
外務省主催「第15回日本国際漫画賞」で入賞を果たしたフランス発のグラフィックノベル『Ama:Le souffle des femmes』(フランク・マンガン作、セシル・ベック画)。川端康成の『雪国』に感銘を受けたフランス人作家の手によって描かれた、高い評価を得た名作漫画が、ルクセンブルク・日本・フランス・イタリアの4カ国共同製作、さらに全編日本オールロケで、満を持して実写映画化される。本作の舞台は1960年代、都会での暮らしや周囲になじめず居場所を見失っていた20代の女性・平野渚が、祖父の死をきっかけに母が生まれ育った石川県・舳倉島(へぐらじま)へと向かう。そこで出会ったのは、厳しくも豊かな海とともに生きる叔母・舟冨梢をはじめとした、たくましく誇り高い海女たちだった。時代の変化とともに失われつつある海女の文化や人々の温かさに触れる中で、渚は母の秘められた過去を知り、自らの生きる道を模索していく物語だ。
そんな葛藤を抱えながらも新たな一歩を踏み出す主人公・平野渚を演じるのは、『ソロモンの偽証』(2015)にて1万人超のオーディションの中から主役を射止めて衝撃的なデビューを飾り、日本アカデミー賞新人俳優賞をはじめとした数々の新人賞を獲得し、その後も映画だけでなくNHK大河ドラマ『青天を衝け』(2021)や舞台『成瀬は天下を取りにいく』(2026)など幅広いジャンルで確かな存在感を見せてきた藤野涼子。藤野は、自身初となる国際共同製作映画への参加について「本作は日本と海外との合作ということで、言語もそれぞれに異なる海外クルーが集まりました。ひとつのシーンに言語の壁を越えて全員が集中して取り組んでいる姿を見て、私も、この美しい海と景色が広がる中でこのチームと作品に向き合っていけるのかと思い、胸が高鳴りました。言葉が通じなくても、一つの作品を作るという思いを共有することで、みんなのエネルギーが一つに集まり、よりパワフルになっていく感覚があります。スタッフ、キャストみんなで力を合わせて、素晴らしい作品を作っていきたいと思います。」と今後の撮影に向けた熱い意気込みを語る。
さらに、舳倉島を訪れた渚に叔母として海女の生き方を教える舟冨梢を演じるのは、デビュー作『萌の朱雀』(1997)で第10回シンガポール国際映画祭主演女優賞を受賞して以来、主演を務めたNHK連続テレビ小説『カーネーション』(2011)や映画『茜色に焼かれる』(2021)、Netflixシリーズ『阿修羅のごとく』(2025)など様々な作品、役柄で圧倒的な演技力を披露し、数々の映画賞を受賞している尾野真千子。尾野は本作の脚本を読んだ際を振り返り、「海女という今失われつつある文化、今後残していって欲しい、後世に語り継がれていって欲しいといういろんな思いがあり、この台本を読んだときに、これはやらなければいけない、伝えていかなければいけないと思いました。私にとってこの作品はちょっとした使命という感覚で、尚且つ自分も楽しみながら、色々教えてもらいながらこの作品に挑みたいと思いました。」と語る。
これまで『ソロモンの偽証』や『影踏み』(2019)にて、同一人物の「過去と現在」という形で同じ役柄を演じてきた藤野と尾野。これまで同じ画面で直接言葉を交わすことのなかった実力派女優2人が、本作にて世代を超えて心を通わせる叔母と姪として、ついに本格初共演を果たす。
あわせて解禁されたスチールでは、撮影の合間に笑顔を見せる藤野と尾野の貴重な2ショットの他、それぞれが飾らない佇まいの中で真摯に役柄と向き合うソロカットも公開。オフショットのリラックスした表情と、これから始まる撮影への熱量が籠った二人の役に挑む真剣な眼差しが印象的なカットとなっている。
