
――背中に刺青の入ったビジュアルが出来上がった自分を見た感想はどうでしたか?
- 背中だから自分では見れないので、鏡越しや写真を撮って確認しました。かっこいいなって素直に思いましたね。やっぱり龍とか良いですよね。
――背中の刺青はメイクですか?
- そうです。スプレーでぶわーってやってもらって、2時間半ぐらいでできます。
――刺青が入ることでスイッチが切り替わるなど、感じたことはありますか?
- スイッチはめちゃくちゃ入りますね。あとは、やってもらっている間にアーティストの方とお話しするのが楽しくて。今は和彫りが人気あるみたいです。楽しく過ごしています。
――体も出るということで水抜きの話もありましたが、トレーニングなど何か備えたことはありますか?
- ウエイトトレーニングを1年以上やってなかったので、ちょっとずつウエイトトレーニングを再開しましたね。
――戸塚さんはご自身の肉体を使うことを大事にされている印象がありますが、今回の作品ではどうですか?
- 肉体は今回も意識していて、あくまで自分の中での話ですが、芸術点を常に取りにいっている感覚があります。美しければ良いなというか。もちろんそれだけではなく、ドラマの部分もしっかり落とし込んでいるんですが、やっぱり最初は画で入ると思うので、画になっていれば良いなと思います。逆に言うと、見え方以外はお任せしているというか、映像作品はそういうものだと思って、照明さん、カメラさん、メイクさん、衣装さん、脚本家の方がいて……だから先ほど言った着せ替え人形のようだと思っています。それは皮肉ではなく、自分は素材でしかないというか。例えるなら僕は“鶏むね肉”で、塩コショウや味付けをしてもらわないと、という感じで(笑)。自分のオリジナルと言ったら自分でコントロールできる肉体の動きぐらいで、だからそれをしっかり使えたら良いなと思います。
――まだ撮影が始まったばかりだそうですが(※取材は6月下旬)、現場の雰囲気はどうですか?
- 監督がすごく良い感じに現場を回して、全体の舵を取ってくれる方ですし、映像の現場は皆さん集中力がすごくて、プロフェッショナルな現場に居させてもらっているなと感じます。
――真琴を演じている紺野彩夏さんの印象はいかがですか?
- 笑顔が素敵な方だなというのはずっと思います。クールなイメージがありますが、クールだけど笑顔もすごく素敵です。
――小田切と真琴の空気感を作り上げるのに、何かお話をされたりしましたか?
- そんなにコミュニケーションを取れていませんが、初対面が背中に刺青の入った状態で、なかなかそんな初対面はないじゃないですか?なので、自分としては開けっぴろげな感じで、面白かったです(笑)
――戸塚さんには真琴というキャラクターはどのように映っていますか?
- 人のために動く人なので、素敵だなと思います。あとは、育ちが結構複雑なので、そういった意味でも真琴さんには幸せになってほしいですね。報われてほしいと思います。
――演じる際もそのような想いで真琴さんと向き合っていますか?
- 演じながらだともうちょっと主観的になっているかもしれないです。単純に守りたいとか、真琴さんを悲しませるやつは全員殺す、みたいなモードにスイッチを入れています(笑)
――小田切と真琴は一緒に暮らすようになり、朝食を食べたりする日常のシーンもありますよね
- そのシーンはまだ撮影をしていないんですよね。だから正直言って、日常的なことが垣間見える瞬間とかが、案外演じるのが一番難しいのかなとか思っていたところです。極道みたいな、すごんだりするところはある種脚色されているというか、そういう意味でいけるんですけど、そうじゃない自然な部分はどうしようかな……と。まあ、その時に決めます(笑)
――出演者の中には事務所の後輩・中村嶺亜さんもいらっしゃいます。共演で楽しみにしていることはありますか?
- 良い意味で気を遣ってくれちゃうとは思いますが、なるべくそこの色んなことを取っ払って、しっかり僕も向き合えたらなと思います。
――役柄としては中村さんに追われる立場になるわけですよね
- そうなんです。追われちゃうんですよ。でも、中村くんもそうですし、それぞれが自分の色を分かっていて、自分なりの光り方を持っているので、それを最大限に使ってもらえたら良いなと思いますし、僕はなるべくその邪魔をしないように、シンプルに存在できたら良いですね。
――4年前の主演ドラマに続いて、今回も胸キュンのラブストーリーです。そういう題材のオファーが来ることについては、どのように思っていますか?
- 難しいですよね……。“むずキュン”というのを僕は知らなくて。“ムズイ”“キュンキュン”だと思っていたんですよ。クリアするのが難しい、成就できない、みたいな。極道が恋愛するのは難しいのでそっちかと思っていたんですけど“ムズムズ”だと聞いて、びっくりしました。その言葉は知らなかったです(笑)
――その“むずキュン”を求められているということですよね
- とにかくやり切ろうと思っています。
――これを機にもっとオファーがくるかもしれませんよ?(笑)
- いや、もう無理ですよ(笑)。それくらいやり切ります!これをやり切ったら次は北野映画に出るので。北野映画の冒頭30分で死ぬ役で出たいなって思ってます。舎弟役で!(笑)
――作品の見どころや視聴者の方に楽しみにしてほしいところを教えてください
- 真琴さんがピンチの時とかに、次の瞬間には小田切が現れるという展開が台本を読んでいるうちにだんだんツボになってきてしまって。極道ということで、小田切かっこいいな、というところももちろんありますが、読んでいるうちに世界観に魅了されていきました。なかなか味わえない世界観なのかなと思いまして、見ていただく方によって面白さが違うのかなと思いました。
あとは、真琴さんが苦しんでいる場面や振れ幅に注目してみてください。自分も撮影しながらそこに注目して、モニターを確認して、自分の中で殺意を育てて演じています(笑)
