
『バサラオ』は、劇団☆新感線が2024年秋に博多・東京・大阪にて上演し、15万人を動員した大ヒット作。
物語の舞台は脚本の中島かずきが史実をもとにしつつ発想した、南北朝時代ならぬ東西朝時代。主演の生田斗真演じる絶世の美貌を持つヒュウガと、中村倫也演じるヒュウガの野心に巻き込まれた軍師・カイリ、さらに古田新太演じるゴノミカドらによる裏切りに次ぐ裏切り、逆転に次ぐ逆転のストーリーテリングを、演出のいのうえひでのりが、笑いとケレン味を交えながら人間の生と欲望の生々しさを描き出し、観客を衝撃のラストへと誘った。
ゲキ×シネでは、華麗な歌や踊り、出演の生田、中村、古田に加えて、西野七瀬、粟根まこと、りょうらの細やかな表情、そして鮮やかな殺陣で魅せる作品の見どころを、多くのカメラ機材、練達のカメラワークで収録。さらにスクリーンでの鑑賞を前提にしたゲキ×シネ独自の映像編集と鮮烈な音響効果により、劇場での臨場感も再現する。映像だからこそ可能な没入体験を実現し、映画館の大スクリーン、そして音響効果によって堪能できるディテールに注目。
本日6月27日(金)より全国公開となったゲキ×シネ『バサラオ』初日舞台挨拶に登壇した中村。
舞台期間中のエピソードとして「僕、あんまり感動とか達成感とか、大変だったとかでうるっとくることはないんですけど、博多の初日のカーテンコールに出る直前にうるっとしてたんです。それはなぜかというと、自分の大変さよりも、この人(生田)頑張ったな、もう良い歳なのに、と、そういう想いがありました」と生田の姿に胸打たれたことがあったよう。
一方の生田は「達成感は本当にありましたし、中村くんが信用できるなと思うのは、97公演あるんですけど、最後の日まで二人で『あそこもう1歩下がった方が良いかも』とか、調整をし続けていたので、1日たりとも同じ回はないというか、毎日毎日必死になってやれたなと自負しています」と、信頼関係がより築き上げられたとのこと。
すると中村が「俺らがこうやってちゃんと頑張るから97回もやるんだよ。普通やらないよ。頑張るのも良くないね」とぼやく一幕もあったが、古田は「信頼してる二人だから。それは当然。頼んだよ、お前らでなんとかしろよ、と」と二人に任せる口ぶりだった。
本作は様々な楽曲も見どころの一つだが、歌唱シーンについて中村は「自分の声質、歌い方にないチャンネルでやっていました。こんなんで良いのかな?て」と探り探りだったようだが、なぜ歌が上手いのか?と司会から聞かれ、「若い頃に、古田さんに『お前音程悪いけど声が良いな』と言われたので、声を武器に捉えて良いんだと思って磨いていこうと、色んなレッスンやミュージカルをやるようになった今です」と、古田の発言をきっかけに歌に注力しようと決めたことを語る。
「お芝居も頼りになるんだけど、良い声もしてるから、もっと歌う仕事を増やした方が良いっていうことを言いました。勿体無いぞ、と」と話す古田に、生田が「そしたらアラジンになっちゃったな」とポツリ。ただ、中村は「アラジンが古田新太のお陰とはなかなか言いづらい」と笑いを誘った。