――映画「3月のライオン」の公開もいよいよです。原作マンガもかなり人気な作品ですが、お話をもらった時の気持ちは?
- まず、「僕ですか?」っていう確認はしました。でも将棋には縁があって、「聖の青春」も出していただいて、ちょうど将棋の訓練もしていたところだったので、「(将棋を)指す練習はたくさんしているので、ぜひ出させてください」と。
――今回演じる“蜂谷すばる”。ご自身と似ている点はありますか?
- 蜂谷すばるはよく言うと自分のペースで将棋を指せる人で、悪く言うとマナー違反。周りから見ると“なにアイツ”なんですけど、そういう態度って自分に自信がないとできないことでもあると思うんです。人前でイライラするって、僕は普段あんまりそういう事が出来ない。なので、僕にはない部分の方が多かったように思います。
――神木隆之介さん演じる主人公・桐山零とは盤を挟んで向かい合う形での撮影でした
- 神木さんという印象よりも、「あ、桐山だな」って思って。原作の漫画と見比べて姿形もですし雰囲気も。(神木さん自体は)柔らかい方なんですけど、将棋が始まって集中すると、“桐山の顔”になります。
――個性の強い棋士を演じた前原さんですが、ご自身の中でこれだけは譲れない“こだわり”はありますか?
- 僕、普通なんですよ。めがねをとったら特徴的な顔でもないし。見た目が普通だからこそ、お芝居ではちょっと人と違うことをしようっていうのは、大事にしています。
――「3月のライオン」にちなんで、前原さんの“3月の思い出”を教えてください
- 苦い思い出になっちゃうかもしれないけど、中学の時にバレンタインにチョコをくれた子がいたんです。すごく嬉しかったけど、当時はクールに構えていたので「ああ、ありがと」みたいな(笑)。ホワイトデーにお返しのチョコをちゃんと買っていたのに、来たる3月14日。いかんせん自分のキャラと恥ずかしいのがあって結局渡せなくて、帰り道に1人で食べたっていう……。
――演技面で目標にしている方はいますか?
- この人みたいな表現が出来たらすごいなと思うのが、森山未來さん。身体を動かせるというのがまずすごいと思いますし、ひとつの到達点を超えているなと思います。“どうやったらここに行けるんだろう”という目で見ちゃいますね。
――では共演してみたい方は?
- 役所広司さんにお会いしてみたいです。一回対峙してみたらどうなるんだろうって。
――今後どういった役どころを演じてみたいですか?
- 僕の内面は“陽”じゃなくて“陰”の方が強かったりすると思うんです。だから、そういう根暗な人間もやれたらな、と思います。「モテキ」で森山未來さんが演じた主人公とか「電車男」で山田孝之さんや伊藤淳史さんが演じたオタクの役もやってみたいです。
――プライベートのお話も少し。お休みの日は何をしていますか?
- この前フットサルに行ってきました!もともとサッカーをやっていて、こう見えて足も速いんですよ。中学の時はサッカー部の部長もしていて、レフティだったんですけど、“五橋の中村俊介だ!”って言ってもらっていたんです(笑)。
――その他にハマっていることはありますか?
- ついこの間、落語を初めて観に行ったんですけど、ものすごくおもしろくて。もともとお笑いが好きで、コントや漫才はよく見に言ってたんですけど、どちらとも違ったおもしろさがありました。訓練を積んで、声の強弱やいろんなことを操っているのが分かって、お芝居の部分でもとても参考になります。
――プライベートで挑戦してみたいことはありますか?
- 濱田マリさんとドラマ「重版出来」で共演したときにボルダリングをやろう、と。書店員の上司と部下という関係だったんですけど、濱田さんが「重版出来ボルダリング部やな!」って(笑)。1回やらせてもらったんですけど、すごく楽しかったです!ただ僕、腕の筋肉がないのか全然登れなくて、今度はちゃんと挑戦したいと思っています。
――最後に、ファンの方にメッセージをお願いします。
- まだ言えないものもあるんですけど、今年特に映画でおもしろい作品にたくさん出させていただきます。明るい役も暗い役も、見る側のイメージが変わるような作品になると思うので、それを見て僕のことをもっと知ってもらえたらと思います。
カメラ:秋葉巧、ヘアメイク:西原寛子、文:水出綾香