『浜村渚の計算ノート』は、講談社から刊行されている青柳碧人による日本の大ヒット推理小説。
2021年にミュージカルとして初演、原作の面白さや数学の奥深さを魅力的な楽曲とともに表現し、教育的価値のある作品としても高い評判を獲得し、新しいエンターテインメントとして大成功を収めた。
日本を代表するファミリーミュージカルとしてさらに躍進すべく、主人公・浜村渚を新たにオーディションで選出し、豪華キャストで展開される歌って踊って謎解きする、新感覚謎解きミステリーとなっている。

製作発表の冒頭では、桑原、立石、ダイアモンド☆ユカイにより『同様に確からしい明日』の歌唱も披露された。

主人公の浜村渚を演じる桑原は、「豪華なキャストの方々に囲まれて、初めての主演をやらせていただくということで、すごくプレッシャーとかもあるんですけど、それ以上に渚ちゃんという素敵な女の子を演じさせていただくことにワクワクの気持ちの方が大きいです。この作品が長く愛され続けるように、そして渚ちゃんの魅力をお伝えできるように一生懸命頑張りたいと思います」と初々しさを見せる。オーディションでフレッシュな演技と堂々たる歌唱力を評価され、主役を射止めた桑原だが、「決まった時は驚きと嬉しさとワクワクと、プレッシャーも少しあって、すごく気持ちが忙しかったです」と振り返った。

立石は、渚と共に事件を追う、数学には疎いが刑事としてのカンが鋭い武藤龍之介を演じる。「初めて刑事役に挑戦させていただきます。その中で渚ちゃんの頼りになる存在になるべく、取り組んでいきたいと思っています」と意気込み、「数学とミュージカルが一緒になってるっていうのが初めての経験で。僕はミュージカルが好きなんですけど、実は学生時代は数学が好きでテストでも100点を取っていたので、そういうところに運命を感じてぜひやってみたいと思いました」と作品への意欲がうかがえる。

武藤と共に事件を追う刑事・瀬島直樹を演じる藤岡は今作が初舞台となる。「個性豊かな先輩の皆様と一緒に舞台に立てることがとても幸せです」と話し、「数学がテーマでテロの方法も数学を使うという今まで聞いたことないようなテーマ性がまず面白いなと思いました。それがミュージカルになったらどんな面白さが詰まった世界になるんだろうというのが、ものすごく想像が湧きました」と笑顔。

一方、渚と対峙するテロ組織『黒い三角定規』を率いるドクター・ピタゴラス役のダイアモンド☆ユカイは「ドクター・ピタゴラスは数学者ですごく闇の深い人物だと知りました。愛佳はオレの娘と同い年で同じ学年ということで、優しいパパにならないように敵役を命を懸けて頑張りたいと思います!」と力強く誓う。

『黒い三角定規』の一員のキューティー・オイラーを演じるのは井上。「立場的にはテロ組織の悪役ということになるので悪を存分に楽しみたいなと思いつつも、数学が好きっていう気持ちは渚ちゃんと共通していると思うので、カンパニー一同同じ気持ちで作品を作っていけたらなと」と語りながら、「今日は大人キャストが多いですけど、渚ちゃん含めてオーディションを経て作品に臨むキラキラした子たちがいっぱいいて、私は今まで出させていただく舞台だとどちらかというと年下の方で皆が支えてくれるポジションにいたんですけど、今回は皆のことを支えてあげるポジションになる機会でもあるのかなと、すごい挑戦だなと思って楽しみです」と頼もしさを見せた。

同じく『黒い三角定規』の一員、ファントム役の朝隈は「テロはいけませんけど、物語の中だけは許していただいて、ファントムを怖い感じで演じられたらなと思っております」とユニークに話しながら、「今回ファントム役ということで、まず”ファントム”という名前に恐れ慄きました。”ファントム”という有名な作品がいくつもありますので、『浜村渚の計算ノート』のファントム役としてすごくプレッシャーを感じました」と役名へのプレッシャーを明かした。

さらに『黒い三角定規』の一員、モンキィ・ホールを演じるTOBIは、「僕は社会人だった経験がありまして、中学の数学の塾講師をやっていました」と意外な経歴を明かし、「小学校の頃は計算が苦手で、算数が本当に嫌だったんですね。でも数学になって急にスイッチが入って、数学って面白いなという風に感じることができて、その気持ちを伝えたいなと思って家庭教師や講師をやっていました。その気持ちが伝えられるミュージカルということで、まさに僕が言いたかったことが全てここに詰まっているなと思って、偶然ではないのかなと思っています。なので数学に苦手意識のある人たちが、数学ってこんな面白い一面があるんだということを気づいてもらうきっかけになれるような舞台になれば良いなと思います」と熱く語る。

