――撮影現場で印象に残っている出来事があれば教えてください
- 血がたくさん使われる作品だったので、めちゃくちゃ血糊が付いていたんですよ。それを普通につけながら、シーンとシーンの間にある休憩時間で、群馬の方で撮影していたんですけど、食べ物が弁当じゃなくて毎回現場で作ってくださっていたんです。それをキャストの皆さんと輪になって一緒に食べるのはすごく幸せに感じました。
――群馬ならではの美味しいものはあったんですか?
- 群馬では自由に過ごせる時間があまりなかったので、群馬らしさをちょっと味わいたかったと思ったんですけど、お弁当じゃなくてケータリングだったというところに、僕はすごく救われたんですよ!美味しかったです。
――血糊を付けながらの食事はなかなかできない経験ですね
- 血糊って落ちないんですよね、これが。作品の間で東京に帰ってきて別の仕事があった時とか、爪の隙間とかが赤いんですよ。全然取れないんだと思って(笑)。でもやっぱり見た目は大事ですよね。「今、俺って危険な状態にあるんだ」というのが一目瞭然なので、それが役を助けてくれているところはあるなと思いました。ありがたかったです。血糊がいっぱいで(笑)
――本作の舞台がシェアハウスですが、八村さんご自身はシェアハウスでの生活はできそうですか?
- できると思います!なんだかんだ楽しく、今もグループ活動をしていて一緒に住んでないですけど住んでいるようなものなので。ただ、今のメンバーと一緒にシェアハウスをしようと思ったらキツイですね(苦笑)。それはもう一緒にいすぎるから、プライベートまでも一緒になったらどうなるんだろうと思っちゃいます。でも新しいコミュニティで……いや、やっぱりやめていいですか?(笑)。シェアハウスダメですね。人と一緒にいるのは好きなんですけど、一人の時間も欲しいです(笑)
――作品を楽しみにしている方にメッセージをお願いします
- 僕もこういう手の雰囲気の作品は苦手ですし、わざわざ見るというのは根気がいると思うんですけど、ストーリーがすごく面白いです。『他人は地獄だ』というのは古くからサルトルの言葉としてもあるんですけど、作品を見ていただくとなるほどなと思っていただけると思いますし、結末が「おっ?」となるので何回も見たくなるような、結末を知った上で見るとまた違って見えるので何度も何度も楽しめる作品になっていると思います。ただ、何度も血を見ることになると思うんですけど(笑)。なので、気軽にと言ったらちょっとアレですが、ぜひ見ていただけたらすごく嬉しいです。
――ご自身の役で注目してほしいところは?
- 表情ですね。色々な衝撃的なことが起こるんですけど、唯一メグミ(岡田結実さん)といる時は、本作の中ではありえないような安堵の表情だったりもして、ユウの表情は意識してお芝居をさせていただいたのでそれを感じ取っていただければと思います。
――ここからは八村さんご自身についても伺います。2019年に結成したWATWINGは今年で5周年を迎えましたね。グループ活動はどうですか?
- 充実した日々を過ごさせてもらっています。ぶつかることもありますが、団結する力は強くなっていると思います。5年経ってもう新人とは言えないと思っていて、だけど自分たちが目指さんとする場所までの道はまだまだだと思っているので、より泥臭く行こうじゃないけど、僕は本当にWATWINGが好きだし、自信を持っているので、もっともっとWATWINGを世の中の人に届けられたらこれ以上幸せなことは無いです。5周年を迎え、新人とはもう言われないけど、今でも常に新人の気持ちで何事も全力でやろうと思っています。
――今は初の全国ホールツアー中なんですよね(※取材は9月中旬)
- やっぱりライブって良いなって思いましたし、改めて自分たちが応援するために音楽をやっているようで、Windy(WATWINGのファンネーム)に支えられている部分はすごく大きいなって実感しています。ツアーが始まる前までは、上手く行くかなとか僕らの良さってどうやったらもっと伝わるんだろうなとか、ツアーに対して不安でいっぱいだったんですけど、いざ始まってみると遊びに来てくれるWindyが僕らの想像以上に応えてくれたので、めちゃくちゃ楽しいです!
――WATWINGとしての目標や展望は?
- まず具体的なものでは、結成当初からドームに立ちたいという想いがあるので、そこに行けるよう段階を踏んで、もっと高く高く行きたいです。でもそこに行った時にどういうグループであるかを想像することも大切だと思っていて、WATWINGが世の中の皆さんに信頼されるアーティストになるというのはものすごく大きな目標です。ただ単にドームに立ちたいわけではなくて、皆から人柄も音楽もパフォーマンスも信頼された上で立ちたいので、それは今からでも変わらず、WATWINGの音楽は本当に最高ですし、来てよかったって思ってもらえるアーティストでありたいです。
――八村さんの想うWATWINGの魅力はなんですか
- 嘘が無いところだと思います。皆、嘘がつけないようなメンバーなので、だからこそステージ上で上手く取り繕うことができないから練習していなかったら失敗するし、それが怖いと思うから空き時間を使って集まって練習したり。本当に真っ直ぐな奴らが6人集まっていると思ってもらって構わないです。泥臭さと真っ直ぐさがWATWINGの良いところかなと思います。
――WATWINGでの音楽活動だけではなく、俳優業やバラエティの面でも活躍されています。その中でもお芝居の楽しさはどのように感じていますか?
- お芝居と音楽を両方やらせてもらえることはなかなか無いと思っていて、ありがたい経験をさせていただいています。音楽はアーティスト・八村倫太郎として、グループの良さや音楽の素晴らしさを届けていますが、お芝居は僕の良さとかは本当にどうでも良くて、ユウという人間になって『他人は地獄だ』という作品を伝えることこそが僕の使命だと思っているので、伝えるものが違うのかなと思うんです。表現するということは変わらないんですけど目的が違っていて、その面白さがすごくあるなと感じています。お芝居では自分を消すことで役になれると思っているので、だから自分をどれだけ消せるか、「八村倫太郎くんが本当にこれをやってるの?」と思われたらすごく嬉しいです。
――『他人は地獄だ』は、ファンの方はまさにそう思うんじゃないでしょうか
- 印象にないですよね、僕がこういうちょっとダークなトーンでやるというのは。ファンの皆さんの反応が楽しみです。
――最後にファンの方々にメッセージをお願いします
- 僕がこういうテンションの作品をやるというのは結構びっくりされた方も多いんじゃないかと思いますが、全力で向き合っているのでぜひ見てほしいです。今後も皆さんに音楽だけではなくお芝居でも色んな姿を見せていきたいと思いますし、ひいてはWATWINGのメンバーがそれぞれのフィールドで活動していることに繋がっていると思うので、今後も八村倫太郎をよろしくお願いします。
撮影:川島彩水、ヘアメイク:MISU(SANJU)、スタイリスト:三島和也(tatanoa)