鴻上尚史のプロデュースユニット「KOKAMI@network」が2026年に上演する作品は、傑作戯曲『トランス』。3人の登場人物、スピーディーな展開、軽快なセリフで巧みに紡がれながら物語は目まぐるしく展開し、やがて妄想と現実が入り乱れ、予想を超えたラストシーンを迎える、鴻上尚史の代表作のひとつ。俳優陣の高い演技力が際立つ質の高い戯曲は、1993年の初演以来33年にわたり、日本国内にとどまらず、海外でも上演され続けてきた。その『トランス』を、鴻上自身の演出で、ロンドン公演から19年ぶり、国内では21年ぶりに上演。

フリーライターの立原雅人役には、ドラマ『3年B組金八先生』での狂気を秘めた役で脚光を浴び、今やどんな役でも演じられるその確かな演技力でドラマ・映画・舞台で引く手あまたの風間俊介、精神科医の紅谷礼子役には、2003年のファッション誌のオーディションをきっかけにデビュー後は多方面で活躍。近年は数々の舞台に出演し確かな演技力が評価され、2024年には高崎映画祭で最優秀主演俳優賞を受賞、今後も複数の公開作を控える岡本玲、ゲイ・バーに勤める後藤参三役には、中学時代から音楽活動を始め、ミュージカル『テニスの王子様』でのデビュー以降、『レ・ミゼラブル』や『ミス・サイゴン』といってグランドミュージカルになくてはならない存在として異彩を放つ伊礼彼方という、若くして才能を開花させ、今もなお第一線で活躍する実力派俳優が揃った。鴻上作品への出演経験がある3人が、再び鴻上とタッグを組み、2026年春に極上の演劇をお届けする。

【ストーリー】
「私は他人である」   その妄想をきっかけに、高校時代の同級生三人が再会する。
フリーライターの立原雅人。精神科医の紅谷礼子。そしてゲイ・バーに勤める後藤参三。
作家志望の雅人は、時々自分が自分でないような錯覚にとらわれ、礼子の勤める病院を訪れる。そんな折、偶然雅人と再会した参三は、雅人の看護することになり、3人は高校卒業以来、初めて顔を揃えることになった。「孤独な愛と救済」をめぐる物語。

<作・演出:鴻上尚史 コメント>
ありがたいことに、33年前に書いた作品が、いまだに、全国のあちこちで上演されています。正確には数えたことはないのですが、通算では、たぶん、2千とか3千の団体・企画によって上演されているはずです。2年ほど前、月に数本は上演許可願いがコンスタントに来るので、単語とか表現とか、古くなっている部分を直そうと、ロンドン公演以来久しぶりに読み返しました。で、自分で言うのもなんですが、面白いなあと思いました(笑)。国内では、21年ぶりに、ロンドン公演をいれると19年ぶりに、「やってみるか」という気持ちになりました。僕自身にとっては、6回目の『トランス』です。うまさでは抜群の安定感の風間俊介さんに、ストイックに演技を追求する岡本玲さん、参三という役が求める常識破りのエネルギーを持つ伊礼彼方さんという理想的なキャスティングが実現しました。新しい『トランス』、ご期待下さい。劇場でお会いしましょう。

<風間俊介 コメント>
数々の役者さんが演じ、繋いできた『トランス』に出演させて頂ける事をとても嬉しく思っています。本来、役に集中して余計な事は考えないのが正解なのだと思いますが、『トランス』という作品だからか、今は演劇や物語の役割や、どうやったら人の心に寄り添う事が出来るかというような事を考えています。答えが無い問いでもありますので、久々の鴻上さんとの作品を楽しみながら『トランス』の世界で模索していこうと思います。

<岡本玲 コメント>
鴻上さんの作品と言葉たちは、自分がどんな心境の時でも、まるごと受け止めてくれる優しさに満ちています。これまで出会ってきた誰かを、これから出会う誰かを、そして自分自身を、もっともっと愛してもいいんだと思わせてくれる。『トランス』からも、そんな鴻上さんの人間愛を感じます。多くの演劇人に愛され続けてきたこの偉大な戯曲に挑むのには、正直とっても勇気が入りますが、逃げずにどーん!と飛び込んでいこうと思います。2026年の今こそ、届けるべき作品だと強く思うから!憧れの本多劇場で、10年ぶりの鴻上さんと風間さん、そして初めましての伊礼さんと、この時代、この瞬間にしか生まれない『トランス』をお届けできるよう心を尽くします。よろしくお願いいたします!

<伊礼彼方 コメント>
10年ぶりの「KOKAMI@network」。これまで4作品に参加させて頂きました。記念すべき5作品目が「トランス」。
鴻上さんの名作にまた携われること、とても幸福です。
設定の妙。3人の虚実の入り混じった独特な会話。何が現実で何が妄想なのか。見たものに訴えかけるテーマ。
最後の神々しい語り。これだーーー!!久しぶりの鴻上さんワールドに興奮しております!!
初挑戦のゲイバーの元店員、参三と共に、初共演の風間さんと岡本さんとどんな世界を旅できるのか。
今から楽しみでなりません。劇場でお待ちしております。