メガホンを取るのは、フランスを拠点に活動し、国際的な映画祭で多数の賞を受賞してきた日本人監督・河村勇樹。短編映画『閃光』(2008)でオーバーハウゼン国際短編映画祭エキュメニック賞、『GRANDMOTHER』(2009)でシネマ・ドゥ・レエル短編部門最優秀賞を受賞しモントリオール世界映画祭にも招待されたほか、長編ドキュメンタリー『NORIE』(2020)でヴィジョン・ドゥ・レエル長編部門特別賞を受賞するなど、世界で高い評価を獲得してきた河村監督が、この国際共同プロジェクトに抜擢された。自身初の長編実写作品となる本作について、「原作を読んだとき、初めて舳倉島の海女たちのことを知りました。海とともに生きる女性たちの強さ、そして互いを支え合う女性共同体の連帯。その姿を、主人公・渚の視点を通してどのように描いていくのか。海女たちの息遣いや島の匂い、海での漁の緊張感まで、リアルにスクリーンに立ち上げることが、この映画をつくる上で大切だと感じています。この場所で、この人たちと、この物語がどのような映画になっていくのか。まだ見ぬ景色に出会えることを楽しみにしながら、一つひとつの瞬間を大切に撮影していきたいと思います。」と作品に懸ける思いを語る。失われつつある日本の海女文化とそこに生きる女性たちの姿をどのようにスクリーンへ立ち上げるのか、期待が高まる。
また、ルクセンブルク・日本・フランス・イタリアの4カ国による国際共同製作として始動した本作を牽引するプロデューサー陣からも熱いメッセージが届いている。
これまでカンヌ国際映画祭をはじめとした数々の映画賞で評価される作品を手掛け、2026年に開催された第79回カンヌ国際映画祭には、安藤サクラ出演の韓国映画『DORA』、『La libertad doble』の2作品が監督週間に正式出品されるなど、話題作を次々と送り出すルクセンブルクプロデューサーのジル・シャニアルは「フランスのグラフィックノベルから生まれたこの物語が、日本でついに映画として動き出すことをとても嬉しく思っています。日本の物語にほんの少しの「フレンチ・タッチ」を添えながら、海女たちが受け継いできた文化や精神、そして彼女たちの物語を、いま大きな変化の中にある世界へ届けられたらと願っています。」とプロジェクトへの抱負を明かす。『シャイニー・シュリンプス!世界に羽ばたけ』(2022)や『エストニアの聖なるカンフーマスター』(2024)を共同プロデュース。近年は仏日合作テレビシリーズ企画『Tokyo Crush』でSeries Mania Forum 2025 最優秀賞を受賞するなど、国際的に注目を集めている日本プロデューサーの小田寛子は「さまざまな関係で結ばれた女性たちと、世代を超えて受け継がれていく思いや生き方を描く物語に惹かれ、この作品への参加を決めました。世代も個性も異なる素晴らしいキャストの皆さんを通してどのように表現され、藤野さん演じる渚の目にどう映るのか。そこに世界各国から集まったクルーの感性が加わることで、どのような化学反応が生まれるのか、とても楽しみにしています。」と、作品への強い想いと期待を寄せている。
本作は8月30日にクランクイン。京丹後市や舞鶴市に残る古き良き漁村の風景をロケーションに選び、地元の皆さまの協力のもと、物語の舞台となる1960年代の舳倉島を再現している。また、輪島の海女漁保存振興会の全面協力のもと、輪島の海女たちが実際に潜る海での水中撮影も実施予定。2027年の全国公開に向け、国境を越えて紡がれる本作の続報に期待したい。
【藤野涼子 コメント】
本作は日本と海外との合作ということで、言語もそれぞれに異なる海外クルーが集まりました。
ひとつのシーンに言語の壁を越えて全員が集中して取り組んでいる姿を見て、私も、この美しい海と景色が広がる中でこのチームと作品に向き合っていけるのかと思い、胸が高鳴りました。言葉が通じなくても、一つの作品を作るという思いを共有することで、みんなのエネルギーが一つに集まり、よりパワフルになっていく感覚があります。スタッフ、キャストみんなで力を合わせて、素晴らしい作品を作っていきたいと思います。

【尾野真千子 コメント】
