――平松さんが遠山金太郎を初めて演じたのが2018年のミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 青学(せいがく)vs四天宝寺。それからおよそ3年が経ちましたが、率直な感想はいかがですか?
まさか3年経っても遠山金太郎を演じられているなんて、2018年の時には想像もしていなかったことなのでありがたさと驚きが強くあります。ここまで公演をやらせていただいていることに対して、支えてくださるたくさんの方への感謝も大きいです。
――初めてお話が来た時の気持ちは覚えていますか?
最初はあまり信じていないというか、いやいや、ちょっと待ってくださいよ、って感じでした(笑)。電話で教えていただいたのですが、驚きを超えて信じられない気持ちの方が大きかったです。そこから色々と取材をしていただいたり、稽古が実際に始まったりしてからどんどん実感が湧いたというか、しっかりこの役を背負って歴史あるテニミュのバトンを繋げていかないといけないんだなという自覚が湧きました。

――元々テニスの経験はあったんですか?
経験はなくて、一から教わりました。でも、元々スポーツはすごく好きで、野球とかサッカーとか色んなスポーツが出来る自信はあったので。……って言いながら、いざボールを打ってみると最初はホームランばっかりだったんですけど(笑)。でも実際のテニスもこの3年で間違いなく上手くなっていると思います。
――3年の積み重ねがありますもんね。実際にボールを打つ練習もするんですか?
事前稽古でもフォームレッスンと実際にボールを打つ練習をしたんですけど、それ以外にもプライベートで壁打ちとか行っていました。やっぱりボールがあるとどういう風にボールが浮かぶのかとか、飛んでいくのかが分かるので。新テニミュが始まるので、初心に戻ってじゃないですけど、ちゃんとボールを使って壁打ちとかをまた一から始めてみています。
――最初の頃と比べてテニスで上達を感じる部分は?
サーブは上手くなりました!あと、実際に舞台上でラリーをやっている時、これ全然信じてもらえないんですけど、本当にボールが見えるんですよ!きっとキャストの皆さんは分かってくれると思います!
――この約3年で役への向き合い方に変化はありましたか?
公演への向き合い方に関しては、変化はなかったかもしれないです。自分が出来るパフォーマンスをして、全力でお客様に良い作品を届けるということに関してはきっと2018年の最初から変わらずに自分の中で燃えていた想いだと思います。でも、テニミュに対しての愛というか、長い間やらせていただいたからこそ生まれる愛情は間違いなく強くなっていますし、それには自信があります。
――年々愛が強まっているんですね
間違いなく強まっているなって思います。街中でヒョウ柄があったら一回止まりますもん(笑)。ヒョウ柄とたこ焼きとテニスラケットがあったら一回立ち止まります。
――金ちゃんにとって大切なアイテムたちが目に留まるんですね
見ちゃいますね。ヒョウ柄の服とか、あれ可愛いなって。
――実際に買われたりしましたか?
あります(笑)。ハンカチを何柄にしようかなってなった時に「あ、ヒョウ柄がある」ってなりました。
――ご自身と役で似ている部分は?
すごく前を向いているところというか、多分遠山金太郎自身も起きていることが全て楽しい出来事だけではないと思うんですけど、それをも楽しんでしまうパワーというか、悔しい想いとかを踏んづけて前に進んでいくパワーは自分の中にもあるんじゃないかなって思いますし、そこが似ている部分かなと思います。

――1月28日から、ミュージカル『新テニスの王子様』The Second Stageが始まります。上演が決まったと聞いた時のお気持ちは?
すごく楽しみでした。出演するにあたって、スタッフの方々が「遠山金太郎は來馬くんがやった方が良いんじゃないか」と提案をしてくださったみたいですごく嬉しかったですし、そういう話も聞いた上で実際に発表されて、その分今まで以上に責任感も感じてドキドキしている部分も大きいんですけど楽しみです。早くお届け出来たら良いなって思います。
――テニミュの時は学校同士の対決でしたが、新テニミュからはU-17(アンダーセブンティーン)選抜メンバーが登場しています。テニミュと新テニミュで演じる際の気持ちに変化はありましたか?
空気感が全然違います。テニミュでは学校ごとで絆を高めていって、それをお互いぶつけ合っていくっていうのが強かったんですけど、新テニミュは中学生だけではなくて高校生、コーチたちと大きな柱が増えていって。ポテンシャルも違うと思っているんですけど、中学生が持っているものと高校生が持っているものをぶつけ合っている感覚というか……。中学生から見て高校生ってすごく先輩だと思うんですけど、そんな先輩たちに立ち向かうっていうのが今までとは違う感覚なんですよね。テニミュとは違うベクトルの中学選抜メンバーで団結力が生まれていますし、自分としては歌でもダンスでも芝居でも、経験を積んできた先輩方に負けたくないっていうのはすごく強くあります。
――U-17(アンダーセブンティーン)選抜メンバーはかなり曲者が揃っていますが、平松さんが好きなキャラクターはいますか?
僕は入江奏多が好きです。自分が役者だからなのか分からないですけど、演技でテニスをするのにちょっと憧れというか、どこまでが演技でどこまでが本性なのかは入江にしか分からないことだと思うので、そこが楽しそうだなって思っています。しかもスンとしていて、強いぞ!っていうよりは一歩引いて周りを見ているのに強いっていうのがかっこいいです。