
ヴェネチアの美しい青空の下、大歓声に包まれて一行が到着。最初に登場したのは、主人公たちの子ども時代を演じた七瀬ふうりと岡田六花。ベージュのドレスをまとった七瀬と、黒のドレスに身を包んだ岡田は、12歳とは思えない堂々とした佇まいで、報道陣に指ハートや手を振り会場を魅了した。続いて、主人公の藤野と京本を演じた出口夏希と蒔田彩珠が登場。出口は、自身の透明感が際立つようデザインを削ぎ落としたシンプルな黒のVネックドレスで登場。歩くたびに様々な表情を見せるドレスに、レッドカーペットの上に星屑が散りばめられたかのような生地感とリンクさせた星のジュエリーを合わせ、華やかな笑顔を見せた。一方の蒔田は、繊細なレースが印象的なワンショルダーのロングドレスを身に纏って登場。クラシカルなレースにアシンメトリーなシルエットがアクセントとなり、蒔田らしいフェミニンさと凛とした佇まいを引き立て、クールで引き締まった表情を魅せた。二人で劇中の少女たちとは一味違う大人の魅力を放ち、レッドカーペットを華やかに彩った。最後に、4回目の出品となる是枝裕和監督が黒タキシード姿で登場すると、現地カメラマンたちから「マエストロ!」と大きな声援が飛んだ。監督とキャスト陣は集まったファンからのサインや写真撮影のリクエストに丁寧に応じ、現地の人々との交流を存分に楽しんだ。
イタリア時間9月7日(月)、第83回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門にてワールドプレミアとなる公式上映を迎えた実写映画『ルックバック』。是枝裕和監督をはじめ、W主演を務める出口夏希、蒔田彩珠、そして二人の子供時代を演じた七瀬ふうり、岡田六花が華やかにレッドカーペットを歩き、大きな拍手に包まれながら会場内へ。上映開始前にはキャストが順番に紹介され、是枝監督の名前が呼ばれると、場内からはひときわ大きな拍手が送られた。そして上映終了後、約1000人もの観客から割れんばかりの拍手が沸き起こり、12分を超える熱狂的なスタンディングオベーションに包まれた。その圧巻の光景を目の当たりにした出口、蒔田、是枝監督は思わず涙をこぼし、込み上げる感情を噛みしめながら満面の笑みでお辞儀をしたり、胸に手を当てて手を振り返したりするなど、観客からの称賛に応え続けた。『ルックバック』が海を越え、多くの観客の心に届いた確かな手応えを感じながら、5人は互いを称え合った。
無事に公式上映を終えた監督・キャストの表情には、安堵とともに達成感あふれる笑みがこぼれていた。
初めて海外映画祭に参加した、子ども時代の藤野と京本を演じた七瀬と岡田。七瀬は「あんなにたくさんの方々と観れる機会があるとは思ってなかったので、最初は恥ずかしかったんですが、観ながら撮影のことも思い出して、すごく感動しました」と上映直後の気持ちを語り、岡田も「このヴェネチアで、このメンバーとたくさんの方と一緒に『ルックバック』を観れてとても嬉しいです」と喜びを語った。
出口は「あの時、にかほにいたみんなでヴェネチアの舞台に立って拍手を頂いて、一生の思い出になりました」と、ヴェネチア国際映画祭に参加できた喜びをコメント。蒔田は「会場の雰囲気もあいまってすごく感動してしまって、上映後に会場の方々からスタンディングオベーションを頂いた時は、人生で一番感動した瞬間でした。また来たいです!」と興奮した様子で語った。
是枝監督は「お客さんが微動だにしない100分という、素晴らしい上映だったと思いますし、心からの拍手を頂いてじんときました。本編前半の藤野が田んぼ道を走り出すシーンで出口さんが泣き始めたので、『やばい』と思いながら冷静に観ようと思いましたが、そうもいかなくなりました」と、公式上映で感じた確かな手応えとともに、キャストと作品を観る中で自身も心を動かされたことを振り返った。