海女という今失われつつある文化、今後残していって欲しい、後世に語り継がれていって欲しいといういろんな思いがあり、この台本を読んだときに、これはやらなければいけない、伝えていかなければいけないと思いました。
その昔、こういうことをして私たちの生活は支えられていたと、いろんなことを伝えていかなければいけないなと感じた脚本でした。私にとってこの作品はちょっとした使命という感覚で、尚且つ自分も楽しみながら、色々教えてもらいながらこの作品に挑みたいと思いました。

【河村勇樹監督 コメント】
原作『海女』を読んだとき、初めて舳倉島の海女たちのことを知りました。
海とともに生きる女性たちの強さ、そして互いを支え合う女性共同体の連帯。その姿を、主人公・渚の視点を通してどのように描いていくのか。海女たちの息遣いや島の匂い、海での漁の緊張感まで、リアルにスクリーンに立ち上げることが、この映画をつくる上で大切だと感じています。素晴らしいキャスト、豊かな自然に囲まれたロケーション、そして国際色豊かなスタッフに恵まれ、これから撮影が始まります。
この場所で、この人たちと、この物語がどのような映画になっていくのか。まだ見ぬ景色に出会えることを楽しみにしながら、一つひとつの瞬間を大切に撮影していきたいと思います。
【ルクセンブルクプロデューサー:ジル・シャニアル コメント】
河村勇樹監督と私たちは、フランスのグラフィックノベルから生まれたこの物語が、日本でついに映画として動き出すことを、とても嬉しく思っています。共同製作会社である フラッグとFilm Fund Luxembourg、文化芸術活動基盤強化基金(Japan Creator Support Fund)をはじめ、多くの皆さまの力に支えられ、この作品を実現できることを心から光栄に思います。
藤野涼子さん、尾野真千子さんをはじめ、経験豊かで才能あふれる日本のキャストの皆さんとこの作品を作れることを、私たちは大変嬉しく思っています。
日本の物語に、ほんの少しの「フレンチ・タッチ」を添えながら、海女たちが受け継いできた文化や精神、そして彼女たちの物語を、いま大きな変化の中にある世界へ届けられたらと願っています。
【日本プロデューサー:小田寛子 コメント】
母と娘、姉妹、叔母と姪――さまざまな関係で結ばれた女性たちと、世代を超えて受け継がれていく思いや生き方を描く物語に惹かれ、この作品への参加を決めました。
各撮影地の皆さまをはじめ、本当に多くの方々に支えていただき、ようやく撮影開始を迎えられたことを感慨深く思います。
準備を進める中で輪島の海女の皆さんに何度もお会いし、仕事への誇りと、気さくでユーモアにあふれたパワフルな人柄に、どんどん惹かれていきました。海女たちの魅力が、世代も個性も異なる素晴らしいキャストの皆さんを通してどのように表現され、藤野さん演じる渚の目にどう映るのか。そこに世界各国から集まったクルーの感性が加わることで、どのような化学反応が生まれるのか、とても楽しみにしています。
<あらすじ>
1960年代後半、<海女の町> 舳倉島を舞台に描かれる若い女性の成長と再生の物語
20代前半の渚は、東京の製造工場で働きながら、どこか型通りの人生に違和感を抱えていた。両親と暮らしてはいるものの、特に自らの過去について一切語ろうとしない母・千春との間には、微妙な距離があった。
そんなある日、渚のもとに、存在すら知らなかった叔母・梢から祖父の訃報が届く。母の故郷である能登半島・舳倉島を訪れた渚は、そこで梢が海女として生きていること、そして母もかつて海女だったことを初めて知る。
素潜りで海へ潜り、自らの手で生計を立てる梢や島の女性たち。何世代にもわたり受け継がれてきた海女たちの力強い生き方に魅了された渚は、自らも海女になることを決意する。
若い海女・裕子のもとで潜水や呼吸法の訓練を重ね、次第に海の世界へと踏み込んでいく渚。しかしその先には、海女として生きることの厳しさと、母・千春が長年封印してきた過去が待ち受けていた――。







