――映画『君がトクベツ』が6月20日(金)に公開され、応援上映なども行われてかなりの盛り上がりとなりました。周りの方の反響はいかがでしたか?
- 大橋和也(以下、大橋):僕はINIの木村柾哉くんと一緒に観に行ったんですけど、「すごく面白い」と言ってくれました。映画の最後にMVみたいな感じでライクレ(LiKE LEGEND)が踊るんですけど、「こういうアイドルの作品ってなかなか無いからめちゃくちゃ良かった」と。僕も歌いながら観ていました。
――周りの方にバレませんでしたか?
- 大橋:全然バレないです。俺やで!と思っているのに全然バレなかったです(笑)。その中で親子連れの方もいましたし、おじさんがお酒を片手に観てくれていたのもめっちゃ嬉しかったです。
- 畑芽育(以下、畑):私も応援上映など、合計で4、5回は観ています。家族や友人もすごく温かい気持ちになる作品だと言ってくれました。胸キュンだけではなく、後半に差し掛かる中で切ない描写がしっかりと描かれていたので、そういった部分のメリハリも良かったと思います。家族は私が出演した作品をいつも観てくれるのですが、中でも特に好きな作品になったみたいで、すごく嬉しかったです。
――映画のプロモーションで色んな番組に出たり、舞台挨拶に登壇する中で、お二人の掛け合いが兄妹みたいでしたが、それぞれ頼もしいと思った部分などはありましたか?
- 畑:舞台挨拶やお話をする機会をたくさんいただいて、そこで改めて『君ベツ』の話や、一緒にプロモーションをする皆のパーソナルな部分を深く知ることができました。その時間を経て、同じ熱量を持ってこの作品に挑めたことを改めて嬉しく思いましたし、大橋さんに関しては、特にホームの大阪プロモーションで、来てくださるファンの皆さんを盛り上げる力を持っていて、さすがアイドルだなと思いました。
- 大橋:いや、畑さんの裏回しがすごいんです!皆分かっていると思うんですけど、僕がこうやって喋れていたのはちゃんと軌道修正したり拾ってくれたり、次に繋げてくれるのを全部やってくれたりしていたので、僕はほんまに何も考えずに喋ってました。
- 畑:大橋さんは「プリン食べすぎてお尻プリンプリン!」を言ってくれるだけで良いんです。
- 大橋:それだけで良い?大丈夫?それだけでいける?
- 畑:十分です(笑)
- 大橋:そうらしいです(笑)。畑さんはもう頼もしいところばかりですね!裏回しもそうですし、たくさんのお芝居を経験されているからこそ、こうした方が良いよ、と教えてくれたりもしました。傍から見たらお兄ちゃんと妹、みたいな感じかもしれませんが、いざとなった時にはお姉ちゃんと弟のように引っ張ってくれることが多かったので、すごく心強かったです。
――そんな『君がトクベツ』がTVドラマ化され、ドラマはもっと深堀りした内容になっています。ドラマ撮影時に意識したことはありましたか?
- 畑:ドラマの冒頭は映画の振り返りや、映画の中のシーンを抜粋して皇太視点で描かれているストーリーもありますが、第3話以降は2人の恋が成就した後のデートプランや、幸せな様子が描かれています。撮影自体は同時進行で、どのシーンが映画でどのシーンがドラマでというのは、スケジュール的にはバラバラでしたが、2人が結ばれる前と後ではお芝居が全然変わっていると思います。そういった部分を監督と相談して、メリハリをつけながら撮影していました。
- 大橋:実は映画よりドラマのほうがアドリブが多いんです。ドラマの撮影で一度カメラを渡されて、スタッフさんがいない状況でライクレだけで撮影するみたいなシーンもあったので、ドラマは自由度が高いんやなと思って、楽しんでいました。
――ドラマから『君がトクベツ』に触れる方もいると思います。この作品のアピールポイントを教えてください
- 大橋:この作品は、恋愛だけではなく、過去があるから今があるというストーリーもあるので、登場人物一人ひとりのキャラが見えてくる作品だなと思います。それが面白い部分で、皆、キャラが違うので、誰か1人を絶対好きになってくれるやろ!というのはあります。
- 畑:アイドルと普通の女の子がまさかの出会いから恋に発展するという、推しがいる方は一度は夢見るであろうシチュエーションが描かれている作品です。あとは、さほ子にとってすごく新鮮で、輝いて見える芸能の世界を同じ視点で楽しむ方法もあると思いますし、映画よりも個々のキャラクターをじっくりと丁寧に描いているのも見どころの一つです。また、アイドル・アーティスト好きの方にはたまらない、事務所の垣根を超えて集まったメンバーが特別な楽曲を披露する機会もあるので、本当に画面がキラキラしすぎていて見どころが止まらないのですが、映画を見逃してしまったという方でも、ドラマから十分に楽しめる内容になっています。
――ドラマならではの見どころはありますか?
