――「チェイサーゲームW」シリーズの映画化が発表され、かなり話題になりました。お二人のもとへも反響は届いていましたか?
中村ゆりか(以下、中村):早いスピードで届きました。映画の最中に懐かしい伊東市の写真をストーリーズに載せた時があって、まだ公表していなかったんですけど、すぐに見てくださっていた視聴者の方から「もしかしてやるの!?」みたいな予想もされながら、反響はすごく大きいんだなと改めて実感しました。
菅井友香(以下、菅井):ドラマが終わった時に感想を多くいただいて、その反響は多分制作の方々にも届いていたと思います。そのお陰で続編が映画になりました。自分の経験ではドラマから映画化する作品は初めてだったので、それがすごく嬉しかったです。皆さんの応援がすごく力になっていました。
――映画の舞台は前作から7年後ですが、年数を経て同じ役を演じることについてどのように捉えていましたか?
中村:長年一緒に作っていけているからなのか、そこまで難しさはありませんが、心の変化や、仕事面でもキャリアアップをしたり、家庭が作られたり、そういった変化もありながら、こんなにたくさんの時間を役に向き合わせていただける、すごく贅沢な時間になったと思って、大切に撮影していました。
菅井:樹は高校時代から35歳まで幅広く深掘りできてすごくありがたかったですし、気づいたら自分の分身に思えるぐらい樹のことも深く知って、自分も大好きな役で、そう思える役に出会えてすごくありがたいと思います。


 

――家族を築いてから少しずつ関係性が変化していく“いつ×ふゆ”ですが、その中で演じていて意識していたことがあれば教えてください
中村:今までは“好き”が強めだったんですけど、今回は“愛の深さ”がテーマになっています。冬雨も樹もそうですが、家庭を共にして暮らしを形づくるものになると、お互いの距離感も簡単には片づけられないものになっていったというか。そこはお互い繊細に、役として物語に丁寧に沿うように意識して作っていっている感じがしていました。
菅井:家族として一緒に暮らす中で、一筋縄ではいかない問題や、好きだけではいられない現実がたくさんあり、その家族の問題が映画で深く描かれていると思うので、そこは大事にしました。樹自身も成長して、心境も今までとは違い、体の変化やお互いの関係の変化など、すごくリアルに描かれていると思うので、とても複雑な心境を大切に演じさせていただきました。
――“好き”の気持ちだけじゃ解決できないな、と映画を見て思いました
中村:きっとこのまま家族になっても変わらないんだろうな、というのをお互いに確認し合ってから一つ屋根の下で長い時間を共にしていて、なのでそれが当たり前になっていくと、感謝も伝えなくなってしまったり、不満を感じて募りに募って爆発してしまったり、そういった流れになっているのもすごくリアルだと思いました。そういう表現に時間を使えるのは映画ならではで、視聴者の方もこういうのあるよね、と共感してもらえるところもたくさんあると思います。
菅井:二人だけではなく月ちゃんという子どももいて、子育てにはお金もかかり、女性同士の生活では、生涯年収が男女の場合よりも少し低かったりして、金銭面の問題もあると説明を受けました。お互いの役割分担をしているけど、そのルールが崩れてしまって不満が溜まるのは、どんな家庭でも直面することでもあるのかなと思います。


 

――月を演じた岡本望来さんはどのような方でしたか?
中村:7年後のお話なので、劇場版では岡本さんが月を演じてくださったのですが、違和感を覚えないぐらい、前作の月ちゃんを受け継いでくれているというか、岡本さんがすごく役と向き合って演じられていると感心しましたし、あの頃の月ちゃんが成長したらこうなるんだなと、冬雨の母親的な目線から見ても自然体でした。月ちゃんのお陰で樹と冬雨の間が馴染んでいる場面もあり、本当にありがたく思いましたし、頼もしかったです。誰よりも大人びていて、現場での佇まいもそうですし、役との向き合い方も素敵だなと思いました。今後もご一緒できたら良いなと思います。
菅井:すごくしっかりしていて、自分が岡本さんの年齢の時はこんなにしっかりしていなかったなと思いました。現場でも監督の指示を聞いて柔軟に対応されていて、すごいなと思いました。
――3人で大室山に行かれたシーンもありましたが、撮影を振り返っていかがでしたか?
中村:天気にも恵まれて気持ち良くて快適でしたし、初めての3人での旅行だったので、単純に楽しかったです。あとは、月ちゃんが樹と冬雨のギスギスした関係をどうにか晴らそうと、間を取り持ってくれる気遣いも役の中で感じて、それぞれの役割がバランスよくできているなと改めて思いました。ピクニックも楽しすぎて、すごく良い時間でした。
菅井:映画の中では樹はちょっと気が乗らなくて、冬雨が「こっち向いて!」って手を振ってくれているのに、プライドが邪魔をしてしまっているんですけど、私としてはすごく楽しかったです。小さな喧嘩をしていることを忘れてしまうぐらい、景色も素晴らしくて、皆でお出かけするのは今まで描かれていなかったので、家族にとってすごく良い時間だったと思います。3人でお団子を食べているシーンはお気に入りです!


 

――お二人は2024年の「チェイサーゲームW」シーズン1で初共演となりましたが、当時と比べてお互いの印象は変わりましたか?
中村:初めてお会いした時はまだ緊張していて、今みたいにこんなに気を許し合いながら話したりすることはできなかったですが、今では支え合って、現場でも自然な距離感で気を遣い合うことができるようになっています。それが居心地よくて、常に物腰も柔らかく、空気を穏やかにさせる力を持っていらっしゃるので、そこに何度も救われました。
菅井:嬉しいです。ゆりかちゃんは現場を明るくしてくれますし、今日も久しぶりに会ったんですけど、久しぶりな感じもなかったです。いつお会いしてもフラットで、沈黙でも気まずくない関係性が居心地よく、シーズン1の時も最初はちょっと緊張していたんですけど、すぐにほぐしてくれて、すごく心強い存在です。
――最後に、映画を楽しみにしている方へメッセージをお願いします
中村:前作に続いて二人の関係がどうなるのか、私個人的にも行方が気になっていましたし、そんな二人の未来を応援できるような、寄り添って歩んでいけるような素敵な世界観になっているんじゃないかなと思います。このような題材に向き合わせていただいて、『チェイサーゲームW』ならではの世界観を私たちも大切に作ってきているので、より多くの方々にこの世界を知ってもらえたら嬉しいなと思います。
菅井:ドラマから応援してくださっていた皆様に少しでも楽しんでもらい、その応援に応えられるようなものになっていたら良いなと、皆で一生懸命楽しみながら作ってきました。その想いを受け取っていただき、どんな感想を持ったか伝えていただけると嬉しいです。ドラマから応援してきてくださった方も、映画から気になってくださった方も、ぜひご覧いただけたらと思います。


撮影:秋葉巧
スタイリスト:福田亜由美(crêpe)(菅井友香さん)、奥富思褒里(中村ゆりかさん)
ヘアメイク:カワムラノゾミ(菅井友香さん)、澤田梨沙(中村ゆりかさん)