――映画「古都」は川端康成の小説が原作の作品ということで、かなり日本文化や伝統に根ざした描写も多かったかと思います
映画「古都」は川端康成の小説が原作の作品ということで、かなり日本文化や伝統に根ざした描写も多かったかと思います。
――演じられるのはどんな役どころですか?
京都に昔からある着物屋のボンボン息子です。でも彼は自分も色々挑戦したいけど、ゆくゆくは着物屋を継がなければいけないし、京都でずっと生きて行くっていう覚悟を決めてる人間なので、周りの大学生と比べると一歩上を行ってる人間かな。10代でレクサスの日本車で一番高いやつに乗っているって設定ですっごく気を遣いましたね(笑)。洋服とかもブランド物ばっかりで見た目は今風の若者なんだけど、考え方は芯を持ってる人間なのですごい面白い役です。
――10代で指針を決めているという点では共感出来る点もありそうですね
そうですね。僕も高校を卒業して、大学も行かなかったですし、〝この仕事で食っていく〟っていう腹のくくり方とかはなんか似てるなって。自分はこれで生きていくっていう気持ちにはすごく共感できるものがあります。

――普段役作りはどうされていますか?
作品によりますけど自分に遠い人間だったらより時間かけますし、近かったらそんなに時間かけないです。台本を1回目は自分の役の所だけきちんと読んで、台本2回目を読む時には自分以外の周りの台詞を読んでみたり。自分がこういうキャラクターでやりたい!って思っていても、自分以外のキャラクターのセリフも読んでみると「あ、こうじゃなかったんだ」ってところが見えてくることがあるので、台本はきちんと読みます。
――割と役に入り込むタイプですか?
作品中ずっとその役になる役者さんたちをすごく尊敬していて、絶対そっちの方がいいって思うんですけど、僕はカットと一緒に元に戻ってしまう方ですね……。あとは大事なシーンをいつ撮影するかは確認したりします。初日にクライマックスとかだったら吐きそうなくらい緊張しますね。役と自分がリンクしてからだとやりやすいんですけど初日に来るとテンパります。
――自己流のセリフの覚え方などはありますか?
朝ドラ(NHK連続テレビ小説「まれ」)をやってから2回くらい読むと勝手に入ってくるようになりました。昔はセリフを覚えるのが本当に苦手だったのに、朝ドラをやってからは入ってくる、入ってくる。僕は現場には台本は持って行かないので、ほとんど見ないですね。朝ドラで相当鍛えられたと思います。
――俳優をはじめてから今までで思い出深い作品や役があれば教えてください
朝ドラが一番大きかったですね。16歳から30前半まで演じるって、時間のかけ方も違いますし、考え方もだいぶ変わりました。役への向き合い方がより一層変わったので一徹ってキャラクターはすごくやってよかったなって思いますし、この先もずっと自分の中で残るだろうなって思います。この先やっていく中で忘れられない役はこれなんだろうなって。
――朝ドラは幅広い年代層の方が見られますけど、声をかけられる機会も増えたんじゃないですか?
放送されたときはすごかったですね。大泉(洋)さんの息子役だったし、髪型もインパクトがありましたし。ちょっとびっくりしたのが、空港で荷物検査しているときにうしろにいたおばちゃん三人組くらいに、髪の毛を急に触られて「本当に天パなんだ!」って言われたことです。あと、大泉さんがしっかりしてない役だったので、ご飯を食べている時に隣のテーブルの夫婦から「しっかりしなさい」って言われたりもしました(笑)。
――朝ドラでも映画「青空エール」でも共演された土屋太鳳さんとは大の仲良しだとか
家族みたいな人です。作品のことで悩んでると電話したりしますね。太鳳ちゃんからも最近、「大丈夫?何かあったら言ってね」って電話がかかってきたりします。ストレスが溜まったら全部太鳳ちゃんに聞いてもらうとか、本当に姉ちゃんみたいな感じでなんでも話しますね。この間も「青空エール」が公開されてすぐくらいに、気付いたら2時間くらい太鳳ちゃんと電話してて。
――どんな話を?
〝こういう人にみてもらいたいね〟って。考えていることが一緒っていうのはあります。観ている人にどれだけ感動してもらえるとか、伝えたいことが伝わるってことが僕らからしたら一番嬉しいので、こういう風に芝居したらこう思ってもらえるって考えながら演じて、そのシーンで泣いてもらえると〝よっしゃ!〟って思いますし。そういうことを太鳳ちゃんは一番気にしてるんじゃないかな。自分より先のことを考えてる女優さんなので、すごく考えさせられます。
――〝奨之〟さんはめずらしいお名前っですけど、由来はなんですか?
それまで考えたこともなかったんですけど、この仕事をしてると「芸名?」とかって聞かれることが多くて。お母さんに聞いてみら、僕がお腹にいてもうすぐ生まれるっていう時に、ピザ食べながらテレビを見ていたらしくて……それで僕ピザ大好物なんですよね(笑)。それでたまたま、そのテレビに真田広之さんが出ていて、真田さんの長男の名前が奨之だったんですよ。〝いいじゃん、奨之〟ってことで名前が決まりました。
――今後演じてみたい役はありますか?
外国人の役なども、やりたいですね。あとコメディーにも挑戦してみたいです。
――趣味は音楽鑑賞ということですが、どんな音楽を聴かれますか?
オールジャンル聞きますね。アイポッドとかにかなりの曲入ってます。でもハマると一個のジャンルしか聞かなかったりする時もあります。最近はヘビメタですね
――撮影前などに聞く音楽があれば教えてください
映画のサントラとか良く聞きます。久石譲さんが好きなので、その曲とか聞いてからシーンを撮ったりしますね。坂本龍一さんとかも聞いたりします
――その他好きなものやハマっているものがあれば教えてください
最近きゅうりの漬物ばっかり作ってます。にんにく入れてみたりとかお酢入れてみたりとか、本当にやってるとこおっさんなんですよ(笑)。今ぬか漬けを買おうと思ってて、最近探してるんですけどぬかって毎日手入れしないといけないし部屋が臭くなるって聞いたんで、ちょっとやめようかなと思ったんですけど……ゆくゆくは絶対作りたいです!
――きゅうりのおすすめレシピは?
塩こんぶときゅうりを和えて、そこに山形のダシを足すんですよ。オーガニック屋さんとかに売ってる粉末状のやつ。あとは酢と醤油をちょっと入れるとだけでおいしいです。
――お酒がすすみそうです
すすみますね~。最近だと竹内涼真くんとかと飲んだりとか。あとみんなにこれ

