――今回の『大きな虹のあとで~不動四兄弟~』が舞台初出演作ということになりますね
ずっと(舞台を)やりたいと言っていたので嬉しかったです。去年この舞台をやると聞いて、出演者もいつも一緒にレッスンを受けているメンバーだったのですごく羨ましくて。「私もやりたい」ってずっと言っていたんです。
――昨年初めてこの作品を観て
考えるきっかけをもらいました。戦争をテーマにしたものだとは聞いていたんですけど、それ以外ほとんど前情報なしで観たんです。前半はポップな感じで“なんだこれは、楽しいぞ”って笑いながら観れたんですが、後半は一気に空気が変わってメッセージ性のある内容になり、みんなの熱量が伝わって来ました。すごく泣きましたし、戦争について考えるきっかけにもなる作品だと思いました。

――今回演じる女学生の百合はどんな女性ですか?
女学生4人の中では結構おちゃらけている、ふざけがちな子です。一見ひょうきんだけど、実は戦争に対しての思いには芯が通っていて、強い部分のある女の人だと思います。
――確かに百合は“お口チャック”等、ひょうきんな動きがありますね
そうですね。去年百合は矢作(穂香)さんがやっていて、矢作さんが演じる百合が私の中では核みたいなものになっていたんです。“矢作さんが演じるあの百合”を私も演じなきゃいけないと思っていたところがありましたが、実際に稽古が始まってみたら、矢作さんがやった百合は矢作さんがやった百合で、私に演じられるのは違う角度からみた百合だなと気付いて。去年の百合とはセリフは一緒だけど、キャラクター性は違う百合です。
――稽古場の雰囲気は?
いい感じです(笑)。一緒にレッスンも受けている本当に仲の良いメンバーなので、稽古中厳しいこともありますけど、つらいって感じではなくて、どうしたらもっとよくなるかみんなで誠心誠意考えていく、という雰囲気です。
――稽古前に全員で発声練習をしているとか
そうですね。稽古場が開始1時間前に開くんですが、私は45分前には行くようにしていて身体を起こしたり、ストレッチしたり。みんなが集まったら自然と「声出そっか」という感じで毎日やっています。
――ドラマと舞台の発声は全く違いますよね
本当に全然違いますね。ドラマってマイクがあるから声を張らなくても大丈夫だし、撮り直しもできる。舞台は生ものだし1回きりだから、それでセリフや言葉が死んじゃったら意味がない。私は普段から声を張らないで生きているし、声が低いので聞き取りにくくて……苦労はしています(笑)。
――麻樹と草太だけではなく、百合が空へ想いを寄せるシーンもあります
そうなんですよね。百合の完全なる片思いで、憧れというか、空のファンなんです。恋というよりはファンで、ひたむきに好きなんですけど、空は百合のことなんとも思ってないんですよ。稽古中ももどかしくなります。

――片思いの話も出ましたが、山賀さん自身の好きな異性のタイプは?
私本当にいつもふざけてるので、受け入れてくれる人(笑)。冷められるとすごく嫌です!
冷たくされてもいいから、構ってほしい。本当の無関心はきついです(苦笑)。
――さきほど、戦争を知るきっかけになればと言っていました。改めて作品の魅力を教えてください
私自身、戦争は学校でちょっと触れるくらいだったので“特攻”も話には聞いたことはあるけど……という感じでした。でもこの年になって改めて自分の頭で考えることは大事なことだと思いました。もちろん、どう捉えるかは人それぞれなんですけど、この作品をみることによって自分なりの考えが生まれるきかっけになればと思います。
――百合の切ない片思いからも目が離せません
空に対する気持ちの変化……。意外と健気な女の子なのでそこに注目してほしいです。最初はおちゃらけていて状況を楽しんでいる百合だけど、空が特攻に行くと決まってから変わっていきます。彼女なりに考えた上での行動や気持ちを大事にしたいので、そこに注目していただけたら。