
新宿の新たなランドマークとなる「東急歌舞伎町タワー」6階に完成する新劇場「THEATER MILANO-Za」のこけら落とし公演として上演される『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』。これまでに多くの人々を魅了し続けてきたアニメーション作品『エヴァンゲリオン』が今回、舞台ならではの演出による完全オリジナルの物語として繰り広げられる。
本作の構成・演出・振付を手掛けるのは、演劇やコンテンポラリーダンスの公演はもちろんのこと、バレエ、オペラ、歌劇などの演出・振付でも幅広く活躍し、新作を発表するごとに常に世界中の注目を集める世界的天才振付家であるシディ・ラルビ・シェルカウイ。
さらに上演台本は、劇団はえぎわの主宰で、俳優・脚本家・演出家として活躍するノゾエ征爾が手掛ける。
主演は、ドラマ・映画と映像を中心に活躍する窪田正孝。共演には注目の若手実力派俳優として多彩に活躍する石橋静河、人間味あふれる演技と確かな存在感が光るベテラン田中哲司ら、豪華キャストが集結。
さらに板垣瑞生、永田崇人、坂ノ上茜、村田寛奈、宮下今日子とフレッシュな顔ぶれと手練れの俳優陣が脇を固め、『エヴァンゲリオン』の新たなエンタテインメントを誕生させる。
オープン前のTHEATER MILANO-Zaで行われた製作発表には、主演を務める窪田正孝をはじめとしたキャスト陣に加え、構成・演出・振付のシディ・ラルビ・シェルカウイ、東急文化村代表取締役社長の中野哲夫が出席した。
まずは中野氏が、「『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』をTHEATER MILANO-Zaのこけら落とし公演として発信できることを大変光栄に思っております。舞台をご覧いただいたお客様が新宿に来て、心に何かを持って帰るということ、そして新宿で愛されて行くであろう劇場の新しい一ページを飾っていくことを念頭に置き、企画制作を進めております」と挨拶。
続けてラルビが「このプロジェクトを手掛けるとなった時に感じたことは、とてつもない責任感です」と話し、「自分の育ったヨーロッパ、そして世界中で『エヴァンゲリオン』は大きな影響力を持っている作品です。それをこの新しい劇場から発信するということが、大きなものに挑むという考えを持ちました。俳優の皆さん、ダンサーの皆さん、そして一緒に作品を作る全ての人たちと、この原作の『エヴァンゲリオン』の作品への敬意をどうやって表していくかを考えていて、今とても楽しみです」と期待を寄せる。
既に稽古は始まったということで手ごたえを聞かれると「とっても楽しいです」と笑顔を見せ、「パペットや映像を使ったり、様々な表現方法を組み合わせて世界を表現していくことを大事にしたいと思っています。ここ数日間の稽古の中で、根幹をなすような大事なことが表面に見えてきて、素晴らしいキャストの皆さんと一緒に作り上げられることをとても嬉しく思っています」と、演出にも触れた。
渡守ソウシ役の窪田は、「ものすごく無謀な挑戦をしたなと」と出演が決まった時の反応を明かしながら、「そこにすごく飛び込んでみたいって思えたのは、役者という体現者としての一つの良い呪いというか性のような、無謀な挑戦にこそ行きたくなる好奇心みたいな、冒険したくなるような気持ちがありました」と振り返る。「『エヴァンゲリオン』は僕も大好きな作品で、今の世界の現状や未来、過去の全てを謳っているような作品な気がしていて。色んな情報がたくさんあり、どんどんデジタルが普及していってアナログなものが無くなっている中で、演劇という役者が体現する、直接お客様と向き合える瞬間に、お互いに余白のスペースを持って共有しながらこの舞台を完成することが出来れば、何か一つ新しい生命みたいなものが生まれるんじゃないかなと思っているので、そこに全てをかけて、全力で頑張りたいです」と意気込んだ。
