――ドラマ『チーム・バチスタ4 螺鈿迷宮』にレギュラー出演されます。お話があったときのお気持ちはいかがでしたか?
びっくりしましたよ。バチスタの新シリーズをやるんだ!そこに自分が出るんだ!という驚きがありましたね。最初はバチスタと知らなくてサブタイトルの「螺鈿迷宮」の部分だけを聞いたので、何の話だろうと思っていました。バチスタシリーズであることや、出演者の方について聞いてからは、「本当にこれに出られるんだ!」って感じでしたね(笑)。
――これまで出演された若手俳優さんも注目されていますよね。
僕が演じるのは、今までのシリーズでは城田優さんや松坂桃李さんが演じてきた役柄で、それをきっかけに皆さん色々な作品に出演されるようになったドラマでもあります。そういう意味で僕もそこにあやかるという訳ではありませんが、そこに続きたいと思いますし、任されたからには、しっかりと期待された以上のことをやって次に繋げたいっていう気持ちになりました。
――どんなストーリーなんでしょうか?
舞台になるのは碧翠院という個人経営の病院で、ドラマのテーマは終末期医療です。もうすぐ亡くなってしまう方の苦しみを和らげるといった緩和ケアをする病棟のお話です。そこには院長の桜宮巌雄(柳葉敏郎さん)を始めとした桜宮一族という人たちがいて、表面上では患者が安らかに逝けるという良い病院だと言われているんですが、そこに疑問を持つ人が現れます。その中に白鳥圭輔(仲村トオルさん)がいたり、その病院に偶然…ではないんですけれど(笑)、赴任してくる田口公平(伊藤淳史さん)がいたりします。段々、終末期医療に身を捧げる桜宮一族の影の部分が見えてきて、人も死んでいくし、色んな謎が深まっていく中で、それぞれが過去に何かを抱えていることが分かってきます。皆が秘密を持っているんですよね。それを隠しているからこそ出てくる人みんなが犯人に見えるというか、「実はこいつが真実を握っているんじゃないか。」と思う訳です。僕が演じる天馬大吉もそのうちの一人なんですけれど、皆が犯人に見えるから見ている側もわからなくて、推理しながら楽しめるっていうのが面白いんですよね。テーマも終末期医療という深いもので、ちょっと難しいですけれど楽しんでドキドキしながら見てもらえるんじゃないかなって思います。毎回、目が離せない内容になっています!
――演じられる役柄について教えてください。
演じるのは、バチスタシリーズに登場する東城医大を休学中の学生・天馬大吉で、碧翠院でアルバイトさせてもらっているという役です。アルバイトをするまでの経緯というのは色々あるんですが、それは後々ドラマで明かされます!基本的にはすごく真っ直ぐな青年で頑固なところがあるので、やると決めたことはやり通すところがあります。時にはそれが色々な場面で邪魔になってしまう時もあります。本当に真っ直ぐな性格なんですが、周りが癖の強い人ばっかりなので、逆にそれが怪しく見えたりもするんです(笑)。

――いわゆる医療ものですが、演じる中で大変だった部分はありますか?
僕の役に関しては医療用語がたくさん出てくるような台詞は、そんなに多くなかったです。むしろ見ていて大変そうだと思ったのが、共演の仲村トオルさんの白鳥役ですね。探偵みたいに色々な人を追いつめていくんですけど、その時の台詞が、本当に長いんですよ!そのすごく長い台詞に対して、田口の台詞が少ないんですよ(笑)。白鳥が長々喋った後の、田口の一言が「白鳥さん…」だけの時とかあって!そういうシーンを見ると、トオルさんすごいなって思います。
――キャストの皆さんも豪華ですね。現場でお話などされますか?
はい、結構話します。最初は自分からはなかなか話しかけられなかったんですけど、伊藤淳史さんとは以前、『あぽやん~走る国際空港』で共演したことがあって覚えていてくださったんです。初めから色々話しかけてくださったので、気持ちがとても楽になりました。現場では皆で、ストーリーの中で誰が怪しい…とかいう話をしていました。撮影中は演じる側にも犯人が誰かというのは教えてもらえなかったんです。だから台本が出るまで、誰が怪しいとか誰が犯人だ、とか皆で疑い合って「実はお前じゃないの」とか言って!やっぱ僕が疑われることが多かったですね(笑)。「天馬怪しいよ~」ってずっと言われていて(笑)。緊張感もありつつ、ピリピリとした現場ではありませんでした。
――終末期医療がテーマです。演じる中で感じたことはありますか?