- 畑:好きなシーンはたくさんありますが、毎話共通で言うと、私はオープニング映像がすごく好きです。全部撮り終わっているからこそ、各話のさほ子や皇太、他のキャラクターたちの色々な表情をつまんで作られた可愛らしいオープニングになっています。その中で皇太とさほ子が公園デートに行って、そこでハグをするシーンがあるのですが、カットがなかなかかからなくて、アドリブでハグの勢いのまま皇太がさほ子をぐるぐるとぶん回したんです。そこは使われないと思っていたのですが……。
- 大橋:なんで!(笑)
- 畑:驚きすぎてお芝居できていなかったなと思って(笑)。えー!とか言いながらぐるぐる回っていて、そういったところも映画よりドラマの方が素に近い雰囲気が出ているかなと思っています。
- 大橋:1話から結構素が出ているシーンがあって、さほ子が皇太の家に来てくれた時にハンバーグを作ってくれるんですけど、2人でのやり取りがある中で、作り終わるぐらいのシーンから台詞が無いんです。だけど、お互いの阿吽の呼吸じゃないですけど、畑さんが面白いことを言って、僕が「え?」みたいな。そんなアドリブのシーンがドラマは多かったので、自分たちで自由にやらせてもらっている感があって、そこは見どころかなと思います。
――撮影の中で印象的なシーンやロケ地などはありましたか?
- 畑:冬場の撮影だったので、とにかく寒かった記憶があります。さほ子と皇太がデートをするシーンは、朝から晩までシーパラ(八景島シーパラダイス)で遊園地と水族館のシーンを撮影したのですが、逃げ場が無いので寒さに耐えるのに必死でした。……大橋さんは暑がりでしたね?(笑)
- 大橋:僕はやったー!ですね!
- 畑:私は毎日カイロをたくさん貼り付けて撮影していました。設定的にも冬ではなかったので、しっかりアウターを着られる衣装ではなく、結構薄着だったので、夜の水族館のシーンでは屋内のありがたさを感じながら、魚たちを見ていました。
- 大橋:遊園地と水族館のシーンの撮影で、皇太は意外とロマンチストな部分があって、あるサプライズをするんですけど、これをされたらどう思う?って畑さんと話をしていて、僕はすごく嬉しくて、畑さんも嬉しいと言っていて。だけど、スタッフさんは全員嫌だと言っていて、「嘘やん?こんな派手にしてくれるのめっちゃ嬉しくない?」みたいな感じで、僕と畑さんVSスタッフさんみたいになっていました(笑)
――ちなみに、スタッフさんと意見が違ったというのはどういうシチュエーションだったんですか?
- 畑:皇太くんがさほ子ちゃんに想いを伝えるために、イルミネーションを準備して、バク転をして告白する、という、かなり尖ったシチュエーションです(笑)。でもそれって好きな人からしたらすごく嬉しいと思うし、サプライズはありだよね、という話をしたのですが、「いや、ないね」といった感じで一刀両断でした。
- 大橋:僕もそういうのが大好きな人間なので、対立していましたね(笑)
――バク転のシーンはバッチリ決まったんですか?
- 大橋:バッチリですね!
- 畑:私が寒くて凍えている間に撮り終えていました。こちらにいらして「見た?」と聞かれてしまって、「見逃しました……」と。
- 大橋:僕も何年かぶりにバク転をするとなって、見えないようにマットも敷いてくださったんですけど、「大丈夫です、一発で決めます」と、一発で決めました!
――練習はしたんですか?
