――お互いをよく分かっているお二人ですが、役と共通している部分と逆に全然違うと思った部分を、相手のことについて教えてください
冨田:共通しているのは、照れた時の仕草というか、原作の湊と、実際にNAOYAに「可愛いね」とか言った時の照れ方がすごく似ていて、そのままだな、というところがありました。
――どういう時に「可愛いね」と伝えたんですか?
NAOYA:言われたことないけどな?
冨田:……言ったことないか?(笑)。でも、プライベートで遊ぶことも多いんですけど、その時の素のNAOYAと、今回、遊園地で撮影させていただいたシーンがあったんですけど、そこで楽しんでいるところもすごく似ていて、良い意味で素の時が湊らしいなと感じました。違うなと思ったのは落ち着き度なんですけど、NAOYAは常にイェーイ!みたいな感じで、湊は逆にツンツンした時は自分のテリトリーに入ってくるな、みたいなところが全然違うなと思いました。
――NAOYAさんから見て冨田さんはどうですか?
NAOYA:静真くんはすごく優しくて、何を言っても許してくれるというか、ワガママな湊を愛で包んでくれるところがすごく魅力やなと思っていたんですけど、それはあります。僕、結構ワガママなんですよね(笑)。だけど、それも優しく許してくれて。例えば、撮影中に僕が「タピオカ飲みたい!」ってタピオカにすごいこだわっていたんですよ。そうしたら、「これ買ってあげたよ」ってタピオカを買ってくれたんです。申し訳ないなという気持ちと同時に優しいなって。嬉しかったです!
冨田:申し訳なさはなかっただろ(笑)
NAOYA:違うところは、静真くんは愛をストレートに伝えてくれるところがあるんですけど、(侑暉は)意外とツンデレで……。「今日可愛いかな?」みたいなことをよく聞くんです。そうしたら「全然可愛くないよ」とか、返しが冷たいのが違うところかなと思います。
――でもさっきの話だと、言わないけれど可愛いと思っているってことですよね?
冨田:そうですね。
NAOYA:それが分かっちゃうんですよね~!


 

――今回共演してみて、お互いのお芝居で素敵だなと思ったところがあれば教えてください
NAOYA:声が素敵だなって。クランクアップ前に本人にも伝えたんですけど、語尾にすごいセクシーさを感じて、静真くんの内に秘めているセクシーさが語尾に出ている感じがしていて、これがオシャレでかっこいいなと思ったので、そこが好きだよって伝えました。
冨田:そうですね、伝えられました(笑)。自分は、NAOYAの演じる湊の表情がすごく儚くてきれいだなと思って。ドラマのシーンの中で、静真と湊が上手くいかない時があるんですけど、その度に自分の思い通りにならない時の表情が、クランクアップに近づくにつれ、上手くなっていると言うと上から目線になってしまいますが、こちらも入りやすかったですし、すごく素敵だなと思いました。
――それはNAOYAさんには伝えていたんですか?
冨田:これは伝えていません!今、初めて言いました。
NAOYA:嬉しいです!
――演じる前に楽しみにしていたシーンはありましたか?
NAOYA:湊が実家に一人で行くシーンがあるんですけど、撮影に入る前から、原作でもその屋根裏部屋のシーンがすごく好きな部分だったので、湊の気持ちを見てくださっている皆さんに伝えたいなと、どう表現したいかなと思っていました。湊の過去にここで何があったんやろうって考えたり、トラウマの場所に行くって辛いことやけど静真くんと行けたんやとか、色々考えたりしながら撮影することができて、より湊の過去を自分が体験できたことで、演技にも入りやすかったです。
冨田:自分は遊園地のシーンです。物語としてもそこから湊と静真の展開が動き出すシーンでもありますし、アトラクションにいっぱい乗るというのを事前に聞いていて、二人ともジェットコースターが好きなので、仕事で何回も乗れるなんて最高だなと、それを楽しみにしていた思い出があります!
――撮影の中で印象的だったシーンがあれば教えてください
NAOYA:大好きな屋根裏部屋のシーンで、これは裏話なんですけど、その屋根裏部屋がこれでもかってぐらい暑くて、これはもうびっくりでした!カットがかかる度に下に降りて涼むぐらいでした。それが印象に残っています。でも本当に僕が大好きなシーンだったので、すごく大事に撮りました。すごく綺麗に撮れていて良かったです。
冨田:自分は、静真が湊に賭けをされていたというのを知るシーンです。監督さんに二人とも「本当に上手かった」と褒めていただいて、本当に良かったです。自分の中でもそうですし、物語の中でも起承転結で言う転の部分でもあるかと思うので、すごく印象深い撮影シーンでした。


 

――本作には湊と静真以外にも魅力的なキャラクターが登場しますが、それぞれお気に入りのキャラクターはいますか?
NAOYA:僕はあすかちゃんですね。井手上漠さんが演じているんですけど、現場で1日目から仲良しになって、休憩中や自由演技の時もずっと喋っているぐらい仲良くなりました。あすかがそのままのあすかだったのでやりやすかったですし、キャラクターとしても大好きです。
冨田:自分は近澤と巽です。大学の友だちで、自分自身、上京してから学生生活は全然なかったので、久々に学校内の雰囲気で同級生と話している感覚を味わえたのがすごく嬉しかったです。阿久根温世くんと小西詠斗くんが演じてくださったんですけど、ずっと仲良くさせてもらっていて、本当にただの休み時間みたいな会話をしていたので、静真としても冨田としても大好きな二人です。
――本作の見どころを教えてください
NAOYA:原作のファンの方はもちろんですが、初めてこの作品を観る方も、誰もが共感できる部分があると思います。誰しもが抱えている自分の言えないこと、自分の非だと思っている部分が愛されて、愛の形になって自分も好きになれて成長していくんだと、愛がたくさん詰まった物語だと思うので、皆さんにぜひ観ていただきたいです。
冨田:自分らしく生きるって、多分こういうことなんだなと思わせてくれる作品です。静真と湊にフィーチャーした作品ですが、この二人に限らず、たくさんの方に共感してもらえる作品になっていると思います。ぜひ楽しんで観ていただけると嬉しいです。
――最後に、楽しみにしている方々へメッセージをお願いします
NAOYA:原作をすごく大事に、たくさん話し合って、僕たちができる精一杯でこの『セラピーゲーム』という作品を作り上げたので、ぜひ楽しんでいただきたいです!
冨田:とにかく原作が素晴らしいので、原作ファンの方をはじめ、ドラマのファンになってくださった方も、この作品を愛していただけると、自分たちも静真と湊として生きてきた甲斐もありますし、原作の漫画とドラマが伝えたかった思いがすごく伝わると思うので、そこを楽しんでもらえたらと思います。

撮影:泉健也