霧生イオリ役の石橋は、「私は『エヴァンゲリオン』を見て育ってこなかったんですけど、とてつもない作品だっていうことは当然のごとく知っていて挑戦するのは怖いなと思ったんですけど、でもラルビさんの作品をお芝居を始める前からすごく見ていて、いつか何かの形で一緒に仕事したいなって思っていたので、それが今役者として出会えたのがすごく嬉しくてやってみようって気持ちになりました」と語り、「原作に敬意を払いつつも、新しい舞台という形で、どんどん果敢に挑戦して新しい作品として見てもらえるように頑張ります」と意欲を見せた。
心身の不調により降板となった村上虹郎の代役として出演が決まった、ナヲ役の板垣は、「お話をいただいた時に、ちょうど演劇とか舞台に立ってお芝居することをすごく挑戦してみたいと思っていたタイミングで」と明かし、僕は映像作品しかやったことがないので、生でお芝居を伝えるっていう、人前で演技をするっていうことをしたことがないので緊張する部分もあるんですけど、生だからこそ伝えられることってすごくたくさんあると思います」と初舞台への期待を膨らませていた。
トウマ役の永田は、「出演が決まった時は、衝撃でした。まさか自分がまずこけら落としの作品に出られるっていうことがちょっと想像が追いついてなくて、いつか俳優をやっている先にそんな日が来ればいいななんて、思っていたので『本当にいいんですか?』っていう感じだったんですけど」と、こけら落とし公演出演への喜びを見せ、「あとは『エヴァンゲリオン』の舞台ということで、僕も個人的にとても大好きな作品で、すごく前に見た時は、アニメの最終話で『おめでとう』って言われた意味が全然分からなくて。なんだこれは?ってすごく謎めいたまま、ただすごく大好きで面白い作品だなと思ったんですけど、出演が決まって改めて見直した時に『ここに自分が生きてていいんだ』っていうすごいパワーをもらったんです。だからそれを僕も僕なりに恩返しできるようにこのステージで精一杯やりたいなと思ってます」と意気込んだ。
ヒナタ役の坂ノ上は、「私にとって舞台の劇場に立つというのも今回が初めてで。その中で『エヴァンゲリオン』という世界的にも性別や年齢関係なく本当に多くの方に愛されている作品の舞台をやらせていただくということで、ずっとドキドキが止まらないんですけど、逃げずに食らいついてやっていけたらなと思います」と初舞台への想いを語る。
エリ役の村田は、「出演が決まった時は、素直に嬉しかったです。私自身、すごい遠慮したり小さくなったりしがちなんですけど、今日劇場に来て、こんなに大きな綺麗な劇場でそんなことしてたらもったいないなと思ったので、すべてを解放して皆さんにいい作品を届けられるように頑張りたいなと思います」と自らを奮い立たせる。
桜井エツコ役の宮下は「ラルビさんの作品がとても好きだったので、でも自分が出ることはないだろうと思ってたんですが、お声をかけていただいてとても嬉しいです」と笑顔を見せながら、「今回ダンサーで渡邉尚さんという方がいらして、すごく会いたいと思ってたらここで会えることになりました」と喜びを伝えた。
叶サネユキ役の田中は、「最初に『エヴァンゲリオン』やると聞いて、そこはちょっと手出したらいかんとこだろうと思ってビックリしたんですけどけど」と率直の感想を述べ、「『エヴァンゲリオン』というのは、使途とエヴァの戦いのところがやっぱり僕的には大好きで、舞台でどうやるんだろうと思って。昨日初めて稽古場へお邪魔した時に、軽く度肝を抜かれました。人形が動いてました。小さな人形が動いていてびっくりして……。演劇のパワーをすごく感じました」と舞台ならではの魅せ方に少し触れた。
日本のみならず、世界的に熱狂的なファンを持つ『エヴァンゲリオン』だが、オリジナルの脚本とはいえその世界に入ることについて、周りからの反響について質問が。
窪田は「一番最初に『エヴァンゲリオン』をやりますって発表されて、僕のイメージなのか知らないですけど『碇シンジやるんでしょ?』って言われて。過去やった作品だとどうしても幸薄い役が多くて、不幸を背