――久しぶりの舞台の感触はいかがですか?
やはり、4年間のブランクは大きいんだなと思いました。“舞台はどうやって創られるんだっけ?”、“私はどうしてたんだっけ?”と戸惑ってしまって(笑)。出演者の方とも、稽古が始まるまでお会いしたことのない方が多かったので、不安と緊張で逃げちゃいたいなと思いました(笑)。
――でも、今は稽古を始められているんですよね?実際の現場の雰囲気はいかがですか?
皆さん、良い方達ですよ。昔から思っていたんですけれど、舞台に出ている方は“ホット”な方が多くて、今回も暖かい空気に包まれている稽古場ですね。稽古期間が短いので緊張感はあるんですが、わきあいあいとしています。演出の先生がいらっしゃるんですが、その先生の持っているパワーが凄く愛にあふれていて、みんながその愛に包まれているような感じです(笑)。
――南里さんの役どころについて教えていただけますか?
私は、本間ユリという高校生で、お父さんを早くに亡くし、お母さんと二人で生活をしている17歳の女のコの役です。ユリのお母さんは、ユリにあまり心配を掛けまいと言葉少なく、夜遅くまで一生懸命働いているんですが、一緒にいる時間がないが故に、ユリはお母さんに愛されていないのではと考えてしまうんです。自分自身のことも好きではなくなり、周囲にも心を開かなくなってしまった孤独な女のコの役なんですよ。

――どんなストーリー展開なんですか?
孤独で、自分自身にも諦めてしまっている女のコなので、学校でもいじめられるんです。そんなある日、ユリは交通事故に合ってしまうんです。死ぬか、生きるかの狭間で、ユリの魂を天国に運ぶ3人の天使に出会い、自分がいかにお母さんに愛されていたか、周りの人に思われていたかということに気づいていきます。愛や夢をテーマにした舞台ですね。
――ユリを演じられて、ご自身とリンクする部分はありましたか?
私も高校生くらいの頃は、友達との関係や好きな人が出来た時の悩みがあったので、共感できる部分はありました。私もユリもマイペースなタイプなので、自分の中で問題を抱えて悩んでしまうところもリンクするのかな・・・。でも、悩みの度合いがユリとは違うんですけど(笑)。
――この舞台で注目してもらいところは?
天使と人間のお話しなんですが、実際に天使のような、人間の目に見えない何かに私達は守られているんじゃないかなと思うんですよ。その、天界という清らかで暖かいイメージがどうやって舞台上で描かれるのか、私も楽しみで(笑)。舞台がとても広いので、演出方法やセットにも注目していただきたいです。それとこの舞台を観て、見失いがちな親の愛や友達や恋人のハートというものに気づくきっかけになると嬉しいですね。