――韓国の大ヒットミュージカルの日本初演になりますが、本作へ出演が決まり、初演ならではのやりがいを感じる部分など、現在の想いをお聞かせください(※取材は3月上旬)
- 咲妃みゆ(以下、咲妃):この作品に携わらせていただけることを大変幸せに思います。1890年代のイギリスの物語ですが、現代の我々にも響くメッセージが込められた作品です。韓国で誕生し、長きにわたって愛され続けている作品がいよいよ日本で新たなでスタートを切る、その一員になれることに喜びを感じています。
今回は小林香さんの演出ということで、韓国版とは良い意味で違った作品に仕上がっていくのかなと期待しております。これまで作品を守り継いでこられた韓国のクリエイティブスタッフ、キャストの皆さんに敬意を表しつつ、一から丁寧に創作できたらと思います。
- 小関裕太(以下、小関):今回、日本初演を迎えるということで、実際に韓国へ観に行き、改めて韓国で大きな渦を作った作品に挑む責任感と、2026年に日本で上演することに意味を感じ、すごく素敵なタイミングだなと、企画を聞いた時からワクワクしていました。日本初演と謳われている中で、原案や楽曲、脚本は大事にしながら、改めてテーマやより細かいところを構築し直す大変さがあるなと思っています。たっぷりと稽古期間が設けられている作品であり、演出は小林香さんなので、ディスカッションを重ねて、作っては崩してを繰り返す、割とハードな稽古期間になるんじゃないかなと思っています。ただ、僕自身、初演やオリジナル作品に携わってきた経験が多く、それが結構好きで自分の体にも合っているので、今回も大変だと思いますが、難しい道を自分なりに切り開いて、精一杯楽しんでいけたらと思っています。
――台本を読んだ感想はいかがでしたか?
- 咲妃:自分にとって一番の味方は自分なんだ、と作品を拝見して感じました。どうしたって他者と関わり合って生きていかなきゃいけない我々は、己を大切にすることをつい疎かにしてしまう時があると思います。そんな時こそ、心の声に耳を傾け、自分が何を感じ、どう行動するかがとても大切なのではないでしょうか。人生をより豊かにするためのヒントがたくさん詰まった素晴らしい作品だと感じます。
- 小関:韓国に行って生で作品を拝見して、台本の印象と良い意味で変わりました。自分のタイミングによってもどんどん印象が変わっていく作品だなと思います。日常の中で鏡と向かい合うことって勇気が必要じゃないですか。自分と戦って壁を超える作業も、まずは自分と向かい合うことが必要で、自分の優れていることや足りないことをちゃんと見極めるためには、まずは自分を見なきゃいけなくて。例えば、ミュージカル作品をやっている時はボイスレコーダーで自分の声を聞いてみるとか、自分のウィークポイントを知ることってめちゃくちゃ辛いんです。ブラウンは、今までの生き方や信じていたものが違った時、ワクワクしていますが、苦しい面もあると思うんです。そういう鏡と向き合う勇気を持つきっかけをくれる作品だなと思いました。

――それぞれが演じる役に、どのような印象を持ちましたか?
- 咲妃:少々心配になるほど、どこまでもまっすぐで正直に生きるアンナの姿を、いかにお届けできるか試行錯誤するのは楽しみであり、大きな挑戦だなと思っています。正直であることはアンナにとってごく自然なことなのですが、それが自分を苦しめている要因なのだと自覚もしている。彼女の不器用さは、私には魅力的に思えてなりません。そんな彼女は、物語の中でたくさんの人々と接しながら、様々な経験をしていきます。結構スピーディーに描かれているので、芝居のテンポは大事にしながら、その時々の心情を丁寧にお届けしたいなと思っています。
- 小関:ブラウンはとても生真面目で、紳士であることが絶対だという、時代背景や生きてきた家柄が表れているんですけど、それが全てだと思って生きてきた中で、アンナと出会い、違う価値観に触れて、今までってなんだったんだろうと思ったり、自分らしさってなんだろうと思ったりするきっかけをもらい、生き方について空振りしながら考えていく役柄です。彼女に振り回されている描写がチャーミングに映ると思いますし、そこがホッとしたり、クスッと笑ったりするポイントでもあるので、ロマンチックなラブコメディの中で重要な要素を担っていると思っています。
――お二人はドラマ『波うららかに、めおと日和』以来の共演となりますが、ドラマ撮影の際、お互いのお芝居の印象はいかがでしたか?
- 小関:ドラマの撮影の時には既にこの作品が進行していたので、よろしくお願いします、という感じでした。元々咲妃さんの作品は拝見していましたが、改めてご一緒する中でお話しできることにワクワクしましたし、どんな方なんだろうと、ドラマ現場を通して知ろうとしていました。
- 咲妃:ドラマの本編でご一緒する機会は無かったのですが、サブストーリーでようやく同じシーンをいただけて、すごく嬉しかったです。その時、小関さんは役で呼吸ができる方だなと感じました。ちょっとした仕草や目線にも説得力を感じましたし、演じている瞬間は小関さんが何処にもいなかったのがすごく素敵だなと思い、より一層、ご一緒できるのが楽しみになりました。
- 小関:僕も同じく、目を合わせようとしてくださっているのが印象的でした。リハーサルで目が合っているのが結構安心材料だったりするんです。初めましてでしたし、ミュージカルでこれからご一緒するし、作品では拝見しているけど共演させていただく間柄としてはどんな方なんだろうというのを初めて知るタイミングだったので、(咲妃さんが自分のことを)見ようとしてくださるから、最高!って思いました。
- 咲妃:お互い撮影に集中しつつ、どんな人か探り合う時間だったんですね(笑)
- 小関:確かにそうですね!それが印象的で、自分の中で思い出深い瞬間だったので、長期間ご一緒する上ですごく安心できると思いました。

――先日行われた製作発表では歌唱パフォーマンスも少し披露されましたが、お二人でのパフォーマンスはいかがですか?
- 小関:本当に安定感と安心感の咲妃さんなので、僕は乗っかるだけで良いかなという想いがありました(笑)
- 咲妃:私も小関さんに同じことを思っていました…!稽古でお芝居を組み立てていく時、小関さんのように柔軟性をお持ちの方とだと、自分もいろいろな挑戦をしてみようと思えるのですごくありがたいです。製作発表で歌わせていただいた楽曲の中には掛け合いのものもあったので楽しかったです。
- 小関:音楽監督の伴奏のもと、披露させてもらいましたが、リアルなテンポからあえて少し変えたり、曲の雰囲気も変えたりしました。メロディは歌うとすごく難しいのですが、クラシカルな雰囲気がある中でも自由にできる幅があるので、すごく楽しみです。
- 咲妃:どの楽曲も、心情や情景が見事に描かれているので、お客様にもきっとお楽しみいただけると思います。お稽古の日々が楽しみです。