このテーマは演じている側としても色々考えさせられます。正直、終末期医療にあまり触れる機会もなくて考えたこともなかったんですよね。ただ自分がそういう医療を受ける立場になった時、果たして延命治療と緩和ケアのどっちを望むだろうと考えるようになりました。考えた上で僕は緩和ケアも悪いことではないと思いました。いつか死ぬっていうのは分かっているし、安らかに逝けるのであれば無理な延命よりも、最後まで寄り添ってくれる医療の形っていうのは、いつでも必要になるんじゃないかなって…死ぬことを考えるときっと寂しいと思うので、常に寄り添っていく医療という姿勢は心強いです。それに疑問を持つ声もたぶんあるんでしょうけれど、僕はそれも含めた上で、賛同できるというか否定できないというか…これは見る人も色々と考えさせられるテーマだと思います。
――上遠野さんの注目シーンとは?
トオルさんを鉄パイプで殴って気絶させるシーンでしょうか!天馬が思いを寄せる女性がいるんですが、白鳥が色々嗅ぎ回っていて、その人を追いつめるような場面で、天馬が怒ってつい殴ってしまう場面があるんです。僕もそのシーンを演じる時は恐る恐るで、「トオルさんに当てちゃったらどうしよう…」って不安になっていたんです。そうしたら、さすが『ビー・バップ・ハイスクール』(不良高校生同士の喧嘩や抗争を描いた映画)をやっていただけあって、鉄パイプの扱いには慣れているというか(笑)。「こうするんだよ」ってアドバイスをもらいました。その通りにやったら、うまい具合にはまって!ただその後、僕がトオルさんをおぶうシーンがあったんですが、身長差があるのでトオルさんの足も地面すれすれだったり、着いちゃった時もありました。短いシーンですが意外と大変だったシーンなので、是非見てほしいですね!あとはドラマの後半部分、天馬が田口先生に自分の過去を打ち明けるシーンもそうですね。僕自身、撮影で特に熱が入ったシーンなので、そこも注目して欲しいです!

――先日お誕生日を迎えられた上遠野さん。21歳はどんな一年にされたいですか?
20歳の一年間っていうのは色々あったのですが、仕事もプライベートも含めて、自分がまだまだ未熟で甘えが抜けない人間だってことを感じた一年でした。21歳になった今は、そういった部分で大人になって、もっとお仕事に真摯に向き合えるようになりたいし、そうならないといけないっていう気持ちの両方があります。今のままではこの先やっていけない・残っていけないだろうし、そういった意味で21歳は、こういうことに自分で気づいて方向修正していける良い一年にしたいと思っています。
――お仕事では、新たに挑戦してみたいことがあるんでしょうか?
そうですね、その第一弾が今回の『グランディーバ』のバレエなんです。身体もそうですけど、内面も磨かれると思います。NYに行くし、そういう経験の中で自分を変えたり、変えるきっかけになればいいと考えています。
――プライベートで何かやってみたいことはありますか?
基本的に映画を見たり、本や漫画を読んだり、ゲームしたり…インドア派なんです。あまり外に出ないので、もう少し外に出る機会を増やして、色んなものと触れ合った方がいいのかなって感じはします(笑)。お洒落なカフェを探す!でも、何でもいいと思うんです。街中を歩くだけでも色んな発見があるだろうし。内向的な自分をもうちょっと外に向けていけたらなって感じです。
――最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします!
2014年の年明け最初の仕事として、バレエ『グランディーバ』へ出演します。僕自身も相当色んな覚悟を決めて臨む作品です。敢えて「温かい目で見てください」とは言いません。バレエダンサーになっているかどうか、動き一つとっても、きれいかきれいじゃないかということは、はっきり分かってしまいます。そういった部分は厳しい目でしっかり見ていただきたいと思います。僕自身が「成長したね」、「変わったね」と言ってもらえるように頑張るので、そういったところに注目していただきたいです!