――『ウイングマン』に出演が決まった時の心境はいかがでしたか
びっくりしました!まず、主演を務めると聞いてものすごく嬉しくて。俳優でデビューした当初からずっと、地上波で単独主演をやりたいというのが一つ目標としてあり、それが今回『ウイングマン』という素晴らしい作品で夢が叶ったのが嬉しかったです。題材をお聞きしたら80年代に大ヒットしたジャンプのすごく偉大な作品だと知り、すぐに原作を読んだのですが、ヒーローものだったんですよね。以前、仮面ライダー1号を演じましたが、また別の形で新しくヒーローを演じられると思っていなかったです。今回は主人公なのでより色んな責任やプレッシャーを感じましたが、原作を読んだら最初から強いヒーローではなく、ヒーローや正義の味方に憧れて、強く願い続けた結果本当にヒーローになることができたという。最初は実力の伴わない、強くないヒーローだったのが、経験を積んでどんどん強くなっていくというストーリーに夢を感じて、それが僕自身にも刺さって、これは全力で応えなきゃいけないなと、頑張ろうと思いました。
――藤岡さんが演じる健太についてどのような印象を持ちましたか?
健太くんはとにかく特撮オタクなんですよね。「あの子なんか変だね」と思われるくらい、日常生活の中でもヒーローの決めゼリフやポーズをしちゃうような子で、原作だと中学生ですがドラマでは高校生の設定になっていて、高校生になっても滑り台の上からジャンプしてライダーキックとかするような(笑)。でも、そういうのって本当に好きじゃないとできないですし、純粋でピュアな心が残っているんだろうなと思って、その点はすごく大事にしました。

――演じる時に意識したことなどあれば教えてください
台本に書いてあるセリフ以上に、本当に特撮が好きなんだと分かるようなちょっとした時に出るセリフや動きをアドリブでやりたいなと思って。役作りで今まで見たことの無かったヒーローシリーズや特撮作品を観て、ここのこういう動きとセリフがあのシーンで使えそうだなとか、自分の頭の中にヒーローっぽい動きやセリフを何個かリストアップして、現場に入ったんです。そのお陰もあり、現場では結構自由にさせてもらいました。監督も「健太っぽいことならどんなことでもぶっこんでいいよ。ダメだったら俺がダメって言うから」と言ってくださって、より健太っぽい工夫はできたと思います。原作ファンの方にも、特撮を好きな方にも「ああ、あいつやってるな」と思ってもらえるような表現やアドリブを結構入れたので、そこも注目してもらえたら嬉しいです。
――監督を務めたのが特撮作品で今も第一線で活躍されている坂本浩一さんですね
数ある特撮作品をたくさん撮ってきて、アクションがとても得意な方なので、今回ももちろんアクションはたくさんやるんだろうなと覚悟していたんですけど、例えばト書きで“健太、敵にぶっ飛ばされる”と書いてあるとするじゃないですか。ぶっ飛ばされるくらいなら、そこまで撮影の時間はかからないのかな?と予想して現場に入ったら、ぶっ飛ばされるまでの過程にものすごいアクションがあって!殴られて蹴られて、お腹を膝で蹴られて、その後投げ飛ばされた後にもう一度持ち上げられて、最後にバーンと強く吹っ飛ばされるとか。ト書き以上にすごいアクションを作ってくださっていて、初めてのアクションシーン撮影の時に驚きました。でも、結果としてすごくかっこいい、臨場感のあるアクションになりましたし、変身シーンや、変身した後の敵との戦いの中でもウイングマンらしい、原作の中にも出てきた技がたくさん出てくるので、そういうのも視聴者の方は楽しんでくださるのではないかなと思います。

――以前のインタビューで今後演じてみたい役を伺った際に、「アクションをやりたい」とおっしゃっていました。今回実現しましたがどうですか?
仮面ライダーの時も少しやりましたし、最近では『君とゆきて咲く~新選組青春録~』という作品で剣を使ったアクションがありました。それは時代物で、沖田総司という強い役をやらせていただいてそこでもアクションを学びましたが、『ウイングマン』では生身のアクションができて、本当にやりたかったことが色んな形で挑戦させてもらえているのがとてもありがたいです。でも、健太は最初弱いのでやられるアクションも多いんです。こんなにやられるのもあまりないんじゃないかってぐらい序盤の方は色んな人にボコボコにされるんですけど、それが結構難しくて!殴る蹴るは武道をやっていたので自信はあったんですけど、顔とか殴られてやられるのは、自分で攻撃するよりも難しくて、現場でも監督を筆頭に色んな方にアドバイスをもらいながら試行錯誤して、自分も何回も何回もやる中で、役としても、役者・藤岡真威人としても同時に並行して成長している実感があって、それがすごく良い経験だったなと思います。
――坂本監督はどんな方でしたか?
アクションが本当に好きなんだというのが分かって、芝居を撮っている時よりもアクションを撮っている時の方が「もっとこうして」って言われることが多かったです(笑)。監督の中で描いている世界があって、「ここはもっとメリハリを強く」「もっとインパクトある感じで」とか、監督の中にあるこだわりを僕に分かるように伝えてくださったり、自らが見せて教えてくれて。監督と接しているうちに、本当にアクションが好きで、だからあんなにかっこいい画を撮れるんだというのが伝わってきました。
――アクションシーンがとても楽しみです
かっこいい変身もそうですし、敵に向かってパッとセリフを決める瞬間もあり、特撮っぽく撮られている部分もあるので、本当に期待大で見ていただけるとすごく嬉しいです!

――ご自身と健太で似ているところはありますか?
自分で言うのもおこがましいですが、原作を開いた時に、まずビジュアルが自分に似ていると思ったんです。なぜかというと、80年代なので昭和っぽいんですよね。眉毛がしっかりしていて髪の毛量があって、僕も父と似て眉毛も濃くて髪もしっかりしているので、健太になった自分が想像つきました。
――内面の部分では?
健太はヒーローが大好きで、一つのものに熱中して夢が叶ったわけじゃないですか。僕も好きになると一つのことに熱中して夢中になって、周りが見えなくなるぐらい突っ走る気質なので、そういう部分はすごい親近感があって、特別な役作りをしなくても、ひたむきさや一生懸命さは素で出せていたのではないかなと思います。