――稽古中の印象的なエピソードは?
やっぱり、演出・振付の謝先生が誰よりも元気な所ですかね。演出家が誰よりも元気だと、役者は休むわけにはいかないですし、演出家が帰らないのに役者が先に帰るのもおかしいじゃないですか。それに自主稽古する人も多く、またそれに演出家がしっかりと付き合ってくれて…。稽古前もだんだん早く集まるようになって、徐々に志気が上がっていっているのが伝わってくる場でしたね。今までは稽古場が一番落ち着く場所だったんですけど、今回は一番緊張する場所というか、行くのにも集中力を高めてから行かなくてはいけない雰囲気で。ピリッとしている訳ではなくて、1本線がスッとあるような緊張感のある場所ですね。
――地方公演もあるそうですね。地方公演ならではの楽しみもあるのでは?
僕地方公演初めてなんですよ。皆とは、美味しいもの食べに行こうよとか話しているんですけど、そんな余裕があれば行きたいですね(笑)。喉を潰さない程度に美味しいお酒が飲めれば良いなと思います。
――地方公演で色々な地域の方々に見てもらえますね。
そうですね。全く知らないところに行って、その地方の方に見てもらうっていうのはどういう感覚なんですかね。例えば大阪の方は拍手をすごくしてくれて温かいって聞くんですけど、そういうのを早く経験したいです。
――この公演が全て終わった頃には大きな自信につながっているのでは?
今までとは全然違う人間になるんじゃないかなって思う位、やることをしっかりやっているので、勿論手を抜く所も無いし、お兄ちゃん役の小西さんとも、役について「こうしよう」とか「こうして欲しい」とかよく話しています。今まで自分の舞台を見に来てくれた友達とかも「今回は違うね」って言ってくれるんじゃないかなっていう自信はあります。それと同時に不安もいつもより大きいです。その代わり何か絶対に生まれると思います。
――見どころは?
話の舞台が日本ではないので、「こういう世界があるんだ」って新鮮に見てもらえるのではないかと思います。劇場に居ながら空とか風とかを感じることができて、現地の空気に触れられるような工夫もあります。音楽も振りも民族のようなものを取り入れて、衣装もあまり見たことがないような袖がすごく長いものだったりとかするので、多分今まで皆さんが見たことのある舞台とは違う風景が見られる所が見どころだと思います。
――舞台への意気込みをお願いします。
僕が演じるペマと、兄上のシーンがすごく重い話なんですけど、お客さんに「重いな」って感じさせないために、僕と小西さんがどのように創っていくかっていうのが勝負で、そこを追求して良いものを創りたいと熱くなっています。

――3歳までブラジルまで過ごされたそうで、故郷が2つあるような感覚ですか?
どちらかと言えば、日本が故郷だと思っちゃってます。この顔で(笑)。
――スポーツ観戦する時は、日本とブラジルどちらを応援しますか?
それ良く聞かれるんです。そこだけちょっと難しくなって、サッカーに関しては、日本戦は勿論熱い思いで見るんですけど、ブラジル戦の時は「勝つだろう、ブラジル」みたいな(笑)。何でしょうね、この感覚。まぁ卑怯ですよね(笑)。例えばブラジルと日本が戦ったとしたら、日本が勝っても皆と喜べるし、ブラジルが勝っても「ほら!」みたいな。卑怯です(笑)。
――最近の休日の過ごし方は?
ボイトレですね(笑)。家にいるときは、映画を見たりしてますね。そういう所からなにか勉強出来たら良いなと思って。そんなに深く勉強しよう!って見る訳ではないですけど、眺めててなにか貰えないかなぁって思いながら見ています。
――マイブームは?
最近は本ばっかりみているので、それがブームになってきていますね。チベットや東南アジアの本だったりするんですけど。仏教とかって「死を恐れない」とかそういう深い事が沢山書いてあるので、調べるのも楽しくなってしまって。チベット仏教を勉強するのがマイブームです。
――だんだん寒くなってきましたが、山田さん流の寒い季節の過ごし方は?
家の中では半袖短パンです(笑)。
――そのおかげで風邪をひかないとか?
風邪はひかないですね。あっても1年に1回ですね。その分、ひいた時は立てない位キツいものをひきます。多分、多少風邪をひいているんでしょうけど、気がつかないんですよね。「鼻つまったな~」位で(笑)。
――特技は腕相撲で誰にも負けたことがないそうですが、未だその記録は破られていませんか?
そうですね。確かに負けたこと無いです。勿論見るからに筋肉がすごくある人には挑まないですけど(笑)。それなりに「いけるな。」と思った人には勝てますね。
――負けない秘訣はどこにあるんでしょう?
人より腕がずば抜けて太い訳ではないので、なんで勝てるか解らないんですけど、小学校の時とかから負けたことがないです。
――舞台の本番やドラマの現場などでは緊張することもあるかと思いますが、リラックス法は?
演じる前はいつもソワソワしているんですよね。その辺立って座って繰り返したり。本番前も僕ずっと一人で喋ったりしているんですけど、ずっと座ってじっとしているとセリフが出てきてしまったりとか、考えてしまうので。どちらかと言えばソワソワしている方が自分なりのリラックスにはなっていますね。本番前に「ジルうるさいよ!」って言われて「すいません、これがリラックスしている状態なんです。」ってよく言います(笑)。
――プライベートで挑戦したい事や、今注目していることがあれば教えてください。
やっぱり体を動かす事とかは常にやりたいと思っているので、サーフィンとかスノーボードをやりたいですね。季節もののスポーツは全然できていないので、夏のサーフィン、冬のスノボーができたらと思います。あとは、大人な男性になりたいので、ダーツとかビリヤードが格好良くできたらと思っています(笑)。
――今後お仕事ではどのような事に挑戦していきたいですか?
ミュージカルはやって行きたいと思いますね。歌もずっと続けていけば5年後、10年後とかにはすごく上手くなるかもしれないし、歌は続けていきたいです。それで自分が納得いけばミュージカルもどんどん挑戦したいなって。やっぱりセリフでは伝わらないものが歌ではすんなり伝わってきたりするんですね。難しい感情が歌だとキレイな音と一緒に入ってきて「良いシーンだなぁ」と思う事がすごくあるんです。「自分がもっと歌が上手だったらこんなシーンにも出られたのかもしれない」って思うと、また挑戦したいです。あとは、映像の分野も是非やっていければと思います。
――最後にファンの方へメッセージをお願い致します。
やっぱり仕事と仕事の間が空いてしまったりすると、ファンの皆さんにはすごく申し訳ない気持ちになるので、そんな間を詰めていけて、なお且つ舞台の上とか映像の中で恩返しが出来たら良いなって思います。僕がそれほど露出していないときから応援してくださっている方もいらっしゃるので、そんな方たちの為にも恩返しが出来る作品を創っていきたいです。