演出を務める植木は、「原作の青柳先生にも応援していただき、たくさんの才能ある方々に支えられて、素晴らしい作品になると確信しています。ミュージカルが大好きで、世界中で色んなミュージカルを観てきました。観たことないすごいミュージカルを観てみたいといつも心の底から思っておりまして、そこにひたむきに挑戦したいと思っています。今回はすごい才能のある皆さんに集まっていただいて、最高のミュージカルを作ります」と宣言した。

台本を読んだ感想について質問があがり、桑原は「原作を読んでいたので、台本を読んでみて繋がるところやピンとくるところもあってワクワクしました。一人で読んでいてクスッと笑っちゃうようなところもあったので、早くお客さんに観てもらいたいなという気持ちになりました」とコメント。

立石は「僕も原作を読んでいたので、原作がこういう脚本になるんだって思いながら読みました。歌になった部分とかミュージカルならではの表現が出てきた時に、音源を聴いていないのでどういう感じなのか分からないんですけど、黒の三角定規対策本部を脅かすような色んなキャラクターがバーッと出てくる画を想像した時に、僕たちも観ているお客さんもすごいワクワクするんだろうなって思ったので、早く音源を聴いて、そして稽古をしたいなって思いました」と、期待が高まる様子。

「まさしく新感覚のフィーリングを感じました」と話すダイアモンド☆ユカイは「読んでてとてもワクワクしてきて、多分この作品は男女問わず、年齢問わず楽しめる作品になるなと思いました。クイズ形式で謎を解いていったりして、小学6年生の息子たちにも見せたいです」と思いを寄せる。

藤岡は「数学でクスッと笑っちゃうところとか観客の皆さんも一緒に考えて解いていく感覚も絶対あるだろうし、所々に感動するポイントとか、本当に色んな要素が詰まっている作品だなという印象を受けました」とし、さらに「僕が演じる瀬島的観点で言えば、台本上で予想以上にコミカルなキャラクターだなと思いまして、自信たっぷりでかっこつけなんですけど、抜けている部分もあって、年下の渚ちゃんに数学バトルを持ちかけて惨敗するんですけど、そこでも悔しいけどそれを出さない感じとか、そこが瀬島の魅力だなと思って、自分なりにどう表現していくかというのが稽古や本番を重ねて作り上げていくものなので、敵のクセ強キャラに負けないぐらい目立てるように頑張りたいです」と役柄についても熱く語る。

井上は「舞台の脚本は参加型で皆が楽しめるものになっているんじゃないかなと思って、そこに歌とかが融合してくるとどんな感じになってくるんだろうと思いますし、今日(登壇者のキャストとは)初めましてだったんですけど、皆さん本当に面白くて楽しいメンバーだなと思ったので、この個性豊かなキャストの皆さんが舞台に立ってこの作品をやるとどんな感じになるんだろうなってすごく楽しみになりました」とコメント。

朝隈は「僕自身も台本を読んで、数学をやったのはもう数十年前の話なので、これどうだっけ?って考えさせられたので、そしてお子さんと親御さんが一緒に観にきて、お子さんは自分で考えて、多分親御さんにこれどうなるの?って質問されるかもしれないし、大人も頭を使いながら楽しめるミュージカルだと思いました」と見どころを伝える。

TOBIは「台本を読んでみたら結構軽いシーンもありつつ、ちょっとホロっと感動するんじゃないかと感じさせるぐらいの良いシーンがありますので、そこは瞬きしないように観ていただきたいと思います」と熱弁し、さらに自身の役柄についても「猿好きの人を演じたことがないので、語尾に”モンキー”みたいなのを付けていこうかな?いくつ”モンキー”が言えるかどうかを確かめにきていただきたいなと思います」とその場で演出が追加になる一幕があった。

さらに、劇中に登場するテレビ番組のクイズショーにちなみ、数学力をチェックするクイズコーナーも行われ、大いに盛り上がった。

最後に、代表して桑原よりメッセージが。「数学に苦手を意識を持っている方はいると思うんですけど、数学が好きな方もそうでない方も楽しんでいただける新感覚なミュージカルなので、一生懸命頑張って良い作品にしていきたいと思います。ぜひ劇場に観にきてください!」と元気に締め括った。

ミュージカル『浜村渚の計算ノート』は、8月26日(土)~27日(日)まで福岡・キャナルシティ劇場にて、その後9月1日(金)~3日(日)まで大阪・森ノ宮ピロティホール、9月9日(土)~10日(日)まで名古屋・ウィンクあいち、9月14日(木)~18日(月・祝)まで東京・サンシャイン劇場にて上演される。