――本作が連続ドラマ単独初主演ですが、決まった時の心境を教えてください
僕に任せていただけるのは嬉しかったんですけども、責任や背負うものもあるので覚悟を持ってやらないといけないなと思いました。経験しないようなお話だったので、想像力を膨らませました。
――成仏できない幽霊の昭和のヤンキーが出てくるストーリーと聞いた時はどんなお気持ちでしたか?
純粋に楽しみだなという気持ちと共に、どの年代の方にも響くような作品になればいいなと思っていました。
――柏木さんが演じるトゲルは大きな怪我で陸上選手としての夢が断たれてしまう役柄ですが、どのように役を作り上げていきましたか?
クランクインの時までには完璧にしておかないと作品が繋がらなくなってしまうので、監督に相談しながらこういうキャラクターで行こうと決めていって、そこから作品に入って演じる中で共感出来るものがすごく多くなっていきました。

――監督からの言葉で印象に残っている言葉があれば教えてください
基本的にはコメディだったので「もう好きなだけはっちゃけていいよ」とアドバイスをいただいたので、ふざけるところは振り切ってやった方が面白くなると思いますし、でも内々にならないように話し合いながら、ふざける時はふざけて、他のシーンとのメリハリを大切にしていました。
――トゲルは怪我での挫折からヤンキーたちとの出会いで次への一歩を踏み出していきますが、感情の変化で意識したところはありますか?
心の移り変わりが大事だと思ったので、そこは声の変化だけでも分かりやすいように意識しました。表情とかは監督と相談しながらどれぐらい落ち込むかとか、ここはまだこういう気持ちで大丈夫と境目をハッキリするようにしていました。
――ご自身と役で似ているところや、ここは全く違うと感じたところは?
全く違うのは、一つのことに対して感情の起伏がすごくあるんですよね。怪我をして夢を諦めざるを得なくて、すごい落ち込むというか。僕の場合は前向きに考えるようにするので、そこはちょっと似てないのかなと。逆に彼は吹っ切れると物怖じしないのでそこは僕と似ているのかなと思います。僕も基本的に物怖じはしないと思っているので……自分で言うのもあれですけど(笑)

――演じる中で共感出来るものが多くなっていったとおっしゃっていましたが、共感したポイントはどこだったのでしょうか?
成仏できない幽霊たちは昭和に生活していた人たちなので、現代のSNS映えだったりとかは通じなくて、やっぱり通じないんだなってちゃんと時代が違っていることを演技している時に明確に区切りを付けられたので、そこが自分の中で掴めたポイントかなと思っています。改めて分かることによって変わってきたのかなと思います。絶対経験しないようなことでしたが、昭和世代の価値観に出会った時の反応はリアルを見せることができたのではないかなと思います。
――昭和のヤンキーにかっこいいなと思う部分はありましたか?
どんなことがあっても真っすぐ突き進んでいる感じがすごく素敵だなと思いました。僕も気持ちが大事だと思っているので、同じ考えだったのでそれが刺激にはなりました。

――共演者には先輩が多かったと思います。撮影を振り返っていかがでしたか?
皆さん良い意味で年の差を感じない優しい方々だったので、そこは僕の救いでもありましたし、一緒にやっていく中でどんどん仲が深まっていって、皆でこの作品を作り上げていっている感じがしたので楽しかったです。
――撮影現場の雰囲気は?
皆さんすごく明るくて、スタッフの皆さん含めすごく温かい現場でした。平和な撮影現場だったなと思います。
――撮影現場での立ち位置として、柏木さんはいじられる側ですか?それともいじる側ですか?
僕はどっちかと言うといじられる側だと思ってますね(笑)。「できるでしょ?」みたいなノリで、アクションとかも「教えなくて大丈夫でしょ?」みたいに言われたりしてました(笑)

――共演者の方との楽しかったエピソードがあれば教えてください
アクションシーンは皆で探り合いながらやっていました。当たっても痛くない剣を使ってチャンバラみたいで。その剣が僕はめちゃくちゃ欲しくなりました(笑)
――アクションシーンに挑戦したのは初めてですか?
初めてですね。なのですごい学びのある現場になりました。アクションはもちろん苦労はしましたけどすごく楽しくやれたので、またやりたいなと思います。