――ミュージカル『「薄桜鬼」斎藤一篇』の主演に大抜擢されましたが、決まった時のお気持ちはいかがでしたか?
自分が出たいと思っていた作品だったので嬉しかったのは勿論なんですが、その反面まさか自分が選んでもらえるとは本当に思っていなかったので、驚きで頭の中の整理がつかないくらい色んな事を考えたのは覚えています。不安やプレッシャーもありますけど、色んな感情が入り交ざって、今は「やるしかない。」と思っています。
――ご家族や周りの反応もすごかったのでは?
そうですね。「おめでとう」って言ってくれた事がすごく嬉しかったです。改めてそう言ってもらえることで本当に自分で役を掴んだんだなって実感も沸いてきましたし、家族、友達、応援してくれている人たちが自分の事のように喜んでくれたことを覚えています。
――大人気ゲーム作品が原作という事で、プレッシャーはありますか?
はい。プレッシャーは、役が決まった時から正直あったんですけど、これだけのプレッシャーを与えられる役を自分が演じられると思うとすごく嬉しいですし、それが自分の成長にもつながると思うので、今はプレッシャーを変にマイナスに捉えるんじゃなくて、逆にプレッシャーを楽しむ位の気持ちで取り組んでいければ、皆さんにもより良い斎藤一をお見せすることができるんじゃないかなと考えているので、今はプレッシャー自体を楽しみたいと思っています。

――殺陣にも初挑戦されたとのことですが、稽古はいかがですか?
はじめはやっぱり楽しかったですね。自分がやりたいことでもありましたし、初めての経験だったので自分が無知の状態で新しいことに挑戦するのは楽しいなって思っていたんですけど、今は少しずつ慣れてきた部分がある半面「ここが出来ていない。」とか「こうした方がいい。」っていう課題の部分か明確に見えてきたので、今は踏ん張りどきだなと思って頑張っています。
――原作のゲームをプレイされているとブログで拝見しましたが、実際にプレイしてみていかがですか?
ゲームだと自分のペースで進めることができ、アニメとは違い色んなキャラクターをフューチャーしながら進められるのが素敵だな。と思いました。
――松田さんから見て「斎藤 一」とはどんなキャラクターですか?
斎藤一は、ゲームでも寡黙っていうイメージが強いと思うんですけど、ただの寡黙じゃなくて、自分の気持ちを上手く言葉にできなかったり、あえて言葉にしなかったり、男として芯の強い人だなと思っていて、自分もそういう風になりたいなって気持ちもありますし、自分が見て憧れる部分をもっと自分の中に吸収出来たらいいなと思いながらゲームをプレイしたり、アニメを見たりしています。
――斎藤一役を演じるにあたり、役作りはしていますか?
自分も常にはしゃいだり騒いだりする性格ではないので、そういう部分は斉藤一に近いかなって思うんですけど、斎藤一は責任感が強くて凛としていて、スッと立っているようなイメージで、そういう部分を表現するために声を低くしたりとか、原作では鋭い眼をしたりするので、そういう所を細かく吸収できたらと思って常に意識するようにしていますね。殺陣の稽古でも髪の毛から覗く目だったり、姿勢だったり、細かい所までこだわっていきたいと思っています。
――『薄桜鬼』の魅力ってどんなところだと思いますか?
まず、ダークファンタジーを斬新なアイディアでまとめたものは無いと思うし、僕自身作品に惹き込まれて解ったんですけど、鬼になる新選組って僕には全然想像できなくて、個々のキャラクターも美しい絵のタッチで描かれていて、女性の方がファンでいるっていうのは勿論なんですけど、男の子である僕から見てもすごくカッコいいし、世界観も惹き込まれるものがあるので、もっと知ってもらえたらもっとスゴイ作品になるんじゃないかって思いが自分の中にあって。一番の魅力は見たらすぐに惹き込まれてしまう所ですかね。

――斎藤一役以外に演じるとしたら、どのキャラクターに挑戦したいですか?
そうですね…他のキャラクターだとしたら、斎藤一以外に好きなキャラクターが風間千景か沖田総司なので、演じることが出来るならこの2人ですね。風間千景は妖艶で、斎藤一とは違う役作りで挑まなくてはいけないですし、ましてや敵だし、僕実はそういうキャラクターが一番好きで千景に興味があります。沖田は斎藤とは真逆のキャラクターなので面白いんじゃないかと思います。
――沖田総司役の廣瀬さんをはじめ、皆さんのチームワークはいかがですか?
廣瀬さんは「この人が沖田総司役で本当に良かったな。」と思う位本当に魅力的な方で、他のキャストの方も殺陣稽古とかでご一緒しているんですが、今チームワークに対しては不安なことは無いですね。これからもっと稽古などを通して深くなっていくと思いますし、舞台上の役どころの関係性でも見せていければ良いなと皆が思っているので、チームワークはバッチリだと思います。
――ミュージカルも初挑戦との事ですが、歌も大きな要素の一つですね。
音楽を聴くのはすごく好きで、歌うことも好きなんですけど、本格的にボイストレーニングであったり、作品の為に歌唱力を鍛えるっていう事をしたことが無かったので、今回のミュージカルではじめて本格的に取り組む事になりました。自分では楽しみであるんですけど、すごく努力しなくてはいけない点だなってちょっと不安ですね。しっかりやっていきたいです。
――演じるにあたり、注目してほしいポイントはありますか?
風貌であったり、雰囲気であったり、色んな部分に注目して見てもらいたいんですけど、斎藤一は元々居合の達人という事で、そういう部分を表現するために殺陣稽古も頑張って取り組んでいるので、一番注目してほしいのは殺陣ですね。どれだけ殺陣で魅了できるかっていう事を必死に考えています。

――公演が終わったころにはどんな自分になっていると思いますか?
出演が決まったばかりの時は、自分の中でも真っ白で、まだまだ色がついていない状態だったと思うんですけど、公演が終わった時には「斎藤一を演じた松田凌」が居て、演じたからこそ次につなげたり、「松田凌が斎藤一役を演じていたんだね。」って言われたときに「そうだよ。」って自信をもって思える位、成長していたいっていうのが一番にあります。観に来てくださった方にも「斎藤一役が松田凌で良かった。」って思ってもらえるようになっていたいですね。
――舞台への意気込みをお願いします。
原作が元になっている舞台なので、一人一人のキャラクターが「あの人で良かったね。」って思われるように、キャスト一同必死に頑張っていますし、そうなってほしいと願っています。それ位皆の思いが強いので『薄桜鬼』を愛してくれている方々のためにも、キャスト、スタッフ、脚本・演出・作詞の毛利さんをはじめ、皆で一生忘れられない位最高の作品にしたいです。