを映すようで、しかし生を渇望するようでもある。
それでも”今”は彼を置き去りに、なにもなかったように過ぎていく-。

国土を砂地に覆われた大海の孤島、アミリア―。
街はずれの農地に暮らすテオ(中山優馬)はこの日、人生の門出に立っていた。
領主・アッタロス(野島健児)の娘で、幼馴染のエウリデュケ(夏川アサ)と念願の婚礼を迎え、晴れてひとつの夫婦となるのだ。
共に育った親友のアデル(鈴木勝吾)らも歓声を挙げ、全てが幸福に満ち溢れていた。

時を同じくして、宮廷では国王崩御の報せが舞い踊っていた。
王位継承権を持つ太子・ゲルギオス(池田純矢)はこの機を逃すまいと、最高文官である宰相・バルツァ(升毅)と共に邪な策を練る。
しかし、先王の遺言によってこれまで隠匿されていた「王家の血を継ぐ庶子」の存在が公然の事実となる。
玉座を確たるものにせんと、ゲルギオスは秘密裏に謀殺を企てるが…。

そんな折、テオらの暮らす地に王国からの勅令軍が訪れた事で、
エウリデュケの従者で奴隷の男・レオニダス(岐洲匠)こそが、王家の血を継ぐ高貴な者であることが判明する。
この日を境に、交わる事のなかったテオとレオニダスの運命は強く結びつき、次第に幸福だった日常は”砂の城”のように脆く、崩れ堕ちてゆく…。

誰もが迷い、誰もが苦しみ、抗いようのない悲哀と憂いに縛られながらも其々が選んだ道は、果たして正しかったのか、それとも―。

【中山 優馬 コメント】
このお話をいただいたときは純矢君との再びの共演がこんなに早く叶うなんて…と、とても嬉しかったです。この作品は神聖な印象を受けたのと同時に、人間の深層心理や、時代が故の愚かさと切なさがいっぱい詰まっているな、と思いました。僕が演じるテオは、弱さ・脆さ・儚さを感じさせる人間ですが、神聖かつ美しい心を持っている人物だと思います。
今作は即興音楽舞踏劇ということもあり、その場で感じた感情で歌うので、毎回同じにはならないんです。その一瞬一瞬を生きていく、というまさに挑戦の作品です。純矢君の作品はテンポが良く、役者のエネルギーを感じられて、観ている人を全く飽きさせません。みんなのエネルギーのぶつかり合いで作品が生まれると思うので、その瞬間が今からとても楽しみです。
神聖でとても美しく綺麗な舞台になると思います。人間ドラマが溢れる感情的なストーリーなので、熱量のある舞台にしていきたいです。どうぞ、楽しみにしていてください。
<役柄>
テオ:アミリア王国・リエーザ領に住まう青年。
領主の娘・エウリデュケと婚礼の儀を迎え、次期領主として期待を向けられている。

【岐洲 匠 コメント】
僕が演じるレオニダスは、一度開いたら閉めることの出来ない引き出しを開けてしまったような役柄なので、明るい表情の裏にある心の中の暗い部分を滲み出せるようにしたいと思っています。レオニダスを生きる僕を見て、自分らしい人生を歩んでいきたいと思ってもらえたら嬉しいです。
この作品は即興音楽舞踏劇ということなので、なめらかで美しい動きができるよう、今からやれることはやっていこうと思います!
僕もまだ味わったことのない感情を経験できる作品になると思います。観に来てくださった方の人生観を変えるような作品を皆さんと作っていきますので、楽しみにしていてください。
<役柄>
レオニダス:エウリデュケの従者で、奴隷の男。
幼い頃から奴隷商の手から手へと転々としていたが、数年前ここリエーザ領に買い上げられた。

【夏川 アサ コメント】
将来の夢として、演技だけではなく歌や踊りなど色んな表現に携わっていきたいという気持ちがあったので、とても良い機会をいただけたなと思っています。出演が決まり、チャンスを掴めた気持ちで大変嬉しいですし、このオーディションを受けさせてくれたマネージャーをはじめ、関係者の皆様、選んでくださった池田さん、そして家族への感謝と、頑張りますという気持ちでいっぱいです。
まだまだ未熟ではありますが、最高のキャストの方々、スタッフの皆様と一緒に最高のエンターテイメントをお届けしようと思っています。ぜひ劇場に足を運んでいただきたいです。お待ちしております。
<役柄>
エウリデュケ:リエーザ領主・アッタロスの娘。
その境遇を感じさせないほど天真爛漫で奔放、勝気な性格で、いつもテオやアデルにからかわれている。

