――7月より帝国劇場にてミュージカル『ミス・サイゴン』が公演されていますが、ソニンさんの役どころを教えて頂けますか?
ベトナム戦争時のお話で、私は南ベトナムに住む少女・キム役で出演しています。親をなくし、職もなかったので、売春婦として働くんですが、そこで出会ったアメリカ兵のクリスと出会い恋に落ち、一途に愛を貫いていくお話です。
――『ミス・サイゴン』といえば過去にも何度か公演され、好評を博しているミュージカルですよね。演じるにあたってプレッシャーもあったと思うのですが。
大作という意味でのプレッシャーと、過去の公演で本田美奈子.さんが出演されて『ミス・サイゴン』といえば本田美奈子.さんというイメージを持っていらっしゃる方が沢山いると思うので、キムを演じるにあたっても多少プレッシャーは感じました。でも始まる前のプレッシャーより、始まってからの方が大きかったですね。素晴らしいミュージカルなだけにレベルが高くてハードだし、公演が始まった今でも、毎日前に進もうと頑張っています。
――役作りはどのようにされましたか?
映像とか写真とか、ベトナム戦争の資料は沢山残っているんですよ。だから、そういったものを読んだり、映画を観たり、あとはベトナムやタイに行ったり・・・。実際にいろいろなものを観て感じても、どれが役作りのためになるかなんて演じてみてからでないと分からないので、その時に出来ることは全部やっておきたいんです。何が得られたかは後になって気付くものだと思うので。

――色々なところから情報を得て、作り上げていく感じなんですか?
そうですね。ただ、得た物をかき集めて作り込むのではなく、それをヒントに自分が持っているものを引き出して、自分のキムを作っています。
――キムを演じていて、リンクする部分はありますか?
一言で言うとキムはとても芯の強い女性なんですが、もともと持っていた強さというよりは、時代や環境がそうさせたのかなと・・・、そういうところは、似ているなと思います。だから、キムを演じる上でも“人生頑張ってきて良かったな”って(笑)。その共通点は助けになります。
――公演期間がかなり長いですが、気をつけていることはありますか?
やはり喉は気を使いますし、食べるものも気をつけてます。それと腹筋と背筋ですね。舞台をやっている人は、皆さんやっていると思いますけど、それがないと持たないんですよ。特に、今回のミュージカルはかなりハードなので、喉と体力がないときっと演じきれない役だと思います。
――この『ミス・サイゴン』で注目してもらいたいところは?
やはり、音楽は見所の一つです。それと、現代の日本の状況とはかけ離れている“戦争”というものの悲惨さや残したものや、この作品のテーマでもある“究極の愛”をさまざまな形で、多くの人の心が動いてくれたらいいですね。
――特に観てもらいたい人はいますか?
特にですか。そうですね・・・、若い世代の人が観て、どう感じるのか興味はあります。って言っても私も若いんですけどね(笑)。もう気持ちはキム側の人間になっているので(笑)。
――では最後に、今後どんな活動をしていきたいですか?
役者も歌手も、どちらも好きなので続けていきたいです。歌手の仕事が今はお休みになっているんですけど、また始めたいなぁと企んでいます(笑)。