撮影:岡千里

 

この夏、劇場を大いに沸かせて成功裡に幕を閉じた極上のミュージカルコメディ、ミュージカル『ダブル・トラブル』は、出演者はたった2人、演奏はピアノだけというシンプルな構成で、次から次へと現れる登場人物、およそ10 人もの人物をたった2人で演じる、抱腹絶倒ミュージカル。

作詞家のボビー・マーティンと、作曲家のジミー・マーティンの兄弟2人が、ハリウッドのメジャームービーの曲を書くという大チャンスをつかむ!が、与えられた時間はたったの数時間、気に入ってもらえなければ即クビ!恋に仕事に大奮闘!果たして兄弟の運命はいかに…。

今シーズンのミュージカル「ダブル・トラブル」を盛り上げるのは、今夏SeasonAにも出演、ミュージカルなど舞台を中心に活躍する浜中文一、舞台を中心に活躍する室 龍太が12月12日から開幕するTeamDで出演。
独特のセンスが光る実力派の上口耕平、ミュージカルを中心に活躍、キレのあるダンスも得意とする水田航生が12月23日より開幕するTeamE。
自他ともに認める“型破りなグループ”、ふぉ~ゆ~のメンバーである、越岡裕貴と松崎祐介が2023年2月2日より開幕するTeamFに出演する。

翻訳・訳詞は今作で第14回小田島雄志・翻訳戯曲賞(2021年)を受賞した高橋亜子、演出は、従来の“演劇”の概念を超え新しい挑戦に挑み続けていることから、「第27回AMDアワード」を受賞し、ミュージカルやストレートプレイ、 ライブ演出など、ジャンルレスな活躍をみせるウォーリー木下が務める。

多種多様なジャンルで活躍するスタッフたちが、舞台の表も裏も大忙しの極上のミュージカルコメディを届ける。

オンライン公開稽古では、TeamDの浜中×室、TeamEの上口×水田

公開稽古の後には浜中、室、上口、水田、演出のウォーリーによる取材会も行われた。

ロック歌手の様な癖のあるマイクの持ち方で話し出そうとする浜中に対して、「ロック歌手要らないです」という室のツッコミから始まった取材会。
オンラインでの公開稽古ということでカメラに向かって話す浜中は「皆さん聞こえてますかね?大丈夫ですか?どれぐらい真剣な顔で見てるのかな……きっと全然笑ってないんでしょうね」と冗談も挟む。
前回「2022 夏 Season A~」では弟役を演じていたが今回は兄役となり、同じ作品で役を変えての出演することへの感想を聞かれ、「弟のセリフを覚えているぐらいで、だからと言って何かが変わるわけじゃないんですけど、兄の姿を(前回の)本番中も見ていたので、それをどう自分でやっていくかってところを楽しんでいます」とコメント。

撮影:岡千里

 
弟役の室は、稽古の感想を問われると隣の浜中に耳打ちされ、「稽古は終盤ですけど、出来の方は序盤です」 と言わされる一幕もありながら、「ミュージカル自体が初めてなので、始めは不安だったんですけど、徐々に自分の中で不安もなくなりつつあるので……。最初は『すげー楽しみます』ってウォーリーさんにもお伝えしたんですけど、まだ楽しめてないです」と本音を吐露。
「ウォーリーさんがすごく嬉しそうに『楽しんでくれるんだ』って言ってくださったんですけど、その意味が分かりました。この作品は色んな意味ですごく大変で、作品的にも僕個人的にも。でも作品自体はすごく面白いので、それを届けられたらなって思います」と気合いを見せる。

出演経験がある浜中から何かアドバイスがあったのかと問われると、浜中は「映像とか本番とかを結構観てたみたいなので、あんまり前回のやつは引きずられないようにはしてほしいなと思いますね。室くんがどういうふうにやりたいかっていうのが一番なので、それだけです」と答えた。

撮影:岡千里

 
浜中と室のやりとりに「息ぴったり」というインタビュアーからの声には「そうですか?」と浜中がとぼけ、「そう感じたんやからいいじゃないですか別に!」とフォローする室の姿があった。

一方のTeamE、上口は稽古の手応えを聞かれると「急ピッチで進んでいまして、でも不思議と稽古場で色々生まれると言いますか、家で考えたりして行くんですけど、それにも追いつかないくらい分量があるので、そういう意味でも今日何が出るか、みたいな感じで行くと航生が必ず応えてくれたり、すごい飛んできたりするので、稽古場はその日のセッションみたいなものを楽しめるように心がけて毎日挑んでいる感じです」と手応えを感じている様子。

