昨年、45周年という大きな節目でこれ以上ない集大成を飾った劇団☆新感線。これまでの王道物とはひと味違う新作を届けるべく、外部の作家である福原充則を新たに迎え、主宰・いのうえひでのりがこれまで書き下ろしてきた“ネタもの”のエッセンスを福原独自の解釈で取り入れた、生バンドの演奏で上演する音楽劇をお届けする。

物語は、大正浪漫を感じる時代設定と江戸川乱歩が描いたようなほの暗い匂いが漂うスチームパンクの世界。タイトルロールのアケチコ役を務めるのは、新感線3度目の登場となる宮野真守。そして、アケチコとともに事件に挑む探偵には10年振りの凱旋となるWEST.の神山智洋。さらに、石田ニコルが2度目の出演、浜田信也、志田こはくが新感線に初参加。粟根まことをはじめとする劇団員たちはもちろん、看板俳優・古田新太ががっぷり支える。

開幕に先駆けてフォトコールが行われ、その後の取材会に登場した宮野は、今の心境を「とても緊張しております」と素直に口にしながら、「ついに開幕するんだなと思うと、非常に楽しみで仕方ないです。今回のお話はテクニカルな部分で複雑なことが多いので、皆で知恵を出し合って、面白いものを作ってきたつもりなので、お客さんに楽しんでもらえるものになっていればいいなと思っております」と、稽古に手応えを感じている様子。

神山は、10年ぶりの劇団☆新感線参加に「また参加させていただいて本当にありがたいですし、稽古が始まるのも早い段階で、いよいよ明日から始まるのかと。だから実感はまだ無いんですけど、とても緊張していますし、めちゃめちゃ楽しみです」と喜びを語りながら、「魅力的なキャラクターがたくさん出てきて、演出のいのうえさんもおっしゃっていましたが、まともな人が一人もいないお芝居なので、それを楽しんでいただければ」と挨拶した。

そして古田は「この前に一本お芝居をやっておりまして、稽古に参加したのが遅れたんですけど、稽古場で一度も全てができたことがないので。なるべくならば大阪の千秋楽には間に合わせようと」と、古田節で笑いを誘うと「ここで言わなくていいですよ!東京に合わせてください!」とツッコミを入れる宮野の姿があった。

劇団☆新感線の中でも珍しい探偵ものとなっている本作で、それぞれの役の見どころを聞かれ、探偵役を演じる宮野は「探偵というからには事件に介入していくんですけども、世の中にある正義の探偵のキャラクター性とはちょっと違って、とても胡散臭い役です。秘密をとにかく愛していて、その秘密を独り占めするために、手に入れたらそれを言わない代わりに口止め料を頂戴、っていう、とっても嫌な探偵ですね!」と笑い飛ばしながら「そんなのが主人公でいいのかと思うんですけど、そんな癖のある探偵がどう事件に介入していくのかというところが見どころになってくると思います」とアピール。

同じく探偵役の神山は「台本を最初に読んだ時は、まっすぐで探偵の仕事に一本芯が通っている感じなのかと思っていたんですけど、稽古してみて、役の解釈が180度変わりました」と明かし、「一応、街で一番の探偵と言われているんですけど、表の新田一と内なる新田一の二面性があるので。物語が進んでいくにつれて(内なる部分が)どんどん顔を出していく役なので、その塩梅は頑張って見せていきたいなと思います」と意気込む。

女装家のアンダルシアン・クーガーを演じるは古田は「一番まともに見えない人間なんですけど、すごく悲しい生い立ちがありまして、この3人の中で一番まともです」とコメント。

明日の公演初日へ向け、宮野は「今までの新感線とはまた一味も二味も違うと、いのうえさんも言ってたぐらいですから、新幹線を知ってる方も知らない方も驚きのある作品になっていると思います。歌あり、ダンスあり、殺陣ありのドタバタコメディではあるんですけども、本筋はミステリーなので。ミステリーの持つメッセージ性が今日の世の中にとてもフィットしているんじゃないかなと思っております。その僕らが打ち出す価値観をお客さんに味わってもらって、少しでも考えるきっかけになってもらえたら僕らも楽しいかなと思います。ぜひ期待して待っていてください!」と呼びかける。

続く神山は「全62公演なので、誰1人怪我なく、欠けることなく、最後まで走り抜くことがやっぱ1番の目標かなと思っています。物語が複雑に、どんどん色んなものと絡み合っていくシーンもありますので、一瞬たりとも舞台の真ん中、そして端の方までも目が離せない展開になっています。ぜひとも色んなところに注目して見ていただければと思います!」とメッセージを送る。

そして古田は「メインの二人は当然なんですけども、カンパニー全体で一丸となって面白くしようとしておりますので、5分でも10分でも短くなればいいなと」と、最後まで笑いを誘っていた。

2026年劇団☆新感線46周年興行・夏公演 SHINKANSEN☆RSP 怪奇骨董音楽劇『アケチコ!~蒸気の黒ダイヤ、あるいは狂気の島~』は、2026年6月12日(金)の東京・EX THEATER ARIAKEの初日公演を皮切りに、福岡・大阪で上演される。