
本作は、1960年代のロンドンを舞台に誰もが経験するティーンエイジャーの恋の駆け引きや悩み、葛藤を描くミュージカルで、土曜日の夜に巻き起こる一夜の出来事を30曲を超えるロックンロールにのせて送る。世界中で300回以上上演され、9か国語以上の言語で翻訳されるほどの人気を博し、多くの人を魅了し続けている。
日本では92,93年の上演以来約30年ぶりの上演となり、大人には懐かしさを、若者には新鮮さを感じさせる作品として新たに誕生する。
演出は、近年話題の2.5次元公演やストレートプレイ、さらにブロードウェイ・ミュージカルまで様々なジャンルの作品を手掛け、その場に立つ俳優の実感を、空間演出により最大限に引き出す手法に定評がある元吉庸泰。
シャイで無邪気だが、魅力的な主人公・リックを演じるのは、河下楽。リックが憧れるイケメンで自信家だがいざとなると臆病なゲリーに、神里優希。チンピラだが目を離せない魅力の持ち主であるエディに、一色洋平。自分に自信がなくコンプレックスを持つスーに、黒沢ともよとダンドイ舞莉花のWキャスト。かわいらしく恥ずかしがり屋のシャロンに、熊谷彩春。男子に人気があり女子のリーダー的存在のブリジットに、高田夏帆。生意気だが誰よりもセクシーで物知りのペニーに、田野優花。さらに石川新太ら、多方面から集結した精鋭が物語のキーとなるティーンエイジャーたちを多彩に表現する。
そして、日本にタップダンスを広めた第一人者でもあり、振付だけでなく自身も俳優として活躍しているHideboHと、92,93年の上演時にも出演しており今もなお第一線で活躍する川平慈英が、ティーンエイジャーたちを見守る常連客とクラブのオーナーを演じる。
公開稽古は、冒頭で披露される「A Slice of Saturday Night」からスタート。野心を持った若者たちが、土曜日の夜〈CLUB A Go-Go〉で巻き起こる一夜の出来事を前に、心躍らせる様子を元気に表現した。
続いて、「If You wanna Have Fun」ではエリック役の川平がスタンドマイクを手に美声を響かせ、「The Long Walk Back」はリック役の河下が伸びやかに歌い上げる。1960年のどこかで聞いたことあるような2曲。この時代のロンドンは世界で文化の中心と言われた真っただ中、素晴らしい文化が花開いた時代。若者たちの華やかな衣装も見どころの一つとなる。
そして、2幕の冒頭を飾る「Eric’s Hokey-Cokey Shuffle」は、キャッチーな振付で賑やかな様子。
ミュージカル『スライス・オブ・サタデーナイト』は、11月3日(金・祝)から19日(日)まで東京・有楽町よみうりホール、11月21日(火)から23 日(木・祝)まで大阪・松下IMPホール、11月28日(火)・29日(水)に仙台・電力ホールにて上演される。
<あらすじ>
イギリスのとある地方都市のサタデーナイト。
地元の人気店『CLUB A Go-Go』は人生の学校、青春の世界。ティーンたちが集い社会のすべてを知る為に学ぶ場所。
無邪気なリックと優しいシャロン。シャイな二人は互いに好き合っているのに恥ずかしくて言い出せない。
気弱なスーは崇拝しているゲリーと付き合っている。
けれどハンサムで自信家のゲリーはセクシーで魅力的なペニーや他の女の子にもちょっかいを出す。
男の子たちは、粋がっているエディに、クールなリーダー格の女子ブリジットを閉店までに口説き落とせと挑発している。
個性豊かなティーンエイジャーたちが織りなすロマンスや葛藤をクラブオーナーのエリックは揶揄いつつも励まし、見守っている。まるで家族のように。
1960 年代ティーンズのファッションと彼らを取り巻く様々な青い体験をネオノストラジックな 30 曲超のナンバーに乗せてお贈りします。
さあ!土曜の夜は『CLUB A Go-Go』へ!!
撮影:岡千里