食べてくれって振る舞うのが好きです。涼真とかよく家にくるし。この前、涼真とチーズフォンデュやりました。本当に僕たち付き合ってるねって話をして(笑)。チーズってカルディとかにすごい種類あるの知ってますか? 80種類くらい置いてあるんですよ。そこまで涼真と二人で買い物に行って、「こっちのチーズにしようよ」とか言って4種類くらいのチーズを買って。なんかもう一個作ろうよってなったときに、「じゃあ僕、ポタージュ作る!」ってなって……ポタージュは失敗しました(笑)。
――お料理が好きなんですね
何かを作ることがすきですね。ひとり暮らしを始めたんですけど、窓が多い部屋でカーテンも中途半端でオーダーメイドだと相当な金額になっちゃうって言われたんで、「じゃあ僕作ります!」って言って、友達と一緒に四日間かけて作りましたね。
――カーテンを作ったんですか!?
そうです。この前、蒼井優ちゃんが遊びに来た時も「なにこのカーテン!自分で作ったでしょ!」ってボロクソ言われましたね(笑)。でもカーテン作り、すごく楽しかったです。
――今後挑戦したいことがあったら教えてください
プライベートは世界ウルルン滞在記みたいなことしたいですね。アフリカの聞いたことない国行ってその場の人達と仲良くなりたい。絶対世界観変わるなって思いますし。身近だったらスキューバーダイビングの免許取りたいな。
――仕事ではどうでしょう
本当に映画が好きなのでもっと映画のお仕事が出来たらいいなと思います。
――共演してみたい方はいますか?
オダギリ(ジョー)さんや先輩である小栗さんと、いつか一緒にやりたいなっていう思いはありますね。あと、加瀬(亮)さんとはずっと共演したかったので「アズミ・ハルコは行方不明」でご一緒できて、1つ夢が叶いました。
――これまでに刺激を受けた方がいたら教えてください
朝ドラの時の田中泯さんですね。70歳であんだけカッコ良くてすごいなって。自分も70歳になったら泯さんみたいになりたいなって思います。泯さんがずっと撮影中に言ってた言葉が「自分は年齢なんて関係ないと思ってるしずっと自分は少年の気持ちで芝居をやってる」で、やっぱりそう言ってる人達ってかっこいいなって思いましたね。
――最後にファンの方にメッセージをお願いします

映画が3本、どれも違う役なのでその違いを楽しんで頂けたらなと思います!