――まずはデビューのきっかけを教えてください
中学生の頃、(事務所の先輩である)小栗旬さんの事が好きすぎて〝僕もなれるんじゃないかな〟と勘違いをしまして、履歴書を送りました。トライストーンじゃなかったら、この仕事はやってなかったですね。
――もともと興味はありましたか?
目立ちたがり屋っていうのはあったんですけど、こういう仕事をやってみようってのはなかったです。小栗旬になれると思ってたので、その一心で(笑)。
――明るくて社交的な印象の葉山さんですが、ご自身で自分の性格はどう思いますか?
明るい方だと思いますけど、ひとりでいる時は根暗かもしれないですね。元々アウトドアだったんですけど、ここ最近は休みがあっても家から出ないです。この間も三日間くらい引きこもってたから、誰とも会話しなくて。〝声出るのかな〟と思って、ひとりで〝おはようございます〟とか声に出してみたりしました(笑)。
――お家では何をされることが多いですか?
趣味は映画を見ることなんですけど、基本家にいるときはソファーに座ってますね(笑)。気付いたら3時間くらい経ってたりとか。
――ちなみに最近のおすすめの映画は?
最近だと「シングストリート 未来へのうた」がよかったです。「はじまりのうた」とかミュージカル系の映画をとるのが上手くて、僕がすごい好きなジョン・カーニー監督の作品なんですけど、もう2回観に行きましたね。こういうの日本映画でやったらいいのになってすごく思いました。

――12月に公開される映画「アズミ・ハルコは行方不明」での役どころを教えてください
学(まなぶ)っていう〝陰〟の要素が強い、学校でも多分いじめられてた感じの男の子です。その学がユキオと愛菜っていうイケイケの2人と、卒業後関わりを持っていく中で、グラフィティアートを描いたりだとか、バンクシーに憧れてステンシルを自分で作ってしまうくらいどっぷりその世界にハマってしまう。ハマると止まらなくなる人物なので、暴走しますね。一番見てて「こいつ何なんだ」って思うし、つかみどころが分からない役だと思います。
――その学について、劇中の見どころはどこでしょうか
コミュニケーションをあまりとってこなかった人間なので、キャラクターがいい意味で周りと成立してないんです。でも、高校を卒業してから人と触れ合うようになって、人との距離感が分からない中で模索する学を見てもらえたらな、と。
――学は〝陰〟の要素が強いということでしたが、葉山さんとは違ったタイプ?
いや、もともとは僕もそういう人間だと思うので、学に共感できる部分はたくさんありますね。ひとつのことに集中すると止まらなくなるところとかは特に。
――では出演が決まった時のお気持ちは?
このメンバーで出来る事がすごく幸せだなって思いますし、映画が大好きだった僕が観てた人達と一緒に芝居出来るって事が嬉しいですね。
――主演の蒼井優さんの印象はいかがでしたか?
(蒼井)優ちゃんは本当にフレンドリーで誰とでも話せる人なので、主演としてみんなを引っ張っていく姿はかっこよかったです。あまり一緒になるシーンはなかったんですけど、僕が撮影ないときは、優ちゃんの撮影現場に見学しに行ったりして、撮影中はほとんどみんなと一緒にいました。
――では撮影現場は和気あいあいといった感じだったんですね
本当にスタッフさんや松居監督も含めて皆さん仲が良かったですね。優ちゃん、みっちゃん(高畑充希)、太賀くんや松居監督、(石崎)ひゅーいくんとか、共演者さんとは2週間に1回飲みに行ってます。ひゅーいくんのライブをみんなで観に行ったり。飲んでばっかりですねあの人たちは(笑)。
――撮影で大変だった事や印象に残っているエピソードがあれば教えてください
やっぱりステンシルするのが大変でした。本物の壁に描くので「これ一回しか出来ないから」って言うのが何個かあって、ここ失敗したらヤバいなって。壁にフィルターを貼って最初の方はそこで練習するんですけど、本番はそのフィルター外して一発でっていう状態で、それは結構キツかったですね。

――来年2月に公開される映画「きょうのキラ君」では高校生役を演じられますが、現場では最年長ということで……
僕がメインで最年長って事が初めてだったので変な感覚でしたね。これまで現場で一番下だったのが急に年上になったので、監督に「みんなを引っ張ってって欲しい」って言われて。そういうキャラじゃないんだけどな……とか思って、全然何もしなかったですけど(笑)。僕はどちらかと言うと本番中に気を遣われるのが嫌で、本番になったら先輩後輩関係ないっていう考えなんです。だから全然みんな自由にやろうよ、みたいな。そんなスタンスでやってました。
――同年代の多い現場でしたが、現場の雰囲気は?
楽しかったですね、話も合いますし。中川大志くん、飯豊まりえちゃん、平祐奈ちゃん達がいいカメラ持ってて、みんなで写真撮ったりしてました。僕もカメラ持ってる事は持ってるんですけどそんなに持ち歩かないので。みんなはいつも鞄の中に持ち歩いてすごいなって。週刊誌かなって思いました(笑)。
――作品で演じられる矢部と比べてご自身の高校生活はどうでしたか?
(矢部とは)全然違いますね。僕は当時から仕事してたので、学校生活とか青春っぽいのは全くできなくて、仕事が唯一の青春かなって思ってるので。みんなで誕生日会とか、矢部みたいなことやれたらいいなって思います。
――演じるにあたって一番気をつけたのは“矢部の持つピュアな心”だそうですが・・・・・・
そうですね。ストレートで本当に純粋な子なのでそれを壊しちゃうと多分矢部じゃないだろなって思うし、矢部が持つピュアな心って多分観てる人が一番共感出来るところなんだろうなって思ったので。(ヒロインの)キラに対してずっと憧れていて、矢部にとってはキラが神様的存在。キラはキラでちょっとひねくれてる感じなので、それに対して矢部は真反対になるのかなと思います。それを表現することで映画が全体的に見やすくなるのかなと。
――映画にちなんで葉山さんのピュアな一面を教えてください
(しばらく考え込んで)……すぐ笑っちゃうところですかね。
――恋愛ムービーですが、葉山さんにとって理想の恋愛とはどんなものですか?
理想の恋愛ですか……難しい(笑)。でも制服デートは憧れますね。ベタ中のベタですけど、制服でディズニーランドとか行きたいです。たまに友達とディスニーランドとか行って制服で来てる子たちを見ると羨ましいなって思います。