1937年のロンドン初演以来、国内外で愛され続ける傑作ロマンティックコメディである本作は、名門貴族の跡継ぎとなった下町育ちの青年ビル(三浦宏規)の成長と、恋人サリー(上白石萌音)との一途な愛を、軽快なタップとテンポの良い音楽で描く。東宝製作版として本作が上演されるのは、およそ17年ぶり。新たに演出に挑むのは、『王様と私』をはじめとした数多くのミュージカルを手掛けてきた小林香。

このたび行われた製作発表記者会見に、キャストは役の扮装で登場。当初はグランドプリンスホテル高輪の中庭での開催を予定していたが、当日はあいにくの雨模様。三浦が「ロンドンっぽくていいのかな」と語るように、作品の舞台であるロンドンの空気感を思わせる恵みの雨の中で会見がスタートした。

演出を手掛ける小林香は、「『ミー&マイガール』は、初めから笑って笑って、ちょっと涙して、最後にすごく大きな笑顔を咲かせて終わるミュージカルです。約90年前に誕生した当時は、世相を反映させた最先端の現代劇でした」と作品の歴史に触れ、「この作品は『誰かを愛し続けるために、自分の何を変えずに守り抜くのか。そして誰かを愛するために、自分は何を変えていけばいいのか』という普遍的なテーマを抱えています。2026年、2027年を生きる現代の日本のお客様が生々しくリアルに感じられる問いかけとしてお届けできるよう、総勢31名の出演者と頼もしいスタッフとともにコメディを磨き上げてまいります」と意気込みを語った。

ランベス育ちの貴族の跡取り・ビル役の三浦は、「この作品をやれること、すごく嬉しく思っております。プレッシャーもあって最初は『大丈夫かな』と身構えていたのですが、稽古の最初に小林さんが『この作品はコメディですから』と言ってくださって。それで肩の荷がすっと下りて、今は楽しく稽古をさせていただいています。1月の博多・大阪公演まで長く頑張ります」と宣言。

ビルの恋人・サリー役の上白石は、「小学生の時にDVDを見て以来大好きな作品で、サリーの曲もコソコソ練習していました(笑)。思ってもいなかった夢が叶って本当に幸せです」と感激し、「お稽古が始まっていますが、お芝居も歌もダンスも濃くて、骨太なミュージカルをやっていると毎日感じています。幼い頃から大好きで憧れ続けたミュージカルにどっぷりと身を浸して、できることを精一杯頑張ります」と微笑んだ。

ジャッキー役の星風は、「ハッピーなミュージカルということで、お稽古場も笑顔がたくさん飛び交っています。その笑顔の連鎖をお客様にお届けできるように必死にお稽古しております」とコメント。

ジェラルド役の小野田は、「東宝版の初演から拝見していて、エネルギーに魅了された一人です。そんな大好きな作品に携われること、嬉しく思っております。この作品は、観た人が幸せになるのはもちろん、関わった俳優やスタッフの皆様も魅了され、愛とエネルギーに溢れた作品だと、皆さんよくおっしゃいます。そういう作品に俳優人生でなかなか出会えることではないので、その幸せを胸に、2026年の疲れを吹き飛ばす勢いで、我々上演してまいります!」とアピールした。

パーチェスター役の荒川は、「この作品に携われたことを非常に興奮しております。弁護士役としての仕事を舞台上でしっかりと果たしつつ、コミカルな部分も盛り込んで役作りに励んでいきたいと思います」と語った。

ジョン卿役の池田はまだ稽古に参加できていないと明かしながら、「一昨日に別の公演でロンドン・パリから帰ってきたばかりで、皆さんより西洋の匂いがします(笑)」と笑いを誘う。「パリはデモ騒ぎで劇場の周りも大変で、非常にヒリヒリしている世の中なんだなと身に染みて感じています。そんな中で、台本を読んだ限りでは非常に大らかで幸せに満ちた世界観で、世の中にパッとしたものを届けるのは素晴らしいことだと思います。ミュージカルには不慣れですが頑張ります」と挨拶。

マリア公爵夫人役の瀬奈は、「宝塚を退団して、色んなカンパニーでご一緒する方に『ミーマイを見てこの世界を目指したんです』『ミーマイ大好きなんです』と必ず言いにきてくれるんです。それだけ人を前に進ませる大きな力を持つ作品で、皆で前を進んでいこうという気持ちも込めて、この作品をお届けできたらと思います」と呼びかけた。

三浦と上白石は、2022年世界初演の舞台『千と千尋の神隠し』初演からハク役、千尋役として共演。2024年の舞台『千と千尋の神隠し』ロンドン公演の際には、2人で『ミー&マイガール』の舞台となるランベスを訪れたそう。
三浦が「短く滞在時期が重なったので『これはランベスに行かなきゃ』ということで出かけました」と明かすと、上白石も「小雨が降る中、Googleマップで調べたらすごく近くて。歌詞に出てくる小さな教会にも行ったり、歩きましたね」と振り返った。会見では、その際にスマホを地面に置いて、自撮りで撮影された思い出の写真が公開されるも、三浦が「(提出したの)あんたでしょ!(笑)」とツッコミを入れるなど、息の合ったやり取りで会場を和ませた。

さらに司会者から、1938年にイギリス王室主催のチャリティーイベントでスターたちが「ランベス・ウォーク」を踊った会場が、まさに『千と千尋の神隠し』ロンドン公演が行われた「ロンドン・コロシアム」であったという事実が明かされると、2人は「知らなかったです!」「繋がっているんですね」と驚きの声をあげた。三浦は「ビルもサリーもランベスに愛がある役なので、実際に大地を踏んで歩いた経験は絶対に生きてくると思っています」と力を込め、上白石も「あの時の空気感や感じたことを大事に蘇らせながら頑張りたいです」と意気込みを新たにした。