- 大橋:してないです!マットの質感だけ触って、大丈夫ですよ!って。バク転は気合いなので!バク転はマジで気合いです。気持ち8割、技術2割、これはマジです。勝手に体が動いてくれるので、あとは気持ちだけです!
――物語の中では色んな妄想シーンが出てきますが、印象に残っているものはありますか?
- 大橋:ほんまに妄想シーンが多いですよね。
- 畑:映画版で皇太くんがブリーフを履いて振り返るシーンがあるのですが、本当は2パターン撮っていたそうです。もう1パターンはどこかで公開されないのかな?とずっと思っています。せっかくなのでドラマでどうにかねじ込めないのかなと。
- 大橋:それは良かったんかな?(笑)。2パターンあります。でも世にはあんまり出したくないようなシーンやから、映画でしか観れないプレミア感は出してほしいなって思いますね(笑)
- 畑:逆にどうしてもう1パターン撮ったのか不思議でしたね。
- 大橋:監督から「もう1パターン、違うポーズで撮りたい。考えて」と言われて、俺!?ってなって、じゃあやりますわってすぐにもう1パターン撮りました(笑)
――今回の共演を通して、お互いに俳優としてここがすごいと思ったところを教えてください
- 大橋:すごいところしかなかったです。僕はドラマと映画を並行して撮影するのも初めてでしたし、全員が同世代でこんなにわちゃわちゃする現場もあまり無かったので、畑さんは場の雰囲気も良くしてくださるし、演技になるとキリッとスイッチが変わって、その上で僕のことも気にかけてくださって。すごく頼りながらやっていました。さすが先輩だなと思いました。
- 畑:本業はアイドルでいらっしゃるので、お芝居の仕事も並行していてかなりお忙しかったと思いますが、現場で元気がないことが無いというか、朝から晩までずっと同じテンション感でいてくださったので、私自身もエネルギーを分けていただいていました。大変なスケジュールだったと思いますが、皇太を演じ切ってくださって、どこにそんな体力があるのだろう?と、フィジカル面での尊敬が強いです。
――ドラマでは1、2話で映画を振り返り、3話からはオリジナルのストーリーとなります。それぞれご自身の役で注目してほしいポイントはありますか?
- 大橋:1話で叶翔(木村慧人さん)が近づいてきて皇太にキスを迫る、みたいなシーンがあるんですけど、結構ギリギリまでいってください!と言われて、口を少しでも動かしたら当たるぐらいの距離で撮影しましたが、僕は笑って仕方なくて。そういう展開が初めてだったので面白いなと(笑)。叶翔のかっこいい顔が近づいてくるんですけど、笑ってしまうことが多かったから、ごめんな、と思って何回もテスト撮影しました(笑)
- 畑:さほ子ちゃんがライクレメンバーにドッキリを仕掛ける回があって、ゴープロを片手に、頭にはカメラ付きのヘルメットを付けて、スタッフ無しで、完全に私がカメラを回したシーンがあります。監督やカメラマンさんに、その映像がちゃんと撮れていることを褒めてもらったのがすごく嬉しくて、カメラマンの欄に“畑芽育”とクレジットを入れてくれないかなと思っています(笑)。そのシーンを楽しみにしていただきたいです!
――ドラマを楽しみにされている方にメッセージをお願いします
- 大橋:映画で描ききれなかった友情や恋愛、過去や裏側のエピソードがドラマではたくさん出てきますが、僕が好きやなと思ったのは、ライクレの友情がたくさん描かれているので、男同士の掛け合いとかを見て笑ってもらえたらと思います。あとは、僕が楽しみなのは叶翔とえみか(矢吹奈子さん)の恋模様はドラマでしか観られないですし、多分観たいと思ってくださっている方がたくさんいると思うので、ぜひ楽しみにしてもらえたらと思います!
- 畑:映画ではさほ子と皇太が結ばれるまでが描かれていますが、それ以降はさほ子と皇太の攻防戦というか、告白されたことを信じがたいさほ子と、想いをしっかり届けたい皇太という、映画では積極的だったさほ子の立場が逆転するような面白さがありますし、ライクレの絆も深く描かれている場面がたくさんあります。深い時間の放送ではありますが、クスッと笑える部分がたくさん詰め込まれていると思いますので、ぜひたくさんの方にご覧いただけたらと思います。