【野島 健児 コメント】
普段、声優として声のお仕事をメインにやらせていただいているので、今回初めてのことが目白押し。ここから何が起きるのかという期待感でいっぱいです。純矢くんは一緒に楽屋にいると火傷しそうなくらいの熱量とパワーがある方ですごく惹かれていたので、ご一緒できることが嬉しいですし、楽しみです。
即興音楽舞踏劇がどういうものなのか、今までご覧になったことがないと思いますので、ぜひぜひ楽しんでいただきたいと思います。僕たちもドキドキと楽しみが交差する中ではございますが、何とか頑張っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
<役柄>
アッタロス:アミリア王国・リエーザ領の領主で、エウリデュケの父。
温厚で心根の優しい人柄で、皆に慕われており、テオと娘との婚礼も心から祝福していている。

【池田 純矢 コメント】
エンゲキシリーズ、今回は即興音楽舞踏劇です。今書きたいものを書いたので、ようやく実現できるのか。という気持ちでいっぱいです。自分が今一番表現したいことは何だろうと考えたときに、その時の感情をシームレスに音楽にのせることはできないのか、歌・音楽に対してもっと極限まで自由になってもいいんじゃないか、ということを突き詰めて、即興音楽劇を思いつきました。昼公演を見て、その日の夜公演を見たら全く違う物語を観たような、そんな作品作りができたらいいなと思っています。一緒に作品を作ってくれるキャスト・スタッフの方々からは「見たことも、聞いたこともない」と言われますが…(笑)だからこそ、僕がやる意味があるし、プロフェッショナル達がそう言うくらいなので、きっとお客様にとっても新鮮で驚きのある作品になるのではと思っています。
美しさと憂いを兼ね揃えていて、歌・ダンス・芝居がなんでもこなせる優馬君なら、僕が描きたいことを安心して預けられるし、きっとこの役だったら今までと違う中山優馬が生まれるんじゃないかと、とても楽しみにしています。
その日・その時・その場所・その一公演でしか観れない、あなたの為のたった一公演になるはずなので、ぜひ劇場に足を運んでいただき、この体験を肌で感じていただきたいと思います。我々はたっぷりとおもてなしをできる準備をして、劇場でお待ちしています。
<役柄>
ゲルギオス:アミリア国王の太子。
生まれながらの生粋の王族で、次期国王に最も近い存在。
冷徹無慈悲で民の事は国家の為の家畜だとしか考えていない。

【鈴木 勝吾 コメント】
少し間が空いてしまい久しぶりの純矢との現場なので、とても楽しみです。エン*ゲキシリーズは池田純矢という俳優が一つの作品を作っていくというところから始まり、僕でよければぜひ、という想いから、何年も続いています。それはきっと彼の才能や人間性があってのことなので、僕も一緒にエン*ゲキという場所にいられることが嬉しいです。たくさんの作品があって、その中でも様々な葛藤の中でいろんなものを抱えて表現している人たちがいるということをたくさんの人に知ってもらいたいし、友人でありライバルである池田純矢という人間が作り出してきたこのシリーズでまた新しい挑戦をしていく作品になると思います。劇場に来てくださるお客様には後悔させないように、来てよかったなと心から思っていただけるような、そんな作品を劇場で花開かせることができたらいいなと思っています。
<役柄>
アデル:テオとエウリデュケの幼馴染で、農夫の青年。
二人とは今でもどんな事でも語らい合う親友。その直情的な性格から度々喧嘩になるが、最後は決まってエウリデュケに諫められる。

【升 毅 コメント】
昨年、純矢君の監督作に出演させていただいたり、彼の演出したお芝居を見たりしていて、なんて才能溢れる人なんだろうと。そんな彼から即興音楽劇をやりたいと聞いたとき、それはぜひ見てみたいと思っていたのですが、どうやら見ることは叶わないみたいです。お芝居と同じで、どのように表現できるのかを、自分で限界を作らないでやってみようと思います。どんなことができるのか、どういう形になっていくのか、とても楽しみです。僕が演じるバルツァは頭を使って人生の最後にちょっとだけ日の目を見たいという役柄です。自分とは重なる部分がない分、あえて大胆に、100億万倍くらいにして表現出来たらなと思います。これまで見たことも聞いたこともない、新しいお芝居が始まります。即興音楽舞踏劇「砂の城」、ぜひお楽しみに。
<役柄>
バルツァ:前王の頃より宰相を務める王族の最高文官。
その手腕は確たるものだが、血筋は王家の者ではない。それ故に並々ならぬ野心を抱えている。