――役作りで特に何かやったことはありますか?
- 方言はすごく勉強して、方言指導の方について練習しました。 でも、聞いたセリフを覚えても自分の感情がのっかると言い回しが変わってしまうので、現場でも傍にいて頂いて、ちょっとでも違ったら指摘してもらうようにしてました。
――高校男子の悶々とした青春映画ということですが、臼田さんから見てこういった男子はどう思いますか?
- 私は共学ではなかったので、男子高校生との交流があまりなかったのですけど、女の子でもああいうモヤモヤを抱えていたりするんじゃないかと思うので、特に抵抗はなかったです。 監督にも、「女性と男性は違うし女性は男性よりませてるから、あんなに悶々とした気持ちはないでしょ?」と言われたんですけど、私は意外と中学生くらいから、家でいろいろ妄想しているものの学校では地味、みたいなタイプだったので(笑)、普通に共感できました。
――監督は田口トモロヲさん、原作はみうらじゅんさん、出演されている方々も、黒猫チェルシーの渡辺さん、銀杏ボーイズの峯田さんやくるりの岸田さんなど、個性的な面々が揃っていらっしゃいましたが、現場の雰囲気はいかがでしたか?
- なんせ、主張する人があまりいないんで(笑)、けっして華やかな現場ではなかったと思います。でも、監督自身が役者と監督としての距離も凄く上手に保ってくださる方で、いい緊張感を持っていらっしゃって。 役者陣で集まったときは、皆さんの空気感が似ていて変に気を遣わず自然体でいられて、何か思いついたことがあれば気軽に話しかけてくださるし、本当にメリハリがある現場だったと思います。
――撮影中、思い出に残るエピソードなどはありましたか?
- みんなでキャンプファイヤーをするシーンがあるんです。その日の、日の暮れる頃に、撮影していたユースホステルにボロボロのギターが置いてあったのを何気なく渡辺君が弾き出して、銀杏ボーイズの峯田さんも持っていたギターを弾き始めたんです。 そしたら、なんとなくみんなベランダに集まってきて、私も引き込まれるようにそこへ行くと「臼田さんギター弾けるんでしょう?」って言われて、「コードぐらいなら・・・」と教えて頂きながら、劇中の歌を弾くと、両サイドで渡辺くんや峯田さんが歌ってくれて・・・。リアルに、そこに純君が居て、ヒゲゴジラが居て、オリーブが居たっていう、自然にそういう空気が作られてました。
――それは凄くいい思い出ですね!映画の見所、注目してもらいたい部分はありますか?
- 全体を通して、次の一歩を踏み出す勇気が出る作品で、同世代の男子が見たらちょっと苦い思いもするかもしれませんが、でもそれは凄いキレイで輝いているものだし、今はモヤモヤして悩んでも必ずそれが次につながる一歩になると思うので、ぜひ観て欲しいです。 青春を過ぎたと思っている方にとっては思い出して懐かしむより、もう一度青春をしたくなるような作品になっているので、この映画を観て、「今からでも何か始めよう!」とか、そういう前向きな気持ちになってもらいたいです。
――今後、臼田さんはどういった活動をしていきたいですか?
- 『色即ぜねれいしょん』をやるまではモデルを中心にやってきていたんですけど、心のどこかでずっと、「お芝居がやりたい」「映画に携わる仕事がしたい」と思っていました。 お芝居に自信があるわけでもずっと勉強してきていたわけでもないんですけど、作品を、何かを作ることが好きなので、そこにこだわりがあったんです。 でも『色即ぜねれいしょん』をやってから、やっぱり見てくれている人は見てくれているし、バラエティをやっていようが、モデルをやっていようが、私のお芝居につながるものがどこかにあると気付いたので、今はお芝居だけにこだわらず、どこでも必要とされる人になりたいと思うようになりました。
――この夏、プライベートで挑戦したいことはありますか?
- 車の免許を取りに行きたいです。18歳くらいからずっと言ってるんですけど一向に行けてないので(笑)。
――最後に読者の方へメッセージを。
- 女性の方が観てもこの映画『色即ぜねれいしょん』は温かい気持ちになれると思います。 いろんな世代の人、たくさんの人にこの映画を観てもらたいです。ぜひ観てください!