――まだ撮影が始まって数日ということですが、撮影現場でそれぞれの姿を見て、意外な一面やこれまでと印象が違った部分はありましたか?
阿部:川津さんと二人のシーンで、ちょっと現場が押していて、急いでいる時に僕が走っていたので走らせてしまったと思うんですけど、小走りで来られたのが好意的でした。
川津:そうでしたっけ?(笑)
阿部:スタッフさんも気を遣って「走らなくていいんだよ」って言ってくださるんですけど、それだけで士気が上がるじゃないですか?だから、素敵だなと思いました。
幸平は、面白いというのがめちゃめちゃ強いですよね。最初はすごく真面目でクールな印象を持っていたので、話していて面白い人だなと思って、居心地が良いです。
樋口:この作品で共演する前からお二人のことを知っていました。印象として、明日香ちゃんは性格の明るさやよく笑う表情が顔ににじみ出ているタイプで、「こういう顔になるのは人柄が出ているからなんだな」と思っていました。実際、現場で一緒になってもその印象のままで、とても素敵でした。
一方で、顕嵐くんは結構ミステリアスな顔立ちじゃないですか?

阿部:顔は怖いってよく言われるよ。
樋口:だから、どっちなんだろうと……。もしかしたら「……っす」みたいな。
阿部:そういう時期もありました(笑)
樋口:どんな方なんだろうな?と思っていたんですけど、実際会うとすごくフランクで、穏やかで。撮影の数日間でも、常に周りを気遣いながら、落ち着いて雰囲気で話してくれましたので、ミステリアスなイメージでしたが、実際は本当に良い方だな、と思いました。
川津:顕嵐くんはとても健康志向で、本読みの時に小さい何かを飲んでいて、「何を飲んでいるんだろう?」って本読みをしながらずっと思っていたんですけど、抹茶だったらしく、健康に気を遣っているのが意外でした(笑)
幸平くんは、共演させていただく前にインスタを見たりしていましたが、それとは想像がつかないぐらい面白いというのが一番強いかもしれないです。あとは、ささっと話しても通じやすいのは、相手役として頼もしいし助かるなと思いました。
――樋口さんと川津さんは過去に特撮作品に出演されていて、阿部さんもドラマや映画、舞台と幅広く活躍されていますが、役を演じている際の切り替えはどのように行っていますか?役を引きずってしまうようなことはありますか?
樋口:原作の作品で役を引きずるのはあまりありません。オリジナル作品の場合、例えば悲しい話のドラマだと、自分が感情を0から100%作り上げていく感覚があって、台本以外に頼れるものが無いんです。一度だけ、オリジナル作品で役を引きずってしまったことがあります。一方で、原作の作品は、すでにそこから得られる情報が大事になりますし、それをどう表現するかに集中できるので、役を持ち帰って、キツイな、となったことは無いです。だから、今回もきちんと演じていけているような気はしています。
川津:台詞と原作に自分を近づけて持って行く感覚が強くて、深掘りもしますが、どうやって短時間で自分をその感情に持って行くかという感じなので、この役の場合は感情を湧き立たせるというより、勢いで持って行く部分もあるので、帰ってから疲れちゃったな、というのはあるかもしれないです。

樋口:準備の差もあると思います。急遽パッと渡されることもありますし、準備させてもらえる時間が長ければ長いほど、そうなりやすい気はします。
阿部:そうですね。特撮の時は家に帰ってもずっとヒーローだったんですけど、今は歳も重ねたので……あ、僕、特撮はやったことないです。
川津:そうだよね!?今、私なんで知らないんだろうって思って焦ってた(笑)
阿部:フルジョークです(笑)。基本的に、現場ではなるべく役に近い形で居ようかなとは思います。だから、本当に悪い役だったら現場でも近い形で居ようと心がけている程度です。役には引っ張られないですし、家ではほぼ台本は見ません。家は完全プライベートみたいな、仕事のものを持ち込まないように、仕事道具は一切無いんですよね。玄関出た時から仕事モードに入る、というように分けているので、メリハリがある生活ができていると思います。

――恋フレは“恋愛のおいしいところだけを楽しむ関係”ですが、皆さんが美味しいとこ取りしたいことはありますか?
阿部:僕は、レストランに並ぶのが本当に嫌いなんです。ご飯を食べる前に並べない人なので、そこだけは美味しいとこ取りしたいかなと。遊園地とかに行って並ぶと、乗った時の楽しさが倍増したり、待ち時間も面白かったりするじゃないですか。だけど、ご飯を食べる前の行列は本当に要らないと思っていて、お腹が空きすぎるともういいかな……となってしまうので、お腹が空いた時に食べたいです。
樋口:移動の瞬間ですかね。僕は特に飛行機には、つらい思い出しかなくて。この前アメリカのノースカロライナで仕事があって、19時間エコノミーで、腰が痛くなり、身動きもなかなか取れず……過酷な移動時間になってしまいました。
阿部:身長も大きいからね。
樋口:飛行機は美味しいとこ取りで、目を瞑って開いたら目的地に着いていてほしいですね。
――19時間はどうやり過ごしていたんですか?
樋口:45分くらいトイレの前でストレッチしました。そうしたら「何してるんですか?」って言われました(笑)
川津:私は結構せっかちなので、目的地が見えたらピュンっと移動したいです。自分の足が追いつかなくて、転びそうになっちゃう時があるんです。現場でも、椅子があっちにあるけど、歩くのが面倒だなって時にぐっと一瞬で瞬間移動ができたらいいなって思います(笑)

※スタッフクレジット※
<樋口幸平さん>
ヘアメイク:齋藤将志、スタイリスト:ryo sugiyama
衣装クレジット:ジャケット¥219,000、シャツ¥74,000、パンツ¥108,000(全てpeter wu/問い合わせ先 エム TEL 03-6721-0406)
シューズ¥88,000(DISCOVERED/問い合わせ先DISCOVERED TEL 03-3463-3082)
 
<川津明日香さん>
ヘアメイク:エノモトマサノリ、スタイリスト:藤井エヴィ
 
<阿部顕嵐さん>
ヘアメイク:礒野亜加梨(akari isono)