“絶景”と聞くと、都心から離れた雄大な山や大きな滝など壮大で美しい風景を思い浮かべるが、本作の”絶景“はそんな遠い場所の話ではなく、私たちの身の回りに潜んでいるものを指す。
原案は、八馬智『日常の絶景 知ってる街の、知らない見方』(学芸出版社)。
本書は印象的な写真と少しマニアックな文章で室外機やダクト、通信鉄塔、消波ブロック、ダムなど都市を作り出すピースたちへの新たな見方を示したとして話題になった。
本ドラマは、原案本の世界観をベースに、タイプの異なるふたりの女性が”日常の絶景“を一緒にめぐることで、距離を縮めながらその風景に癒され元気をもらう姿を描く。
普段はキャンプ商品メーカーの総務部で真面目に働き、”日常の絶景“めぐりが趣味である本作の主人公、町村 景役を演じるのは、映画『サマーフィルムにのって』『もっと超越した所へ。』、ドラマ『お耳に合いましたら。』『旅するサンドイッチ』(ともにテレビ東京)、舞台『宝飾時計』ほか数々の話題作に出演し、自身の個展を開くなどクリエイターとしても活躍する伊藤万理華。
そして、そんな町村と”日常の絶景”をめぐるのは、町村の同僚で企画部のエースとしてパワフルに働く想田ひとみ。演じるのは、電線などへの造詣の深さから「電線アンバサダー」に就任、さらにTBSラジオ『こねくと』メインパーソナリティーを務めるほか、文筆家、俳優と多面的な才能を発揮する石山蓮華。
町村と想田が訪れるのは、東京湾でよく見られ”キリン“の愛称で呼ばれるガントリークレーン、自然の力を抑えると同時に造形美を楽しめる砂防と消波ブロック、そして私たちの生活を支えてくれる超巨大構造物、ダム。
本作では3つの”日常の絶景“をその場で見ているような臨場感あふれる映像でお届けするのはもちろん、”絶景“に関するちょっとマニアックな知識を持つ町村と、感じたままを自由に語る想田の絶妙なかけあいにも注目。
【町村 景役:伊藤万理華 コメント】
町村を演じていると、何気無い風景がすべて美しく見えるので、毎日がより豊かに過ごせて幸せです。そして日常の絶景を通して想田さんと心を通わせる、ふたりの力の抜けた掛け合いが楽しいです。
脚本を読んで、こんな先輩が私の傍にもいてほしい!と思っていました。撮影を重ねていくにつれ、想田さん演じる蓮華さんが私にとってまさにそんな存在として傍にいてくれて、勝手に包容力に包まれています。
いつも近くにあるからこそ素通りしてしまう日常に、耳を傾けてみてください。
視点を変えるだけで心が豊かになるのだと、今こそ大切にしたいことを改めて教えてくれるドラマです。

【想田ひとみ役:石山蓮華 コメント】
八馬智さんの『日常の絶景』が、なんとドラマになるなんて!
しかも主演は伊藤万理華さんだなんて!最高!
千載一遇のすばらしい企画に参加でき、心から嬉しく思います。
絶景を作り上げるガントリークレーンや砂防などの構造物たちは、どれも人の知恵と仕事の結晶であり、私たちの毎日を土台から支えています。
私が演じた想田さんは、わき目もふらず仕事に没頭する人。彼女の目を通し、未知の絶景と出会えて楽しかったです。
真夏のロケなのでちょっと日に焼けましたが、それさえ勲章のように思います。
土木や路上を愛でる方々をはじめ、沢山の人にご覧いただきたいです。

【原案者:八馬 智 コメント】原案:『日常の絶景』(学芸出版社)
ちょっと視点を変えるだけで世界が変わって見えるという体験を共有したい。そんな気分でつくった本が、まさかのドラマ化。「日常の絶景」の概念がドラマの制作陣によって再解釈され、拡張される状況は、とても痛快に感じました。感度の高い二人の軽妙なやりとりが、絶景をより日常に引き寄せています。
【番組プロデューサー:太田凌介(テレビ東京 配信ビジネス局) コメント】
このドラマで描かれるのは、ダクト、階段、クレーン、ダム…etcといった、普通はわざわざ目を向けられたりすることはない事物たちです。ただ、私たちの日常を支える上で、確かに役割を与えられ、そこに存在しているものです。
ドラマの中の町村さんと想田さんは、普段の忙しい生活の中では見過ごしてしまうこれらのものに、丁寧に目を向け理解し楽しんでいきます。そんな2人の珍道中を眺めながら、「自分が日々暮らす毎日の風景もそんなに悪いものではないかも?」と感じていただけたなら幸いです。まだまだ週末までは遠い火曜日の夜に、観ることで少しでも視聴者の皆さまの日常が豊かになるような、そんなドラマをお届けいたします。