――3月17日より公開される映画『キトキト!』にご出演されていますが、簡単にストーリーと平山さんの役どころについて教えてください。
この物語は、母と息子と娘の家族愛がテーマになっています。富山県の高岡市が舞台になっているんですが、私が演じる、娘の美咲は男と駆け落ちをし東京でキャバクラ嬢になり、石田卓也くん演じる息子の優介もつまらない田舎から東京に漠然とした憧れ抱き上京し、ホストをするどうしようもない子供達でなんです。そんな離れていった子供達にも、大竹しのぶさん演じるお母さんはずっと愛情を注ぎ続け、そして子供達もお母さんの愛情に気付いていく、という物語です。
――美咲を演じるとき、どんなことに気を使いましたか?
美咲は、不良だったり、キャバ嬢だったり、普通の女のコだったりと色々な顔を見せるので、そのときどきの雰囲気を大事にしました。でも一番大変だったのは富山弁ですね。ひたすら英語を覚えるように、先生に吹き込んで頂いたテープを聞き、ひたすら頭に入れていました。イントネーションを覚えたら、今度は自分なりに話してみるという繰り返しで・・・。難しかったです。

――でも平山さんもキャストの方も自然でしたよね。
皆さん、相当苦労されたと思いますよ(笑)。
――平山さんにとって印象深いシーンはどこですか?
母親にぶたれるシーンです。本当にぶたれてるんですよ、3回ほど(笑)。でも、そうしないと観ている人にも伝わらないと思いますし、私もちゃんと気持ちを入れてお芝居をしたいと思っていたので。そのシーンは、大竹さんが私の事をジッと見つめて涙を流しながら叩くんですけど、それが本当のお母さんのように思えて感動し、心から演技することが出来ました。
――大竹しのぶさんとご一緒にお仕事されていかがでしたか?
普段の大竹さんから、役に入るときの切り替えが素晴らしいんですよ。他のお仕事でもご一緒したことがあるんですが、大竹さん特有の“かわいらしさ”で現場を和ましてくれたり、笑わせてくれたりするんですけど、撮影が始まると一瞬で役に変わる。その集中力は凄いなと思います。

――優介役の石田卓也さんとは、お話されましたか?
石田くんとは撮影が進むに連れていろんな話したんですけど、可愛くて無邪気なところがいっぱいあって。実際私は弟がいないんですけど、もし弟がいたらこんな感じなんだろうなと思いました。
――現場も楽しそうですね。
そうですね、本当の家族みたいで楽しかったです。
――この作品に出演して、何か感じたことはありましたか?
私も親と離れて暮らしているんですけど、毎日電話やメールが来るんですよ。「ごはん食べたの?」とか(笑)。一緒にいる時は、「うるさいなぁ、大丈夫だよ!」と言ってしまうこともあったし、離れた後も、嬉しい気持ちもあるんですけどちょっとうるさいなと感じたり。でもこの作品に出会ってから、“もっと親孝行しないとな”と思いました。だから、親が東京に来たときは、時間がある限り一緒にいて、ご飯を食べに行ったり、買い物に行ったりするようになりました。小さなことですけど、意識が凄く変わりました。