――浜中さんが舞台でやりがいを感じるのはどのような時ですか
- やっている中で、それこそいろんなトラブルが起きるんですよね。その時がやっぱり楽しいです。トラブルが起きないと面白くないぐらい、トラブル待ちしてますね。今回は結構物を動かしたりもするので、怪我だけは無いように、それ以外のトラブルは楽しくお客さんと共有しながらやっていけたらなと思います。
――浜中さんご自身はコメディが似合う自覚はありますか?
- 似合うというか、性に合っているとは思います。コメディをやっている時の方が心は解放されていますね。シリアスも全然良いんですけど、好青年を演じている時の方が僕の心は死んでます(笑)。好青年はもっと良い人がいっぱいいるからという感じで……僕のは好青年“風”です。
――タイトルにちなみ、浜中さんは闇をお持ちですか?
- 闇だらけですよ(笑)。でも闇を持っている方が、表面に出す時に倍、闇を出せると思います。よくいろんな経験をしろと言うじゃないですか。しんどい時を知らない人がしんどい役をやっていても薄っぺらく見えてしまったり、多分それと同じことだと思うんですけど。だから闇を持っている人間の方がこういう役者だったり芸人さんみたいに面白いことをするにしても力は強いのかなと思います。どういう闇を持ってるかは言いませんけど。
――嘘が散りばめられている本作ですが、浜中さんがこれまでついた嘘でブリンズリーのように失敗したことはありますか?
- 基本嘘をついているんですけど……今も嘘ついて言っています。僕は結構正直に何でも言ってしまうというか、良くも悪くも嘘をつけないので、あえて嘘を言ったり。この作品どうでしたか?と聞かれて、面白くないなって思っても、「あんまり面白くない」と言うと変な誤解を招きかねない時は嘘を言ってみたりします。あとは分かり切った嘘とかね。ここまでどうやって来ましたか?って言われたら、泳いで来ました、みたいな。ボケも入りつつ、変な嘘はつけない、正直に言ってしまうタイプです。
――お仕事的に、正直なことは得だと思いますか?
- 仕事的には損してきましたね。偉い人にゴマをするとかも苦手なので……でも昔の頃はゴマすっときゃ良かったかなみたいなのはありますけど(笑)、そういう嘘の笑いとかできないです。なんで面白くないのに笑ってんねやろ、みたいなのもあったりするので。でも僕も36歳ですから、社交の場では必要だと思うので、ある程度笑顔は見せるようにしています。
――最近窮地に陥ったエピソードがあれば教えてください
- ピンチになることがあんまり無いんですよね。外出ないから。家の中では危険は無いですね。安全です。外出たら何が起こるか分からへんから。
――家の中では何をして過ごされているんですか?
- ゲームです。休みの時は朝から晩まで、休憩も入れつつって感じで。多分ずっとやれって言われてもできますね。
――ゲーム配信もされていますよね。趣味が仕事に繋がった形ですね
- そうですね。本当はやる気は無かったんですけど……。僕はそんな趣味を仕事にしたくない人で。でもお声がけいただいて、いずれもしかしたら配信とかやるかもしれないから勉強になるかなと思ってやらせていただいています。思っているよりも自分の好きなゲームをひたすらやっていて、皆さんコメントとかくれるんでそれに対して返答もせなあかんから。僕がひたすら黙々とゲームしているのをただ見てもらっているだけで、それを楽しんでいただけていたらいいんですけど。
――現時点にはなりますが、本作で注目してほしいところを教えてください
- まだテンポ感も掴めていませんが、会話をしている中で、色々な物を動かし、それがその人のギリギリを通る面白さがあったり、会話も多いですけどその会話だけで面白さを表現しているわけではないので、どういう感じになるのか……。後半に向けて色々発覚することも増えていきますし、ストーリーも面白いものになっています。一番は明暗逆転した中で皆さんがどんなお芝居をやられるのか。僕は先頭に立って歩くタイプではなく、普段から皆さんについていくだけなんです。だから皆さんに任せます!
――ここからは浜中さんご自身についても少し伺います。以前所属されていた事務所から独立し、フリーランスとして活動されていますが、心境や仕事との向き合い方の変化はありますか?
- 変わるようで変わってないのかな、仕事の環境というか。自由にやれて、気分的にはだいぶスッキリしています。自由にやれてると言っても僕の中で色々ルールはありますけど、そのルールの幅が広くなったので非常に動きやすくなったという感じです。
――SNSも開設されましたね
- 適度にSNSもやってます。Instagramは写真を載せないといけないんですけど、ちょっと忘れるんです。普段から写真を撮らへん人間やし、今までは仕事でSNSの写真を撮るという習慣も無かったので、それを撮り忘れるっていう日々で、全く更新してないですね……。写真に写るのはあんまり好きじゃないので余計ね。どこか行った時の風景みたいな思い出写真も撮らないので、そういうの忘れちゃうんですよ。だからちゃんと撮れるように慣れていかないとなっていうのが課題です。
――今後、挑戦してみたい役や、やってみたいお仕事はありますか?
- 色々な役をやってみたいです。……石とか木とかね。まだそこはやったことないので。フライパンの役もやったことないのでやりたいですよね。人とかモンスターみたいなのはやってるので、そういうところは新たにやってみたいです。
――最後に舞台『ブラック・コメディ』を楽しみにしているファンの方々へメッセージをお願いします
- とにかく『ブラック・コメディ』では明暗逆転をうたっていますから、そこで良い意味で皆さんの期待を裏切れるような、イメージしてた通りじゃなくて、それよりもさらに上と思われるような中身にしていけるように頑張ります。なんとか面白い作品になるようにこれから頑張ってお稽古しますので、本番が始まった時にどうなっているかを楽しみに、僕らが一生懸命稽古をしている間、皆さんは一生懸命働いてください。
撮影:川島彩水