――ドラマ『あなたを奪ったその日から』は、一色さんにとって初めてのドラマレギュラー出演となりました。撮影を振り返ってどうでしたか?
3話から登場して、最後まで撮影に参加できるということが初めてだったので、連続ドラマの撮影現場で学ぶこともたくさんありましたし、北川さんや大森(南朋)さんと共演させていただくことができてすごく嬉しかったです。
――オーディションでこの役を掴まれたそうですが、オーディションの時の思い出は何かありますか?
事前に美海ちゃんが明るくてすごく元気な役だということを聞いていて、台本も読んでいて、オーディション当日は6~7人ぐらいのグループで行われました。私より前に演じた子が、すごく明るくて面白い美海ちゃんを演じていたんですね。それで、監督やプロデューサーさんがすごく笑っていたので、このままだと私は落ちてしまうかもしれないというのを感じてしまって、自分の番が来るまで、面白い美海ちゃんはどうやったら演じることができるだろうとか、監督を笑わせるにはどうしたら良いのだろうとずっと考えていました。
――監督に笑ってもらうため、どのように表現したのでしょうか?
オーディションではお小遣いの前借りシーンをすることになっていて、台本には“手を合わせてお願いする美海”と書かれていましたが、監督に「もっとエネルギーがほしい」や「求めている感情を出して良い」と言われたので、お母さんのところまで飛び込んで土下座をするお芝居にして臨んだら、監督がすごく笑ってくださって。それで少し印象に残ったかもしれないなと、達成感があったので、実際に受かったと聞いた時はすごく嬉しかったです。


 

――出演が決まり、台本を読んでどのように役を演じようと思いましたか?
美海ちゃんはすごく明るくて元気で天真爛漫な女の子なんですけど、3歳の時に紘海さんに誘拐されていて。紘海さんが本当のお母さんだと思って生活しているので、誘拐されたという事実や本当のお母さんじゃないということを知った時に、美海ちゃんのいつもの明るいキャラクターとは別の表現があったら、明るいキャラクターがあるからこそ、見ている時にギャップに繋がってより切なく、つらいシーンになるなと感じたので、何も知らない時の美海ちゃんの明るい性格は大事にして演じていきたいなと思いました。
――お芝居をする中で難しかったところはありますか?
第4話で放送された、お母さんと大喧嘩をしてしまうシーンで、そのシーンは反抗期だから怒ってしまったという理由もあるんですけど、管理栄養士として誇りを持って働いているお母さんの姿が大好きだったし、お母さんの料理もすごく好きだったから、仕事を辞めて、相談無しに会社の面接を受けようとしていると聞いた時の美海ちゃんのショック度とか、とにかくお母さんを止めたい気持ちを大事にしたいけど、反抗期で上手く気持ちを伝えられなくて。その怒りのレベルを自分の中でどのぐらいにするのかというところが悩みました。
――ご自身と役で似ているところはありますか?
美海ちゃんは好きなことに一直線な性格なんですけど、私自身も好きになったりハマったものにはそれにしか目がいかないタイプなので、そこは似ているなと思いました。


 

――美海ちゃんは鉄オタ(鉄道オタク)ですが、一色さんご自身は何か没頭しているものありますか?
メイクをすることが好きで、美海ちゃんの鉄道愛と同じぐらいコスメを集めることも好きなので、そういう面では重なるなと思いました。
――撮影現場の雰囲気はどうでしたか?
シリアスなシーンが続く中で、復讐というテーマを描いているドラマの現場とは思えないぐらい、明るくて面白い現場でした。
――お母さん役の北川さんとの共演シーンが多かったと思いますが、北川さんはどんな方ですか?
とにかくすごく綺麗な方で…!終始綺麗な方だなと、惚れ惚れしていました(笑)。あとは、綺麗なだけではなく、面白い方で、スタッフさんと話されている時もツッコミを入れていて、こんな一面もあるんだと、意外な一面を知ることができて嬉しかったです。
――撮影中、北川さんにお芝居の相談をしたり、何かアドバイスをもらったりしたことはありましたか?
後半に感情が溢れるシーンがあったんですけど、そのシーンの撮影の時に、涙は撮影の流れの中でどのタイミングで流すのかとか、そういう感情が溢れるシーンで大切にしていることを聞く機会があって、伺ったところ、「段取りの段階では、メイクが崩れてしまったり、本番で気持ちが疲れて泣けなくなったりしてしまうから、あまり最初に泣きすぎないようにはしているけど、こういうシーンはつらくなって泣いちゃうよね」と、すごく優しく答えてくださって、第一線で活躍されている方のお芝居で意識していることとか、すごく貴重なお話を聞けて嬉しかったです。


 

――大森さんの印象はどうでしたか?
大森さんはすごくかっこいい方という印象があって、最初、私が緊張していてあまり話しかけたらいけないのかな?と感じていたんですけど、大森さんが「学校どうなの?」とか、すごく気さくに話しかけてくださって、撮影の空き時間はずっと大森さんとお話しさせていただいていた時がありました。