
本作は、昨年の向田邦子賞を28歳という史上最年少で受賞して注目を集める脚本家・兵藤るりによるオリジナルストーリー。夜の東京を縫うように走り続ける一台のタクシー。その小さな明かりにすくわれるように、人々の心がそっと寄り添う。繰り広げられるのは、雨上がりの空気のようにすがすがしく、触れればこぼれ落ちてしまいそうに繊細な“ひと夜の物語”と、それらを独特のユーモアで抱きしめる癒やしの世界。
本作の撮影で印象に残っていることについて、深夜タクシーのハンドルを握る主人公・蘭象子を演じる古川は「撮影の2ヶ月間で30名の豪華な皆さんとお会いして、毎話毎話違うドラマを撮っているんじゃないかって思うぐらいバラエティに富んだドラマになっていると思います」と、総勢30名の豪華キャストの共演を振り返りながら、「竹中直人さんとゲームセンターに行くシーンがあって、待ち時間にアイスホッケーやゾンビを撃つやつを一緒にしていただいて、それで仲良くなったのが嬉しかったです」と笑顔を見せる。さらに、「和久井映見さんと万理華ちゃんと一緒の時は、和久井さんに編み物を習っていました。2人が初心者なので、和久井さんに“かぎ編み”を教えてもらいながら色々作ったりしました。一人一人と思い出があって、個人としては思い出深いことばかりです」と語る。
伊藤も「編み物の思い出が強くて」と話し、「合間の時間にただ会話をするだけじゃなく、一人の時間じゃなく、このメンバーで向かい合いながら、何かをいじりながら『楽しいね』っていう時間があって。弥生さんと象ちゃんと麗華の関係性も家族みたいな空気感があって、それを編み物に助けられた気がします」と、編み物を通して距離が縮まったことを話す。
そんな二人を見守っていた中村は「二人のテンションがふわふわというか、あまり僕が出会ったことのないような空気をお持ちで、そんな二人が向かい合って編み物をしている姿は、なんて穏やかな時間なんだろうと思いながら見させてもらっていました」と現場での様子を明かし、「本を読ませてもらってなかなかレベルが高そうだなと思いながら、素人から見たら今回始めたと思えないぐらいの腕前でした」と絶賛していた。

さらに、作品にちなんでタクシーにまつわるエピソードを聞かれると、古川は「一昨年ぐらいにロンドンに旅行をして、なんとか英語が使いたくてタクシードライバーさんとお話をしたことがあったんですけど、『英語が片言だけどちょっとお話ししてください』って言ったら、その人も移民の方で、『僕も移民でここにきて、世界共通語はブロークンイングリッシュだから、君は充分喋れているよ』と言ってくださったことがすごく嬉しかったのを覚えています」と海外でのエピソードを披露。

中村は「僕はタクシーにはほぼ乗らないです。せこい人間なのでメーターばかり見ちゃって、ポンポン上がっていくメーターの感じが怖くて、なんて高級な乗り物なんだろうと東京に来て初めて思いました」とし、「なので、滅多に乗らないんですけど、ちょっとドキドキするイメージです。初めましての人と数十分ともにする空間というのが、いつまで経っても居心地が良くないなって印象です」とタクシーへのイメージを語る。

そして伊藤も、海外でのタクシー経験を語り「友だちと韓国旅行に行った時に、『タクシー乗るでしょ?』って空港で話しかけられて、本物のタクシーだと思って乗りに行こうとしたら、だだっ広い駐車場にあるポツンとした車に乗ることになってしまって。明らかにこれは騙されたなと思ったけど、断れずに乗って、エンジンがかかったら内装がとんでもない個人タクシーで。虹色で音楽ガンガンに鳴らされて、結構遠回りされて…。こういうふうに簡単に騙されてしまうんだなと、自分が情けなくなりました」と苦い思い出を明かした。










