藤本タツキによる青春漫画『ルックバック』が是枝裕和監督によって実写映画化。藤本タツキ作品として初の実写映画化となる本作では、漫画の腕に絶対の自信を持つ藤野と彼女に憧れを抱きながらも圧倒的な画力を秘めた京本、漫画へのひたむきな思いで結ばれたふたりの13年間の軌跡を原作と同様に繊細かつみずみずしく描き出す。撮影は主に秋田県にかほ市で四季を通して行われ、春夏秋冬それぞれの風景が作品の中に刻み込まれている。
この日は9月11日(金)からの全国公開を前に本作初のイベントとして完成報告イベントが実施。イベントにはW主演の出口夏希(藤野役)と蒔田彩珠(京本役)、二人の子供時代をそれぞれ演じた七瀬ふうり(藤野役)と岡田六花(京本役)、そしてメガホンを執ったの是枝裕和監督の5名が登場した。
緊張した面持ちで登場した蒔田は「1年という贅沢な期間をかけて丁寧に作ったこの作品がようやく完成報告ができたというのがすごく嬉しいです」と作品完成への喜びをコメント。完成した映画を見た際には子供時代を演じた七瀬と岡田の芝居を初めて目にしたそうで「ふうりちゃんがまず出てきて『本当にふうりちゃん!?』ってぐらいちゃんと自分の役を演じていた」と感心し、岡田の登場時には出口と顔を見合わせて「かわいい」と反応したことを告白。続けて「2人が頑張っていたのを知っていたからこその感動があってほっこりしました」と温かな気持ちを明かした。

オファーについては蒔田は原作漫画が発売された頃に是枝監督から本をもらっていたことを明かし「やっと来た。ついに実現したって気持ちが大きかった」と喜び。一方で是枝監督とNetflix『舞妓さんちのまかないさん』以来4年ぶりのタッグに「ちょっと恥ずかしかったです」と照れ、「今更監督の前でお芝居できるかなって(笑い)」と当時の心境を振り返った。脚本については「原作がそのまま文字になっているような脚本」と印象を語り、「台本に書かれていないセリフ以外のところで是枝監督らしい作品になっていくんだろうなってのがすごく楽しみでした」と期待を抱いていたことを明かした。
劇中では漫画に挑戦している蒔田は漫画練習について「課題が大変でした」と苦笑い。撮影の約4ヶ月前から練習を始め、別作品の撮影の合間にも取り組んでいたそうで「課題をたくさんもらって次までにって学生を思い出して大変でしたね」と回顧した。一方、秋田県にかほ市での思い出には海で行ったスイカ割りを挙げ「それが1番夏休みの思い出みたいで楽しかったです」と笑顔をみせていた。

イベントでは映画を鑑賞した藤本タツキ先生よりコメントも到着した。
MCが「漫画の実写映画化などで漫画のセリフや演技がそのまま実写になると、リアリティのないものになる事があると思います。ルックバックの実写映画化ではそこを是枝監督映画特有の俳優が持つ所作やカメラの動きで、原作のテイストを崩さずに原作が持っていた雰囲気をリアリティを持って出す事でできていたのでとても嬉しかったです。映画内での漫画のアナログ道具の使いっぷりや、ペンを入れる特有の気持ちのいい音、家の経年劣化具合や小道具が魅せる生活感は、そこに藤野と京本が本当に生きている証拠のように見えて映る度に感動していました。原作は僕の漫画ですが、以上の点からしっかり是枝監督作品になっていたので初めて見る作品の様にとてもとても楽しめました!ただ、地元にかほ市が出てくる場面ではどうしても当時を思い出してしまい、映画に集中できませんでした!」とコメントを代読されると、蒔田は藤本が是枝監督ならではの俳優の所作について触れたことに「そんなところまで1度見てわかっていただけたのがちゃんと画面に映ってたんだなってがすごく嬉しいです」と感激して喜びをみせた。
蒔田は本作を通して京本が藤野に投げかける言葉と自身を重ね「私はなんでお芝居してるんだろうって考えるきっかけになった」と告白。その答えは「京本と一緒で好きだから」とし「それを今まで1度もなんでやってるんだろうって考えずにここまでやってこれたのは本当に真っ直ぐに京本と同じようにひたむきにやってきたからなんだなって気づかせてもらえた」と作品を通して得た気づきにしみじみ。最後に「この作品を見た人が自分の好きなことだったり好きな人のことに対して何か考えるきっかけになる作品だと思っているのでたくさんの方に見ていただけたら」と呼びかけ、「良い記事書いてください」と報道陣へ笑顔でお願いしていた。