――本作のオファーを受けた時の率直な心境を教えてください
- これまで経験したことのない役柄で楽しみな気持ちと、急ピッチで話が進んでいったので不安な気持ちもありました。でも、タパ子は何事も楽しめるタイプの役なのかなと思ったので、どんなことも楽しもうという心意気で挑みました。
――役に合わせて髪も明るく染めていましたが、タパ子のビジュアルになってみた感想はいかがでしたか?
- あそこまでの金髪になったのは初めてで、衣装を着ると今までに無いぐらいイケイケの感じになって、テンションが上がるんですけど、私の普段の私服と合わせると、怖がられないかな?と。上下ジャージだったりするので、その期間は誰からも話しかけられなかったです(笑)
――明るい髪色になり、ファンの方の反応はご覧になりましたか?
- 「似合っているよ」っていうコメントしか見ないので、多分皆似合っているよって言ってくれてたんだと思います(笑)。グループを卒業して、これからお芝居をやっていくにあたって、色んな顔を見せていけたら良いなと思っていて、それで言うと完全に新しい顔だと思うので、ファンの方にはエンタメとして楽しんでいただけたら嬉しいなと思いました。

――ご自身が演じるタパ子の魅力はどのようなところですか?
- 器用だけど不器用なところがすごく人間らしいです。タパ子は人によって態度が違ったりするので、そこを器用に上手く使い分けているのはすごいなと思います。でも間違ったことをしてしまうこともあるし、なんだか人間の欲望をストレートに表していて、自分のために生きている感じはすごく魅力的だなと思いました。
――役を演じる際に大切にしていたことはありますか?
- 現場でもできるだけタパ子の人との距離感でいるようにしました。多分、皆は私がずっと喋っていた印象があると思うんですけど、タパ子は人との距離感がすごく上手というか、タパ子がいると、むちゃくちゃなことを言っていても、ちょっと空気が明るくなるというか、何言ってんだって思いつつ放っておけない感じがするじゃないですか?それは多分、コミュニケーションをちゃんと取れる子だからだと思うので、現場でもその明るい部分を前面に出して人と関わろうと思っていました。
――現場での居方を意識されていたんですね
- 主演を何回かさせていただく機会はありましたが、真ん中にいる人の空気感で現場ってすごく変わるなと思っていて、今回は皆で明るくやった方が絶対に良い作品になると思ったので、とにかくたくさん喋りました。
――普段の与田さんとはかけ離れたキャラクターでしたか?
- 離れていますね。私は人と喋るのは大好きだし、友だちもいるんですけど、そもそもの性格は自分から人に話しかけたり、ご飯に誘ったりするとかもなかなかできないし、結構受け身で待ってしまうタイプで。自分でも面倒くさいなって思うんですけど、自分から誘ったりできるようになるまで長く時間がかかるんですよね。でも、タパ子は多分その場で誘いそうじゃないですか?「今、空いてる?」「明日ご飯行こうよ!」みたいな。それは私にとって憧れでもあります。そう言えるようになりたいです。

――他に何か意識していたことはありましたか?
- タパ子を演じるにあたって、声も変えていたんです。「お疲れさまです」の一言もたくさん言い方があると思いますが、たまに現場で監督と他愛もない話をしていて、テストの時にフッと自分が急に出てきた瞬間があって、今のはタパ子じゃなかった!と。声のトーンや動きや仕草など、タパ子は足を組んだり肘をついたりするので、そういう動きも意識していました。
――監督から役を演じるにあたって、何かアドバイスはありましたか?
- 渡辺(櫻井海音さん)との距離感です。タパ子は渡辺との距離感が近くて、でも私はあんなことを人にしたことが無いので、初めての人にあの距離感で接するのは難しくて……。監督とスチールカメラマンさんが再現をして、監督がタパ子役になって、ポップに説明してくださいました。私はあれで大丈夫だったかな?と未だに思っているんですけど、距離感って人によって常識が変わるので難しいですよね。タパ子の中では、女の武器を使おうというのが常識だったんだという。そこは頑張りました。
――渡辺を演じた櫻井さんはどのような方でしたか?
- 年齢は一つ年下で、最初はお互い人見知りで様子を伺っていたんですけど、だんだん会話が弾むようになってくると、ちょっとお茶目な部分が見えてくるんです。記者会見でも盛大な無茶ぶりをかましてきたり、告知動画とかでもだんだんふざけだしたりして、打ち解けるとお茶目な部分が急に出てくるのが、可愛い部分だなと思いました。
――情報解禁時のコメントで「殻を破って」とありましたが、ご自身の中で殻を破れた感覚はありましたか?
- まだ私も完成したものを1話しか見れていないのですが(※取材は10月上旬)、撮影の間は「殻破るぞ!」と意気込んでいたわけではなく、気づいたら周りの方が殻を剥いでいってくれた感じです。すごくやりやすくしていただいたので、ただただ楽しく、良い刺激を受けながらできました。自分の中で、作品を一つやることで毎回学びがあって、学びがあるということは成長できているのかなと思いました。これからも頑張っていきたいです。

