――デビューのきっかけは?
当時SPEEDのファンで、チケットが取れてコンサートに行ったんです。大きな会場で私と同じ世代の女のコが舞台の端から端まで走ったり、歌ったり、踊ったりしている姿を見て、“自分とは全く違った世界の人たちだなぁ”と衝撃を受けて。
――昔から歌手になりたいと思っていたんですか?
中学生くらいから歌は好きだったんですけど、歌手になろうとは全く思っていませんでした。その頃は、パティシエになろうと決めていたんです。でも、好きなお菓子作りも仕事にすると違うかもと思っていたところにSPEEDのライブがあって、その日に歌手になろうと決めました。
――ご家族はびっくりされたんじゃないですか?
オーディションを受けたことは知っていたようなんですが、基本的に反対はしませんでしたね。お父さんは、高校を卒業してから・・・と言っていたみたいなんですけど。

――一番最初のお仕事は憶えていらっしゃいますか?
フジテレビの『笑う犬の冒険』という番組で、バックダンサーとして踊っていました。ガチガチに緊張していて、怒られた記憶があります。
――いろいろなお仕事をされてきていますが、一番辛かったことは?
仕事をしていて大変だったことはいっぱいありますけど、敢えて上げるとしたら、マラソンをしていた時期かなぁ。あの時期にやっていた“修行モノ”みたいなのは、精神的にも体力的にも辛かったですね。
――かなりハードなこともやっていらっしゃいましたよね。“もう芸能界を辞めたい”と思ったことはありませんでしたか?
ありましたよ。でも、本当にちょっとだけ。何もかもが上手くいかなくて空回りしていると思ったり、順調に行かないとき、弱音を吐きそうになりましたけど、1、2回かなぁ・・・。 いろいろな場面で厳しい状況はありますけど、それに負けて夢が崩れるのは悔しいし、自分の思いが叶うまでは何があっても辞めたくないと思っているので。
――仕事をしていて良かったと感じる瞬間は?
これは、いっぱいあるなぁ。今、公演している舞台もそうですけど、命を掛けて演じているものに対して『凄く感動した!』と言ってくれると嬉しいです。 私の場合は、人によっていろいろなイメージが付いていると思うんです。“アイドル”とか“エプロンを着て歌ってた人”とか“マラソンしてた人”とか・・・。そのイメージを払拭したいとか、汚点だとは全く思っていないんですけど、一度付いたイメージをさらに超えるというのは凄く大変で。だから、今の私を観て、『感動した!』とか『ファンになった!』と言ってもらえると、本当に“やっていてよかったなぁ。”って思います。

――観客の方やファンの方からの声が励みになるし、醍醐味なんですね。
そうですね。好き勝手やって、派手に遊ぶのが芸能人ではないと思っているので(笑)、やっぱり支持してくれて、応援してくれる人達がいるからこそ、私達がココにいる意味があると。ライブや舞台に出演して、お客さんと実際に会うと特にそう思います。
――歌手と女優という2つの表現方法を持ってらっしゃいますが、違いはどんなところにありますか?
歌は、知らない自分にチャレンジしながら、“私”からリスナーに向けて発信していくもので、お芝居は“キャストの皆”で視聴者だったりお客さんに届けるものだと思っています。物理的には全く違うものでも、自分が経験して得てきたものを使って、皆さんに届けるという“表現者”としての根本的な部分はあまり変わらないんじゃないかなぁと思います。