2015年に松本清張賞と小学館文庫小説賞をW受賞してデビューし、吹奏楽小説『風に恋う』やテレビドラマ原作「転職の魔王様」シリーズが話題となった額賀澪が手がける長編小説『沖晴くんの涙を殺して』(双葉文庫)が映画化。

そして、本作の全国公開を記念して行われた完成披露試写会には、余命1年を宣告され故郷の瀬戸内海の島に戻ってきた音楽教師・踊場京香役で主演を務める広瀬アリス、死神に “喜び”以外の感情を奪われた不思議な高校生・志津川沖晴役の木戸大聖、踊場京香の元フィアンセで余命宣告後に別れを告げられる赤坂冬馬役の満島真之介、京香の恩師役の戸田菜穂、京香の祖母役の根岸季衣、そして矢崎仁司監督が駆けつけ、本作の初イベントを開催。

公開が間も無くとなり、広瀬は「去年の7月に1ヶ月間広島に行きっぱなしで撮影していましたが、ようやくお披露目できるので緊張の方が勝ちますが、早く観ていただきたい気持ちです」と現在の心境を語る。

今回、教師と生徒役を演じた広瀬と木戸だが、実年齢はほぼ同世代。広瀬が「小さい頃から見てたアニメや曲が一緒で、でも先生と生徒で」と話すと、満島が木戸に対して「最初に会った時、20歳ぐらいだと思ってたよ」と、実年齢より若く見えていたと伝える。

木戸自身は、合唱部員役ということで撮影でエキストラで参加していた現地の高校生と並んだ際、「リアル高校生と並んでいて、広瀬さんから呼ばれて『ちょっとあんたもうキツイよ。私と並んでたら大丈夫だけど』」と容赦ない一言があったことを明かすと、広瀬も「リアルと比べるとこっち側だよね、と(笑)」と、現役高校生との違いを実感したそうで、木戸が「あの肌質は違うね。生徒を引率してくださった現地の先生と同い年だったんです」と話すと、会場からは驚きの声が。すると広瀬が「歳を取ってるんじゃなくて深みが増してるんだよね」と、木戸と顔を見合わせた。

沖晴を演じていた時と比べて、髪が伸びた木戸の姿に、広瀬が「久々に会うと、髪が長くなって大人っぽくなっているから、成長したなって思っちゃう!」と感慨深げに話すと、共演の根岸は「爽やかすぎる笑顔の沖晴くんの顔(の印象)しかないので。This is 高校生だった」、戸田は「学生服も素敵ですけど、今日もお肌がピカピカで、スーツ姿がお似合いです」と、語った。

作品を見た感想を満島は「こんな広瀬アリスがいるんだ、こんな木戸大聖がいるんだ、に尽きます!新しい二人が観られると思います。ほとんどこの二人が物語を紡いでくれるから、僕たちはそこに寄り添ってる感じなので、観た時に、こんな表情するんだ…とかがいっぱいありました。」と熱弁。

役を演じる上で、広瀬は「今回、死というものに近づきすぎた二人がメインで話が進んでいくんですけど、悲しい顔をちょっとでもするとNGなので、そこがすごく自分の中で大変だなと。ただ悲しいだけの作品ではないところがポイントです」と語り、印象に残ったエピソードについては「朝日を撮るために1時半起きでそのまま現場に入ってメイクをして、朝4時半ぐらいからスタートしたんですけど、(木戸が)山場で。めちゃめちゃ泣かなきゃいけないし、感情がとてつもなく昂っているシーンを早朝に撮ったんですけど、大体そういう時は前日が早めに終わったりするんですけど、たまたま押してしまい、睡眠時間が短く追い込まれながらでしたけど、とても良いシーンが撮れて、印象的でした」と振り返る。

木戸が印象に残っているのは、京香と沖晴の出会いのシーン。「僕自身、かなり体を張ったところではあったので注目してもらいたいです。防波堤に一人でいるところに、京香が声をかけてきたのにびっくりして海に落ちるというのが、まっすぐ行くと面白くないから背中から行ってみたいと思ってやったので。衣装も1回しか濡らすことができないので、緊張感がある中でやりました」とコメント。

海に落ちた後、海面に笑顔で出てくるシーンもあり、満島が「花の中で爽やか笑顔のね。俺がやったら海坊主になって終わりだから!」、広瀬が「ひたすら綺麗で、爽やかな俳優さんやな〜って思いました」とそれぞれが感想を語ると、木戸から「ただ自力で沈んでも浮かんできちゃうので、重たい石を置いておいて、『木戸さん、15秒ぐらい潜っといてください』って」と、撮影の裏側が明かされると、「息止めた後にあの笑顔はすごいよ!」(満島)、「めちゃくちゃ体張ってくださった!」(広瀬)と称賛の声が上がっていた。