――dTVオリジナルドラマ『liar~すれ違う恋~』に出演が決まった時のお気持ちを教えてください
すごく嬉しかったです!今回演じさせていただいたナオは髪型がショートカットで『星の王子さま』という本がすごく大好きな女の子っていう役柄だったんですけど、お話が来たのがちょうどデビュー12周年の時で、新たな気持ちでっていう意味も込めながらショートカットにしたタイミングで。しかも『星の王子さま』も大好きな本だったので、もしかしたら運命かもしれないなと思っちゃいました。
――台本を読んでみた感想はいかがでしたか?
地上波で放送されている『liar』もそうですが、1話ごとで視点が変わるのがすごく面白いなと思いました。1話では男性視点だったのが、2話ではシーンもセリフもほとんど同じなんですけど、女性視点になって女性の心の声が加えられていて。そういう意味で台本も通常の台本とは少し違っていて、「#1の裏」って書かれていました。また、撮影では男性視点と女性視点を一気に撮っていたので、台本もですけどすごく新鮮な現場でした。

――日比さんが演じるナオの役柄は?
ナオは何不自由なく暮らしているお嬢様なんですけどその自分が好きというわけではなくて、本当は運命の恋の相手を探していて、親に敷いてもらったレールの上では生きていきたくないけど自信がないっていう役です。
――演じる際に気をつけていたところやこだわりは?
夜のバーに行くシーンがあるんですけど、そこでは生き生きとしているんですよね。ナオが本当にしたかったファッションやメイクで、雰囲気がガラッと変わっているんです。ヘアメイクも変えたりしているので、コロコロと見た目が変わる分、自分の気持ちだったりとかもすごく繊細に演じていくことを大事にしました。
――髪型がショートカットであったり、『星の王子さま』が好きといった共通点がありましたが、他にご自身と似ている部分はありましたか?
最初はあまり共通点が無いなと思っていました。でも台本を読み進めていると、恋をしていると言いたいことが言えなくなったりとか、少しのことで悩んでしまうとか、そういう部分はすごく気持ちが分かるというか、同じところはあるかもしれないなと思って、その共通点を見つけながら、ヘアメイクや衣装の力を借りて自分がナオに歩み寄ったりする時もあれば、自分の今までの実体験でナオに歩み寄ってもらったり、っていう時間がありました。
――ナオが想いを寄せる出野司役を演じたのは古川雄輝さんです。古川さんはどんな方でしたか?
普段はすごくクールな方だなって印象だったんですが、監督とディスカッションされている時に自分の想いを的確に伝えられる方で、筋が全て通っているんですね。曖昧な部分が何一つなくて、そこにすごく憧れたというか、素敵だなと思いました。私も古川さんのような言葉選びが出来るようになりたいなと思いましたし、現場でも何度も助けていただいて、感謝の気持ちでいっぱいです。
――撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?
とにかく皆で一つの良い作品を作って行こうっていう熱のある現場でした。今までの現場では監督の意志が主軸で動いて行くので「こういう表情を撮りたい」とか「こういう心情で動いてほしい」という指示を受けて撮影をしていたんですけど、今回は監督の方から「どうしたい?」って聞いてくださったんです。衣装合わせから「この衣装とこの衣装で迷っているんだけど、このシーンはどっちが良い?」とか。
――日比さんの意見を聞いてくださったんですね
そうなんです。すごくディスカッションしてくださって、そういう現場が初めてだったので最初はちょっと戸惑ってしまったというか、自分が思っていることを言葉にするのが難しくて監督に甘えてしまった部分もあったんですけど、少しずつ現場に慣れていって、言葉をたくさん付け加えず、ただ自分がこうしたいとか、こういうものを作りたいってシンプルに伝えることが大事なのかなと思いながら、試行錯誤しながら撮影していました。

――撮影中に印象に残っているエピソードは?
元々私は気が弱い方なので、新しい現場とか初めましての方にお会いする時はちょっと様子を見てしまうんです。この人は今どう思っているのか、どういうことを言われたら嫌なのかなとか考えてしまうんですけど、今回はそういうことを考えているうちに現場が終わってしまったんです(苦笑)。尊敬しているキャストの方々やスタッフさんばかりで何か一つでも吸収したいと思って動きを見ていたり話しているところを聞いたりしていたら、まるで現場の座敷童のようなずっと立っている女の子みたいになってしまったので(苦笑)。次、いつか皆さんとお会いする時は、もう少しコミュニケーションを上手く取れるように頑張りたいです。
――作品のタイトルにちなみまして、最近ついてしまった「嘘」はありますか?
そうですね……基本的には嘘はつかないんですけど(笑)。最近ついてしまった嘘は、私の実家は2階に私の部屋があるんですけど、ドアを閉めたら部屋の中は見えないんですよね。だからバレないかなと思って、お母さんに「ちゃんと片付けしたよ」って言ったんですけど、本当は片付けてなくて洋服が散らばってます(笑)。でもいつか片付けます!
――作品の見どころや注目してほしいポイントを教えてください
『liar~すれ違う恋~』は、古川さんが演じるあることが理由で恋愛に前向きになれない出野さんと、私が演じる運命の相手を探しているんですけど、親の敷いたレールから一歩踏み出す勇気が出ないナオが恋に落ちて一緒に10日間を過ごす切ない物語です。二人が最終的にどんな選択をしたのかはドラマを最後まで見ていただきたいんですけど、二人ともすごく前向きな気持ちで終わります。どんな形であれ、一歩勇気をもって踏み出せばそれが自分の中で大事な時間になると思います。見てくださる方もきっと恋愛で一歩踏み出した経験があるのではないかなと思うので、キュンキュンしながら楽しんでいただけたらなと思います。