撮影:岡千里

 
水田も「稽古が始まってまだ1週間ぐらいしかやってないですけど、濃密な稽古ができていて、耕平くんが言ったみたいに稽古場で打ち合わせなくバチッと揃ったりとか、意図が合った瞬間が現時点で生まれてきているので、色んなものが生み出される瞬間を感じながら稽古できていると思います」とコメントした。

撮影:岡千里

 
演出のウォーリーから見たTeamD、TeamEのそれぞれのチームカラーについて、まず浜中・室のTeamDは「の2人はやる前は仲が良いって聞いていたんですけど、稽古場ではそんなことなくて(笑)、でも2人共色んなことを知っているんだろうなって僕には想像できない色んな情報があって、それが兄弟ぽいなと思いながら見ていて、今までやった色んな組み合わせの中でも特に兄弟感があるというか。そして文ちゃんが両役やるっていうのがなかなかすごいことだと僕は思って、無意識に全体をちゃんとコントロールしてくれるのでそこに期待しつつ、その中で室くんがどれだけ遊べるかってところが楽しみにしております」と期待を寄せた。

上口・水田のTeamEには、「自分たちでも言っていましたけど、最初の読み合わせの時から不思議と空気感が出来上がっていたので、今まで5.6チームぐらいやってきているんですけど、「そういうアプローチあるんだな」とか、色んな発見をいただいて、それをフィードバックしながら作っているので、今までにない『ダブル・トラブル』が出来そうでそれに期待しています。とても軽快でお洒落な『ダブル・トラブル』です」と語った。

撮影:岡千里

 
脚本や楽曲は変わらないが、演者によって作品の印象が変わるという不思議な魅力についてウォーリーは、「二人芝居これだけでいろんなことが詰め込まれているのがないっていうのもありますし、古典の落語みたいな感じでテキストはあるんですけどやりようがいくらでもあるので、自分の役者人生の中から生まれたものを入れながら今できる『ダブル・トラブル』を役者さんが挑んでくれるので、毎回新鮮な発見があります。そういうレパートリーがあんまり日本にないので、今回挑んでくれている役者さんがまた何年後やったら全然違う作品になるだろうし、違う役者さんがやってくれることでまた違うものになるだろうし、とても稀有な作品だと思います」と話す。

最後にキャストからお客様へメッセージ。

室は「本当に楽しい作品になっていますので、気軽な気持ちで劇場に足を運んでいただきたいと思います」

上口は「すごくライブ感あふれる作品だと思っています。毎回発見がいっぱいあるし、その瞬間に何か生まれるっていう楽しみがあると思いますので、ぜひ何度でも来ていただきたいです」

水田は「年末年始で忙しい時期だと思うんですけど、これだけ笑えてエンターテイメントの全てが詰め込まれている作品ってなかなかないと思います。そんなエンターテイメントを年の瀬と年の頭にぜひ見に来ていただいて。長くやっていますので1回と言わず2回、3回、そして友だちを誘って、家族を誘って、SNSでいっぱい告知をして、たくさんの方に見ていただきたいなと思います」

そして最後に浜中は「どうも5人組ロックバンド、ダブル・トラブリーです」と話し出し、すぐさま「違います」とツッコミを入れる室。
「ウォーリーさんが入ってるから“リー”にしたんです……深いな~!これだけで見に来たくなるでしょう!」と最後まで冗談を言いながら、「って感じの舞台です。皆で楽しくやってます。元気に過ごしています。皆さん劇場でお会いしましょう」と浜中らしく会見を締め括った。

ミュージカル『ダブル・トラブル』=2022-23 冬=は、2022年12月12日(月)より自由劇場にてTeamD公演よりスタート。

<STORY>
ミュージカル映画の曲を書くという大ブレイクのチャンスをつかんでブロードウェイから夢のハリウッドへやってきたのは、作曲家の兄ジミーと、作詞家の弟ボビーのマーティン兄弟。
舞台はこれから二人の仕事場となるリハーサルスタジオのバンガローだ。
しかし、曲作りのために社長のガーナーから与えられた時間はたったの数時間!
しかも、楽曲が気に入ってもらえなければ、即クビ!!
そこに代わる代わるやって来るのは、社長秘書のミリー、年老いた音響技師ビックス、インターンのシーモア、エージェントのクイックリー、スター女優レベッカなど…個性溢れる人物たち。
ときに協力し、ときに喧嘩して、仕事に恋に奔走するマーティン兄弟。
2人は無事に成功をおさめることができるのか…!?