――本作に出演が決まった時のお気持ちを教えてください
出演が決まった時は、嬉しさと驚きがまずあったんですけど、それよりも今回僕がこの作品に携わらせていただくこと、ソニーとしてこの作品の中で生きられること、そして何よりもこのキャストの皆さんと一緒に作品に新たな色を付けられることへの楽しみがすごく強かったです。
――ご自身としては2回目のミュージカル作品への出演となりますが、ミュージカルにはどのような印象をお持ちですか?
僕の中でミュージカルは歌がメインというか、音楽で作品を作り上げていると最初の頃は思っていたんですけど、実際に出演してみて、歌で表現できるもの、歌以外で表現できるもの、それを繋ぐものがあってのミュージカルなんだと思ったので、すごく細かくて繊細なものなのだと実感しました。
――台本を読んでみた感想は?
個々のキャラクター性だったり物語、そして想い、ドリームがすごく濃く表されているなと思いました。最近だと、自分の想いや意見を閉ざしてしまいがちだったり、自分もそういう経験があるんですけどあまり勇気を持って夢を語れなかったり、何をしたらいいか分からないような世の中だからこそ、『イン・ザ・ハイツ』が映えると言いますか。自分がこうなっていきたいっていう気持ちを勇気を持って主張することで世の中は変わっていくんじゃないかという希望を、音楽とお芝居、作品からお届けできることがすごく嬉しく思います。

――既に稽古は始まったそうですが、手ごたえはどうですか?
まだ歌稽古が主なのですが (※取材は8月上旬)、もう毎日が楽しいです!ずっと笑って、笑いすぎてお腹が痛くなるぐらい本当に楽しくて。キャストの皆さん一人一人が素敵な個性を持っている方々で、そして皆さんオンオフの切り替えがはっきりしていて、オフの時はふざけあったり、海外のようなフランクさがあるからこそ僕も一緒にふざけたくなって、たくさん笑って。皆さん笑い上戸なので、一人が笑ったらもう一人笑ってって伝染していく感じです。オフの部分は全員が一緒に楽しんでいるからこそコミュニケーションもすごく多いカンパニーですし、オンに戻った時には集中力や団結力があり、まだ稽古は始まったばかりですけど、熱い絆で結ばれている感じがしています。今でこれだけ絆が結ばれていたらこの先々どうなってしまうのか、どんな『イン・ザ・ハイツ』ができるのか楽しみです!
――ソニーの役どころを教えてください
ソニーはウスナビの従弟で、皆から愛されている弟的な存在です。
――ソニーとご自身で共通点はありますか?
僕は小さい頃から1回喋り出したら止まらないくらい、親にも「ずっと喋ってるね」と言われるくらいお喋りなんですけど、その気持ちはソニーを演じていても同じというか、実際の年齢的には結構離れているんですけど、陽気さだったり少年心はソニーに近しいものがあるなと思いました。僕もソニーも、心の中で思った感情や伝えたい言葉をあまり閉じ込めたくなくて、だから共有したくなって何でも話したくなるんです。だから好きだったら好きとか、やりたいことがあったらやりたいと、思ったことをちゃんと言葉にして相手に伝えて、そして心の底から楽しんで、まだ経験していないことを色々経験したいという欲があるのは似ていると思いました。

――ソニーを演じるにあたって気をつけたいことはありますか?
ソニーはただ無邪気な子ではなく純粋なところがあるので、本当に真剣に伝えたい時は嘘偽りなく堂々と、純粋な心を持って伝えることを心がけたいと思っています。あと、ソニーは色んな名言を面白おかしくセリフの中で使っているんですけど、「こういう風に読むんだ」って他の人が発想できないくらい、違う角度からソニーの一つ一つのセリフに対して繊細に向き合っていけたら良いなと思います。
――従弟にあたるウスナビは今回ダブルキャストで、Microさん(Def Tech)と平間壮一さんが演じます。お二人はどんな方ですか?
二人とも大好きです!Microさんは、最初の顔合わせの時に緊張していたらすごく気さくに話してくださって「ソニー最高だよ!」と言ってくださって。ソニーとしても、有馬爽人としても、この人には頼っていいんだと感じました。それは壮一くんも同じなんですけど、壮一くんも頼りになる方で、プラス、なんでも気軽に話せる方だなと感じます。Microさんと壮一くんはタイプが違うので、それぞれのウスナビでまた違った世界観になると思って、それがすごく楽しみですし、色んな化学反応が起これば良いなと思っています。

――稽古中、印象に残っているエピソードはありますか?
ダニエラ役のエリアンナさんとヴァネッサ役の(豊原)江理佳さんと僕が近い場所で一緒に踊るシーンがあるんですけど、そこで最初にエリアンナさんがちょっと癖の強いダンスをしていたんですね。それにつられて僕も負けずに踊ってみて、それを見た江理佳さんがさらに踊っていくという、エリアンナさんが独特なダンスをしてきたらその上のダンスをやってみようみたいな気持ちが連鎖していって、それでゲラゲラ笑っていました。ニーナ役のsaraさんやピート役のKAITAくんもずっと笑っていて、本当にたわいもないことがツボに入る感じです。
――楽しく稽古されていることが伝わってきます
これは僕の勝手なイメージだったんですけど、saraさんはすごく真面目な方であんまりボケたりとかはしないのかな?と思っていたら、ちゃんと面白いこともおっしゃる方で、僕と同じ匂いがしたというか、この人にはたくさんボケても良いなと思えたり(笑)。良い意味で年齢を気にせずフレンドリーに話せる、ファミリーみたいなカンパニーという感じで、集中するところは集中して、たくさん笑うところは笑っています!