――同一人物でありながら、良いジョーと悪いジョーの2種類を見せていくというのは、役作りも難しいですよね。
そうなんですよ、必死です(笑)。人間って、良い所も悪い所も併せ持ってますからね。だから、いかに人間らしさを出すかというところに重きを置いています。悪いジョーは片口を上げながら鼻で笑う感じで、良いジョーはワンテンポ遅れているけど憎めない、そんなキャラクターをはっきり見せながら、人間らしさを出したいと思っています。
――80年代のUKロックシーンを代表するスカバンド・マッドネスの曲でストーリーが展開していきますが、中川さんにとってスカは初体験ですよね?
そうなんですよ、よくぞ聞いてくれました(笑)。 この作品をやりかった理由の一つで、このマッドネスの音楽は、僕が取り入れたいと思った音楽だったんです。レコード会社の方から、覚えやすく歌いやすい曲をという凄く難しい課題を投げ掛けられて(笑)。マッドネスの曲は、すごくポップなんですよね。明るくて、ノれて、心地よく流れるビート感も良い。でも、覚えやすくてノれるだけではなく、歌の内容も社会や愛、家族に対してメッセージがしっかり込められていて、胸に突き刺さってくるんです。

――歌はもちろん、ダンスもありますよね。『OUR HOUSE』公式HPのG2さんのブログに、「振りが可愛すぎる。ずるい。と思った。」と書かれていましたが(笑)。
振り、苦手なんですよ(笑)。練習も大変だし、時間も決められてるじゃないですか。その中で、膨大な振り付けを覚えないといけないので・・・。体に入ってしまえば大丈夫なんですけど、入るまでがねぇ(笑)。頭で考えちゃダメだと思っているんですけど、カウントをとって始めると、右っ左っ・・・ってアタフタしちゃうんです。「感じるままに、歌と同じように踊ればいいんだよ。」とアドバイスされて、「そうですよね!」と納得するんですけど、右っ左っ・・・って(笑)。そのアタフタぶりがG2さんにとって可愛いなと思ったんでしょうね、僕は必死なんですけど(笑)。
――では、最後にこの舞台で注目して欲しいところを、読者の方に。
いっぱいあるんですけど・・・、僕のダンス(笑)!ウソですけど。一幕のラストと二幕の後半は、ストーリーが展開する部分なので注目です。例えば・・・、もしかしたらこの発言で女性を敵に回してしまうかもしれないですが、女性が買い物をする時のように気持ちがどんどん移っていくんです。何で、そんなに変われるの?というくらい、ストーリー展開が激しく、“良いジョーのはずなのに、なんで?!”とか、“悪いジョーなのに・・・”とお客さんを煽るんです。そこに、この作品の面白さがあるんでしょうね。でも、今上映されている、映画『ダヴィンチ・コード』のように謎が詰め込まれていて、一言一句聞き逃せない、という作品ではないので、シンプルに観て自分なりに消化してくださったら嬉しいですね。シンプルというのをキーワードにして観るてもらいたいです。