池田純矢が作・演出を手掛けるエン*ゲキシリーズの5作目となる本作は、当初2020年5月に上演を予定していたが新型コロナウイルス感染症の影響により中止を余儀なくされ、約1年越しの上演となる。
“量子力学”をテーマに掲げ、四次元世界や超能力といった未解明のミステリーをイリュージョンマジックで魅せるという演劇的インスピレーションにあふれた未だかつてない体感型演劇となっている。

取材会には池田純矢、生駒里奈、村田充、松島庄汰、田村心、新子景視、阿南健治が出席した。

初日を迎え、「何事もなくこの場に立てていることに感謝」と話す池田。中止を発表した時には精神的にもダメージがあったことを明かしながら「どうしてもこの作品を届けたいという気持ちは途切れていなかったので、中止を決めたその日にキャスト・スタッフに何とかして延期公演をやりたいと思うと伝えてすぐに動いて、その結果が今に繋がっていると思います。今日、日の目を見るということで幸せに溢れております」と、構想から11年半かかった本作の幕が上がることへの喜びを語った。

池田とともにW主演を務め、記憶を失っている謎の少女・ノアを演じる生駒は、自身の見どころを聞かれ、「アクションが派手かなと思っています」とコメント。
アクションには自信がなかったとしながら、「やってみたらめちゃくちゃ楽しくて、これからアクションをやっていきたいと思うぐらいです」と意欲を見せると「仮面ライダーになりたいです(笑)」と夢を語る一幕も。
特撮出身の池田からも「(劇中で)良いライダーキックしてますよ」と太鼓判を押していた。

「私たちは誰かを楽しませるために存在しているので、それが出来る喜びでいっぱいです。お客様にこの瞬間だけは何もかも忘れて幸せになってほしいし、必ず幸せにしますので楽しみに客席で待っていてください」と力強く話した生駒。
池田は「キャスト・スタッフの魂の結晶のような作品になっているので、ぜひ楽しんでいただきたいです」と語った。

東京公演は8月5日より東京・紀伊國屋ホールで上演され、8月28日・29日には大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールで上演される。

<あらすじ>
私設研究機関「渡来超能力研究所」の所長・渡来暦は
世間からオカルトマニアの変人と噂されながらも、超能力の解明に明け暮れていた。

ある日、研究所の壁面からまるでテレポーテーションのように
突如出現する記憶を失った謎の少女・ノア。
ルーツを辿る唯一の手がかりは
「ノア、必ず帰ってこい。渡来超能力研究所で待つ」
と書かれた血まみれのメモ。

時を同じくして、首相官邸ではテロ組織が超能力でも無ければ
不可能な手口で総理を人質にとり、立て籠もるという事件が発生。
渡来は、ノアやテロ組織ら超能力者を、三次元の肉体を持ちながら
四次元世界に干渉できるように進化した新人類”4Dimetor”と推論し、事件の真相を追う。

一方、政府の「国立研究所」では何やら不穏な気配が立ち込めていた。
失われた記憶、血まみれのメモ、テロ組織の目的、国立研究所の闇…
あらゆる謎が、パズルのピースを埋めるように次々と解き明かされていく。

「さあ、好奇心の扉をあけよう!」