――夏海にとってパンケーキは人生にとってキーアイテムだと思うのですが川口さんの人生の中でパンケーキに値するようなキーアイテムってありますか?
仕事しかないですね。自分が一番自分でいられるというか。悔しい思いもして評価してもらえて求められているって感じたり、いい時も悪い時も一番いきいきしている瞬間だと思うので。夏海がパンケーキに熱を注ぐように自分もそこに対してまっすぐブレずにやっているかなと思います。
――夏海にとってお父さんの作るパンケーキが「おふくろの味」というか思い出の味になっていると思うのですが川口さんにとってのそんな「おふくろの味」はありますか?
おばあちゃんの味が大きいかもしれないです。九州出身なので自分で作る時も基本甘いんですけど、お醤油も甘いし煮物にも相当お砂糖を入れます。おばあちゃんっ子だったというのもあって卵焼きも東京の和食屋さんでめちゃくちゃ美味しい出汁巻きが出ても甘くないと美味しくないと思っちゃうくらい。
――作品でお父さんが料理してくれたシーンもありましたが川口さんは将来旦那さんとかに料理は作って欲しいですか?
してくれるならそれに越したことはないですけど(笑)。得意な方がやればいいと思っているのでやるよって言ってくれたらありがとう、となります。でも出来る方だったら嬉しいですね。苦手な方だったら分担してやります。

――そして主題歌であるスピッツの『スターゲイザー』。夏海もスピッツが大好きな設定でしたが曲に関しての印象は?
私もめちゃくちゃスピッツさんが大好きなので今回本当に嬉しくて。劇中で夏海と拓馬がスピッツのライブに行くって台本に書いてあったので、本当に行けるんじゃないかって思ったくらい(笑)。『スターゲイザー』も大好きだし、世代は違えど年代を越えても若い子の心に刺さる曲を作るアーティストさんだと思います。
――幼馴染の涼介とハワイの青年・拓馬との三角関係も今後の展開が楽しみです。全くタイプの違う2人ですが、川口さん自身はどちらの男性がタイプですか?
涼介かな~。昔から付き合いが長くて自分の事を家族のように知ってくれてるっていうのは大きいですし不器用な感じも人間くさくて好きですね。涼介にとってのサーフィンみたいな何かに没頭して自分の誇れるものを持っている方はステキですよね。
――作中では拓馬と文通するシーンもありました
それもとてもステキだと思います。今の時代にお手紙を書くっていうのはとってもステキだし、自分も結構人に書いたりするんですけど、携帯電話になりがちで漢字も出てこなかったり……。夏海と拓馬の距離感もいいなと思いながら演じていました。
――夏海がパンケーキ屋さんのオーナーになる為に一直線に突き進んで行きましたが川口さんは何かこれって決めたら一直線につき進めるタイプですか?
エンジンがかかるのが遅いタイプ。一回スタートを切ったらわーって進むんですけど、火が付くまでに時間がかかりやすい性格だと思います。
――何かでお仕事でもいいので達成感を感じる瞬間っていうのはありますか?
仕事では現場の区切りだとか。ほんと小さい事で言うと一時間のジムでのトレーニングを終えた達成感だとかそういうことでも感じます。今回の作品をオールアップした時の“よく頑張った―…”みたいな感覚はプライベートではあまりないですね。
――ドラマ後半に向けてのやりたい仕事と恋の両立というのはどういう風に進んで行きますか?
恋愛と家族との関係だとか、過去に何があったみたいなものも描かれて行きますね。あとはハワイに行って実際に本格的にお店を出すという所で夏海の表情が険しくなっていくかな。最初は学生でキャピキャピしたノリの夏海なんですけど後半から本当に酸いも甘いも色々な経験をして行きます。


写真:秋葉 巧、文:水出綾香