万里紗
女優
アメリカ人の父、日本人の母を持つ。と言っても、父が遺伝子検査をしたところ、祖先はドイツ人で、その他にもノルウェー、イギリス、スペイン、フランスにもルーツがあるそう。家庭内の言語は日本語だったが、ある日思い立ってECCジュニアに通いだし、10年かけて英語を習得。全国暗唱弁論大会で優勝、昨今では、日米合作映画『She's Just A Shadow』で全編英語の演技を披露した。
10歳の頃、舞台に出演する友人に感化され、子役として初舞台を踏む。初出演作品はミュージカル『赤毛のアン』だった。それ以来、ミュージカルや映像作品、またジュニアアイドルとしてバラエティ番組にも出演。高校時代は学業のため一旦活動を休止するも、大学入学時に再開。背中を押したのは、毎回舞台を観に来て、とびきりの笑顔を見せてくれる、ダウン症の弟の存在だった。
『レ・ミゼラブル』への出演など、芸能活動の傍ら、日本女子大学人間社会学部に在籍し、視覚芸術批評や文化人類学を学ぶ。学科トップの成績で卒業し、卒業論文は紀要掲載にも選ばれた。
大学卒業後の最初の出演作品『レミング~世界の涯まで連れてって』で、故・松本雄吉と電撃的な出会いを果たし、抽象演劇やコンテンポラリーアートにも強く惹かれるようになっていった。中でも特に前衛的なのは、初主演映画『眼球の夢』(日米合作)だ。ピンク映画四天王と呼ばれた佐藤寿保監督による同作品は、第64回ロッテルダム国際映画祭、全州国際映画祭(韓国)、ローザンヌアンダーグラウンドフィルム&ミュージックフェスティバル(スイス)などの公式招待を受けた。しかし対極的に、イマジカBSのキャンペーンガールを2年連続で務め、底抜けに明るくチャーミングな側面も見せ、ウクライナでのユダヤ人ホロコーストを描いた半自伝的戯曲『これはあなたのもの1943ウクライナ』(地人会新社主催・鵜山仁演出)では八千草薫の孫娘役を好演した。
音楽的にも一歩ずつ表現の幅を拡げていっている。『レ・ミゼラブル』を始めとするミュージカル的歌唱を出発点としつつも、朝比奈尚行演出のライブに出演し、前衛音楽に挑戦。『眼球の夢』公開時イベントでは「頭脳警察」のPANTAとデュエットを披露し、串田和美演出の『K・テンペスト』では民族音楽の美しさ、そしてそれを歌うことの楽しさに虜になった。
近年では英語力を生かし、トニー賞ノミネート作品『A Walk in the Woods』の翻訳や、NHK WORLD『no art, no life plus』の英語ナレーションなど、更に活動の幅を拡げている。
舞台『オロイカソング』
(2022)
舞台『アンチポデス』
(2022)
ミュージカル『魍魎の匣』
(2021)
https://alpha-agency.com/artist/marissa/
(所属事務所公式プロフィール)
https://marissa.medy.jp/
(万里紗のこばなし)