――撮影を通して発見した、この一面は自分しか見ていないかもしれない、という意外な一面はありましたか?
當真:意外と言いますか、夏の現場だったのもあって、私も汗をかいていたんですけど、潤くんがすごく汗っかきで、それが台詞にも追加されることがありました。
齋藤:そうなんです…。僕が汗をかきすぎて止まらないということで、元々台本には無かった設定を色々仕込んでいただきました(笑)。當真さんは普段はずっと落ち着いていらっしゃるんですけど、ふとした時に出る笑った時の瞬間は、あれ、これは僕しか見てないんじゃないか?と、何度か思いました。それが萌ちゃんと重なって、心が締め付けられる感覚になることがたくさんありました。
――まさに日向のような気持ちになっていたんですね。當真さんは心当たりありますか?
當真:私は全くピンと来ないです…全然分からないです(笑)
――映画の中では様々なデートシーンが出てきますが、一番印象に残っているデートシーンはありますか?
當真:私は雨を降らせるシーンが印象に残っています。最初は萌ちゃんも日向くんも、お互い相合傘をする、という感じで行ったはずなのに、いつの間にか水かけ合戦になって、でもそれが萌ちゃんとしては友だちができたという部分にも繋がり、すごく楽しかったです。
――撮影現場の雰囲気はどうでしたか?
當真:監督には、「カメラで追いかけるから5分くらい皆でわーってやってほしい」と言われて、とにかく全力でワイワイ騒いでいました(笑)
齋藤:5分間、ずっと水を出しながら笑いが止まらなかったです(笑)。僕は個人的にUFOキャッチャーをするシーンが好きです。デートシーンでは初めに撮ったシーンなんですけど、どうすれば良いか分からない中、皆が見守ってくれる安心感と、UFOキャッチャーの楽しさを両立できたなと思っています。


 

――萌と日向の純愛が描かれる中で、周りの友人たちとの関係性も素敵でした
當真:萌ちゃんは今まで病気のことで、家で過ごす時間が多くて、一人で過ごす萌ちゃんもすごく楽しそうだけど、そんな彼女が一番求めていたものが親友だということで、自分の中で大きなものだったのかなと感じています。実際、麗ちゃん(池端杏慈さん)と話している萌ちゃんはすごく楽しそうで、もちろん両親とも色んなことを共有していたと思うんですけど、同い年の特別な存在で、麗ちゃんにしか話せないこともたくさんあっただろうなと思うので、すごく心強くて大切な存在だったなと思います。
齋藤:僕も原作を読んだ時から日向くんとカワケンとフーヤンとの仲の良さを感じていたので、実際に(吉澤)要人くんと(黒崎)煌代くんとどういう風に関係を築けるかなとすごく緊張していたところもありました。でも実際にお会いして、僕が自然体でいられることが、日向くんとカワケンとフーヤンの持つ雰囲気に近いのかなと感じられていたので、それがそのまま映画の雰囲気に出ていたんじゃないかなと思って、すごくホッとしました。
――映画の中に出てくるストロベリームーンのように、お二人が一生のうちに見てみたいものはありますか?
當真:私は白夜とか、日本じゃ絶対に見れないものを海外に行って見てみたいなと思いました。今、パッと浮かんだのが白夜でした。そういう幻想的なものを学校の授業で習う時に、習うだけではなく自分で見たいなと思って、オーロラもそうですし、砂漠も行きたいなというのはすごくあります。
齋藤:僕は富士山に行きたいと思っていて、頂上に登ってご来光を生で見てみたいなと思いました。


 

――完成した作品を見た感想はいかがでしたか?
當真:私は自分が演じていたというのもあって、萌ちゃんの目線でずっと映画を見ていたんですけど、台本ではもちろん読んでいても、自分がいないシーンというのはすごく衝撃が大きくて。特にお父さんとお母さんが二人だけのシーンや一人ひとりのシーンは、現場ではユースケ・サンタマリアさんも田中麗奈さんも、萌ちゃんといる時は笑顔のシーンがほとんどですし、お二人とも現場にいる時は明るく気さくな方で、よくお話ししていたんですけど、そんなお二人の表情を見ると、心がつらくなりました。
齋藤:僕はとにかく温かい気持ちになったというのが一番です。たくさんの愛が、2時間の中に詰まっていて、温かさや幸せな時間がたくさんの方に届けば良いなと思いましたし、萌ちゃんが日向くんにかける言葉に、僕自身も勇気をもらえて、背中を押してもらえた感覚になりました。
――お二人にとって映画『ストロベリームーン 余命半年の恋』はどんな作品になりましたか?
當真:私にとっては長編映画の実写作品で初めての主演ということで、すごく思い入れのある作品になりましたし、しっかりとした恋愛の作品をやったことがないというのもあり、役作りの中でも気持ちの作り方や表情を意識することなど、考えることがこれまでと違っていたので、お芝居の幅がまた一つ広がる良い経験をさせていただけたと思っています。
齋藤:僕も新しい挑戦ばかりで、役に向けての準備の仕方や考え方みたいなものは、自分の今後に大きく関わってくるんじゃないかなと思っています。役を生きることの大切さや、相手に伝える心が持つエネルギーをこの作品だからこそ感じられたと思います。なので、この作品を経験して得たことや発見した自分の課題を今後に活かして、より良い作品を作っていきたいと思いました。



撮影:秋葉巧
ヘアメイク:SAKURA(makiura office)(當真あみさん)、JANE(KIND)(齋藤潤さん)
スタイリスト:大村淳子(當真あみさん)、岩田友裕(齋藤潤さん)

衣装クレジット
<齋藤潤さん>
シャツ:arenotis \31,900 問 info@arenotis.com
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